【感想・ネタバレ】叛骨の宰相 岸信介のレビュー

あらすじ

国民生活を安定させ、経済政策が最もうまくいっていた岸時代。先見性と実行力で国民を幸せにすることこそ宰相の条件である。人気評伝作家による白洲次郎、吉田茂に続く、昭和史を築いた政治家の傑作評伝。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

2023/08/02 読み終わった
Twitterでジャーナリストの方がおすすめされていたので。
政治家の、特に近現代日本の政治家の伝記を読んだのは初めてかもしれない。
他の方のレビューで「安保闘争のイメージしか無かったが180度変わりました」などとあったが、俺は安保闘争のイメージも無かった。安倍晋三元首相のおじいちゃんのイメージしか無かった。そんなレベルから読んだ。

青年期〜戦時中までは歴史物として、戦後〜組閣あたりはルポルタージュとしてなんとなく勝手に頭が整理して読んでた感じ。
どちらかというと青年期〜戦時中の方が楽しんで読めた。当時の日本官僚がどんなことを考えてどう行動していたのか。当然だけど今の官僚の働き方と全く異なる。満州をどうしよう、とか。
そのようなOSで生きてきた、同じ人物が、戦後も変わらず日本を動かしている。そういう点に、当たり前だけど今の日本と戦中戦前は地続きなんだって、実感する。

戦後〜組閣はかなりドロドロの政治権力闘争で、やれ誰の顔を立てるとか、やれ誰に貸しがあるとか、そういう感じ。それが政治なのかな。今もそうなんだろう。
そんな魑魅魍魎うごめく永田町で、「国民に媚びる政治家を疑え」の帯のとおり、日本と日本国民の未来を考え、そして自らの信念を突き進んだ彼政治人生は、高潔とは言えずとも、輝いていると思う。

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2023年08月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

岸信介の誕生から岸政権の終わりまでを書いた本。

当時の政治家とのやり取りや密約などの記載も多く、彼がどのように政治的に事を進めて行ったを垣間見ることができた。
また、各所に岸信介の実際の言葉や関係者の証言などが挟まれており、彼の人柄に触れることができる気がした。

彼が生きた時代の歴史的背景を知らないと流れを理解しづらいため、岸信介について最初に読む本としては少し難しい内容かもしれない。

また、本全体の構成として、
・特に後半にかけて岸信介を賛美する記載が多くなり、内容をそのまま受け取って良いのか判断がつきづらい
・歴史的事象やそれに対する評価が単純化されすぎている傾向がある(様々な背景や文脈がある事象を「これはこうであったから素晴らしい」と一面からしか評価していないなど)
と感じられる部分もあり、どの程度この本の内容を自分の解釈とするのか判断が難しいと感じた。

しかし、彼が大きなことを成し遂げた人という事自体は変わらず、長年青写真を描き続けた安保改定や憲法改正に向けて、彼が着実に手を進め、最後は死の危険を冒してまで安保改正を行った気骨に溢れる政治家だったのではと感じられる内容だった。

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2023年12月24日

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