あらすじ
この社会にはきれいごとがあふれている。人間は平等で、努力は報われ、見た目は大した問題ではない――だが、それらは絵空事だ。往々にして、努力は遺伝に勝てない。知能や学歴、年収、犯罪癖も例外でなく、美人とブスの「美貌格差」は約三六〇〇万円だ。子育てや教育はほぼ徒労に終わる。進化論、遺伝学、脳科学の最新知見から、人気作家が明かす「残酷すぎる真実」。読者諸氏、口に出せない、この不愉快な現実を直視せよ。
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Posted by ブクログ
冒頭で著者が述べているように、かなり不快に感じる部分もある本
構成としては、様々な人間の生物学的な特徴について、仮説と研究結果を元に著者が自身の意見を述べている。
項目によっては、それはちょっとその結論にはならないんじゃないか??と感じるものもあった。
ただ、自分が普段なんとなく思ってることを、研究結果で裏付けていて、読んでなるほどと腑に落ちる項目も多かった。
犯罪を起こす人の特徴、子供の成長に影響する因子などの話は面白かった。
匿名
安定の満足感
橘さんの本は過去に何度か読んでいますが、どれだけ残酷でも事実をはっきりと伝える内容がとても好きです。今回で言えば人種による知能の違いなど、本来であれば声に出して言えないことも書いていく姿勢は尊敬します。
Posted by ブクログ
★★★☆☆星3
とても賢い人たちが行った調査と結果と解釈が極端すぎるように感じたが、最後まで興味を持って惹きつけられた。美男美女が得をする、頭の賢さは遺伝するなどなんとなく知っていた内容もあったけど、依存症、精神病の遺伝についてや、反社会性パーソナリティ云々その他知らないことも多く、勉強になりました。最後のページの、不愉快なものにこそ語るべき価値があると考えている。きれいごとをいうひとは、いくらでもいるのだから。という締めくくりが一番印象的でした。
Posted by ブクログ
・知能(IQ)は遺伝の影響が8割、2割が環境。→直接的な認知能力教育ではなく、生活習慣や性格など、非認知能力をのばす環境におくべき
・精神障害は遺伝率が8割、身長と体重の遺伝率は7割
・ユダヤ人は知能が高いと言われるが、検査でわかったのはアシュナケージ系(ドイツの)ユダヤ人だけで、スペイン系のセファルディや中東のミズラヒムなどは平均的。アシュナケージはヨーロッパの厳しい差別があり禁忌の金貸しで生計を立てていたり、婚姻も制限があり数十世代で遺伝的変異があった可能性がある。その裏付けで遺伝病率が高い。一方でイスラム圏のユダヤ人は人口も多く金融業に特化するわけではなかった。
・心拍数が低い、発汗しないなどの子どもは自律神経系に問題があり、恐怖や刺激を感じにくい。結果犯罪者やベンチャー経営などに振れていく可能性が高くなる
・テストステロンが多いほど競争を好み、野心的冒険的で攻撃的、性欲強くなる。また幅の広い顔になる。少ないと逆になり面長の顔になる。テストステロンは遺伝の要因もあるが子宮内でのホルモン環境に大きな影響をうける。
・男女は網膜の構造的な違い(厚いと動きに反応しやすい、薄いと色や質感に反応しやすい、男は厚く女は薄い)で、動くものや人の顔など注目するポイントが違う。→だから男子は車や電車が好きなのか
・授乳や養育をするとオキシトシンというホルモンがでて幸福感がある。オキシトシンは分娩やセックスでも分泌する。→ホスト依存や恋愛中毒が深刻になるのはこの体内ドラッグの禁断症状ではないか
・メスとオスは子ども1人に対するコストが違う。メスは胎内と授乳などが必要で大きいが、オスは射精するだけ。従ってメスは優れた遺伝子を吟味し、オスはたくさん交尾する。この条件下では優れたオスがメスを独占する一夫多妻が自然。実際に動物界では多い。
ただし、ヒトは子の養育にコストがかかるため、遺伝子の優劣のみで選ぶわけにはいかない。オスを複数のメスで共有したのではオスの資源が分散して合理的でない。従ってヒトは一夫一妻が広まったと説明できる。
・しかし、ヒトの本質は一夫一妻ではなく乱婚という説がある。霊長類のうちゴリラは一夫多妻、チンパンジーとボノボは乱婚、テナガザルは一夫一妻だが、睾丸とペニスに特徴がでる。ゴリラのペニスは3センチで睾丸は大豆ほど。交尾の前段階で他のオスと競争するから身体はでかいがそこで競争は終わるから、発達の必要がなく、体にしまいこまれている。一夫一妻のテナガザルも同じ。対してボノボやチンパンジーは体格はゴリラの5分の1だがペニスは3倍、睾丸はでかい卵くらいある。でかいから放熱のため身体の外にある。競争が精子レベルになるため発達している。ヒトはどうか?睾丸は中間のサイズで一夫一妻に近い証明と言われてきた。しかしペニスは他より長く亀頭は特有である特殊な形であり、理由をうまく説明できなかった。
・女性が清楚貞淑というのはキリスト教的イデオロギーの反映に過ぎない。16世紀、コロンボは女性患者の診察でクリを発見したが大学に揉み消された。17世紀の魔女狩り時代はクリは悪魔の乳首と言われ火あぶりの対象となった。このように女性の性衝動は抑圧されてきた。
・霊長類の進化からするのヒトとボノボチンパンジーが一番最近であり、テナガザルが一番遠い。それなのに一夫一妻なのか?しかもボノボは交尾をコミュニケーションとしても使う、実はヒトの本質はボノボと同じ乱婚ではないのか。
・歴史的にどこの部族もハーレムばかりで乱婚ははないが、人類の歴史は200万年あり、たかだか何百年を取り出して本質は説明できない。200万年にわたる長い狩猟時代から一万年前の農耕開始で変化があったのではないか。旧石器時代は人も少なく狩猟だから土地を争う必要がない、女の奪い合いについても乱婚であれば周辺部族は新しい血の供給源となる。女にとって乱婚のメリットは子の父が死んでも他の父から支援が期待できることにある。では男はどこで競争するかというと女性器である、他の精子をかきだすために亀頭ができた。
・女性がエクスタシーで大声を出すのはなぜなのか?自分の居場所を知らせるのは安全面からも合理的でない。それを上回るメリットは他の男を呼び寄せ、多数の精子を競争させること。
・以上の仮説では男と女の性戦略は対立していない。モテるモテないの競争もなかった。しかし農耕の登場がエデンを終わらせた。狩猟社会は独占や所有に意味はなかったが農耕社会では重要になった。それに伴いヒトの性行動と変わっていった。ただし現代において乱婚の復活は破壊的すぎて戻ることはないだろう。
・子どもの能力や性格は遺伝か友達関係、子育ては大した影響がない。子どもの世界は友達であり親ではない。親ができることはシンプルで環境(友達関係)を与えることだけ。だけどどんな友達を選び、コミュニティでどういう役割をするかに親は介入できない。そういうもの。
Posted by ブクログ
2016年
再読
はじめて読んだ時は
「これは一部の人から
批判反論されまくるんだろうな..」
と思ったけれど
今回も同じ様な感想を持った
(忘れていた話も多かった
読んだつもりでも忘れている..)
遺伝子はやっぱり遺伝子で
性差はやっぱり性差なんだな..
男女の脳や体の違いとか..
こう言う話知っていると
無駄な時間や労力使わずに
済むかも..と思った
目の角膜の厚さが違うと
見るもの(注目するもの)が
違って描く絵も違ってくる..
などの話...本当なのかな?
同じ接し方すれば
同じ性質や性格の人間
出来る(皆が穏やかになるとか)
わけではない
不愉快な部分もあったけど
改めて思い出した方がいいな
と思うことも多かった