あらすじ
「一生一事一貫(いっしょう・いちじ・いっかん)」という言葉があります。
一生を通じて、一つのことを貫き通すという意味です。
タビオ株式会社の創業者である越智直正氏は、15歳のとき大阪の靴下問屋で丁稚奉公を始めました。靴下問屋に入ったのは“たまたま”だったのですが、
「音楽家や絵描きが自分の思いを形にしたら楽譜や絵になる。靴下には靴下屋の心や精神が表れるんや。靴下だと思うな、自分自身やと思え」という、奉公先の大将の言葉をきっかけに、靴下づくりにのめり込んでいきました。
それからは、寝ても覚めても靴下。周囲からは「会長は靴下のことになると人格が変わってしまう。度が過ぎる、変や、奇天烈や。まるで靴下を作るサイボーグや」とまで言われる越智氏。今もなおメード・イン・ジャパンにこだわり、生涯最高の靴下を作るべく、越智氏は靴下づくりに日々執念を燃やしています。
本書は、そんな越智氏が商品に注ぐ尋常ならざる熱情を語りながら、経営の王道を説く1冊です。
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Posted by ブクログ
15歳で愛媛(西条市周布)から大阪に出て丁稚奉公を始めて60年、いまや靴下業界を牽引するトップ企業「タビオ」の会長による自伝的な経営哲学の書。戦後の昭和からバブル崩壊後の平成を駆け抜けた尋常ならざるエネルギー(今だったらパワハラだろうと思われるような、昭和ならではの強引さも含む)だけでなく、『論語』など中国古典の精読によって身につけた経営の王道が至るところに現れています。富士そばの丹さんといい、サイボウズの青野さんといい、愛媛出身の経営者にはユニークな人が多い気がします。