あらすじ
あらゆる組織には「掟」がある。暗黙の内に共有され、時に法より重んじられ、破れば代償を払わされる。組織で生き抜く極意とは、この掟を熟知して利用することにある。「組織は上司に味方する」「ヤバい話は聞かないでおく」「外部の助言で評価を動かせ」「問題人物は断固拒否せよ」「斜め上の応援団を作れ」「後輩のために仕事をサボれ」……“最恐”の組織、外務省にいた著者が全ビジネスパーソンに贈る「超実践的処世訓」。
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Posted by ブクログ
佐藤優氏の外務省(在ソ連・ロシア日本国大使館)での勤務経験をベースに、組織で生き抜くための知恵が紹介されている。ポイントは以下のとおり。
・組織には、個人を強制的に変え、スキルを身につけさせる仕組みがある。
・組織は上司に味方する。
・下剋上を起こしたものを歓迎しないのが日本の組織文化。
・「汚い仕事」は面従腹背でサボる。
・本人が主観的に能力があると思っても、不平不満ばかり言っている奴は、客観的にみて能力がない。
・外国語能力には、能動的能力と受動的能力がある。能動的能力が受動的能力を超えることはない。
・組織のなかで最も厄介なタイプが「能力はないが、やる気のある部下(上司)」。
・プライドが高くて傷つきやすく、自分を抑圧してきた人は、他人のことも批判の目で見る。正義を楯にする。
・酒乱やストーカーなど何かに依存し、本能的な衝動をコントロールできず、破滅的な行動をとる者は非常に危険。
・組織は個人を支配する。
・派閥やネットワークにまったく参加しない人がいるとすれば、その人は能力が劣っているか、性格的に他人と信頼関係を構築することができないので、仲間に入れてもらえないのである。
・「あいつは人付き合いの悪い変わり者だ」とか「人間嫌いだ」という評判を立てられないようにすることが重要。
・後ろ向きのエネルギーを蓄積した人とは、極力接触しない。
・健康管理も実力のうち。
・ヤバイ話については、「聞かないでおく」というのが強力な防御法。中途半端に首を突っ込んでおいて、後から逃げるという態度よりはよっぽどいい。
・「面倒ごとからは逃げる」「上を巻き込んで自分では判断しない」「問題点やリスクを提示して断らせるように仕向ける」という回避術で事を治める。
・組織はリスクや責任を負うことを何よりも恐れる。組織の責任を回避するためなら、個人が犠牲になることはやむを得ないという論理で動いている。
・組織の外部に理解者を得ることには、構造的な利点がある。