あらすじ
あの女さえ、いなければ──。篠田淳子は中学時代の同級生、佐竹純子が伊豆連続不審死事件の容疑者となっていることをニュースで知る。同じ「ジュンコ」という名前の彼女こそ、淳子の人生を、そして淳子の家族を崩壊させた張本人だった。親友だった女、被害者の家族、事件を追うジャーナリストのアシスタント……。同じ名前だったがゆえに、彼女たちは次々と悪意の渦に巻き込まれていく。
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Posted by ブクログ
「さたけじゅんこ」という連続殺人犯の周りで起きる事件について、悪意のバタフライエフェクトがテーマになっている。5つの漢字の違う「じゅんこ」の物語が描かれるが、恐ろしいのはどの物語においても「さたけじゅんこ」が関わっているように見えて実は全くそうではないところだ。主人公たちは怨恨、貧困、嫉妬など人間誰しもが陥る可能性がある状況にあり、それが閾値を超えた時に殺人に至る。物語の中には出会い系サイトが出てきており、読み進めるほど、かの有名な結婚詐欺のあの人と「さたけじゅんこ」を結び付けて考えてしまうが、それがミスリードの仕掛けとなっている。エピローグも秀逸。個人的には極刑を待つのみのさたけじゅんこが、記者に真犯人を言い当てる場面が好き。実際は事件に関わりがない彼女が犯罪心理を理解していることが最も恐ろしく、これまでの5つの物語にもやはり関わりがあるのではないかと考えてしまう。そしてエピローグでさたけじゅんこが生み出した怪物がまさかのあの人だったのか、と戦慄を覚えた。
Posted by ブクログ
飽きずに一気に読めた。
日が空くと誰がどのジュンコだか分からなくなりそう…
"バタフライエフェクト"
同じ名前、似た境遇などで意識したり
影響されてしまいこの小説のようになると
とても怖いと思いゾクゾクした。
登場人物が女性が多いことや
母として、女としての嫉妬などの話しがあるので
女性のほうがよりゾクゾクしながら
読めると思う。
Posted by ブクログ
当初の懸念どおり、読みが同じ人物が複数でてくるので混乱気味になった。文字は違えど次々出てくるジュンコを確立させる為に何度も前のページをめくりました。
Posted by ブクログ
久々の一気読み。だけど登場人物が多くて混乱してしまった。序盤でジュンコの毒々しさを強調しているが後半はそれが不思議な形で派生して別のジュンコにうつり殺人へと促して行くような形。子どもがいとも簡単に亡くなってしまうのが少しショッキング。それくらい命を軽く見てしまうジュンコの「呪い」が恐ろしい
Posted by ブクログ
イヤミス読んだな〜という達成感はあった。
女が悪意に飲まれていく描写はさすが真梨さんといったところで、「どうなっちゃうの…」と読む手が止まらなくなった。
けど、全体的な感想としてはちょっと期待してたのと違ったというか、なんか物足りなかったなという感想。
この物語の軸となる「佐竹純子」。
第1章で語られる純子の人物像は、某死刑囚を彷彿とさせ、この先この純子を中心にジュンコたちはどう狂っていくのか?最終章でこの純子のルーツなんかが明かされるのか?とワクワクしたものの、
ジュンコたちはそれぞれ別ベクトルで狂ってたのが露呈しただけじゃんという印象だったし、純子が凶悪犯になったルーツや細かい人物像も掘り下げられることもなく、別の事件も割り込んできて、最後にコロッとどんでん返ししてあっさり終わってしまった。
そのどんでん返しもなんとも言えない。予想できるっちゃできるけど、決め手にかけるような感じで、うーん…という感想。
一章がワクワクしただけにちょっと物足りなかった。