あらすじ
藤原家の六男坊と天才陰陽師が紡ぐ平安物語。
時は平安、太政大臣の六男坊・藤原有視は、夜道で陰陽寮の学生・安倍春秋とぶつかり、春秋は追っていた男を逃がしてしまう。
口論になった二人だが、そのために「密かの賊」と呼ばれる盗賊団の盗みの現場を目撃することとなり、行きがかり上、事件に関わる羽目になってしまった。
だが、手がかりは殺された屋敷の主が言い残した「かね」という言葉だけ。
盗賊団の行方はなかなかつかめないまま日々が過ぎていった。
そんな時、有視は幼なじみの小色と再会する。小色のことを気にかける有視だったが、彼女は、なぜか有視を避け続ける。
一方、有視の身に迫る危機を感じ取った春秋は、自分の式神を有視に分け与えようとするが…!?
初めて目にする式神の存在、初恋の少女との再会、そして事件の真相――。
のんびり六男坊と天才陰陽生が紡ぐ、平安陰陽師物語!
※この作品は底本と同じクオリティのイラストが収録されています。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
背が高く、頼みごとをされると断れない六男坊と
案外素直な陰陽生。
心根の優しい…というか、やれない事は何? と
聞いた方が早そうな六男坊。
片や、居候だから、と肩身が狭い思いをしているので
お菓子を出されると大事に食べる陰陽生。
双方、自分に出来ない所を相手が補っている感じで
二人揃ったら大丈夫! という気分に。
事件に関して言えば、そうでしょう、という所に。
しかしあの瞬間、一体何を思って刃を手に取ったのか。
感情か、家族か。
後悔しないように、覚悟はできたのでしょうか?
Posted by ブクログ
主人公は生母が市女という低い身分のため、太政大臣の子息ながら周りから若君あつかいされていないのがかわいそう。
長兄は比較的まともだけど、下の兄や女房までもが家人よろしくいいように使ったりするのはどういうこと?と読みすすめながら憤慨してしまった。
仮にも主家の子弟に対し軽んじ見下したような態度や言葉遣い・・・当時の感覚からすればこれが普通だったのかもしれないが、なんとも割り切れない気分だ。
自分のそういう立場をわきまえて、常に目立たぬようにふるまう有視だが、陰陽生の春秋達と過ごすときは気持ちもほぐれて明るく振舞っているのがは良かった。
また優秀な陰陽生であるが家族との縁が薄い春秋も、似たような境遇でもどこか包容力のある有視に惹かれているようで、彼らの友情がメインの物語だろう。
(BL展開は無しかと)
実は有視には亡き養母(裕福な受領の娘)から受け継いだ邸があって、その広さなんと四町分!
六条院??と三度見してしまったが、もしかしてこの立派な邸のせいで下の兄から妬まれてるのではないかと思うのだがどうか・・・。
ちなみに恋愛成分は薄めです。
ねぎしさんの美麗イラストも必見!
Posted by ブクログ
深山くのえさんの新作でしたが、主人公が男二人っていうのがなかなか手に取れず。
でも読んでみたら、なんか雰囲気が「陰陽師」っぽい感じはしましたが、結構面白かったです。
太政大臣の息子なのに、次兄からは使用人扱いされてる有視。
元の身分は市井の民だったんで、気さくに皆と接してます。
春秋も能力はあるけど、口は悪い。
なんで有視の持ってくる菓子にあれだけ興味を持つのかと思ったら、あんな過去があったんですね。
父親はどこかの貴族っぽいですが。
最初有視の次兄が通ってる女の家が盗賊で、次兄がそれとつながってるのかと思ったら、こっちは全然関係なしだったみたい。もしかしたら次巻につながるのかな?
ちょっと設定的に恋愛成分は低め。
有視は出てきた初恋の君を早々に亡くしてしまったし、もう女性は出てこないのかなぁ。