あらすじ
「経営方針が実行されない」「経営と現場、部門間に壁がある」「仕組みやルールの形骸化」--これらは限られた範囲では最適だが、会社全体として見れば極めて非効率な「部分最適」の状態にある場合が多い。著者は組織風土改革を専門とするスコラ・コンサルトで大手企業を中心に数多くの組織体質の改善、大企業病の治療にあたってきた。「全体最適」で会社が生まれ変わっていくプロセスと具体的ノウハウを成功事例を交えて解説します。
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Posted by ブクログ
経営もしくは、プロジェクトマネジャーには必読だと思う。日々横たわる説明がつきづらい問題もうまく分解している。そのため、いくつか明確に見えることがある。
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全体最適・部分最適という言葉がよく分からず、読んでみました。
業務改善の研修で、行い易く・効果が高いものに先ず取り組みましょうとか言ったりするけども、
それだけだとダメなわけですね。
組織で部門を超えてビジョンを共有し、それに基づき戦略を立ててアクションプランを考えるという事。
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会社が生まれ変わる「全体最適」マネジメント
2016/3/26 著:石原 正博
「ほとんどの社員は、社長が何をしたいのかを知らない。」
「トップが何をしたいのか」。これは経営が目指す目的そのものとなる。そしてそれが理解されないまま、仕組みやルールといった手段だけが講じられたとしても、目的なき手段は本来の機能を発揮することが出来ない。
そして「手段の目的化」という状態を作り出し、部分最適の問題を引き起こしてしまう。
本書の構成は以下の6章から成る。
①「全体最適化」 あなたの会社は必要か
②9割の企業が間違っていた経営改革の進め方
③全体最適化は生産性を向上させる
④企業は「伝わるビジョン」によって生まれ変わる
⑤6か月で変化が起きる全体最適の技術
⑥ビジョンの実現に向けて
部分最適が良いのか全体最適が良いのか
間違いなく全体最適の方が良い。
しかし、それを叶えるには一筋縄ではいかない。
時間軸を長く、視点を高く持つことはもちろん必要であるもののそれだけではなく、現場までしっかりと目を向け、時には断行する強い意志を持ってやり遂げる必要がある。
これだけ先行き不透明な世の中であり、どれが正解なんて誰もわかりはしない。しかし、手探りであってもしっかりとした北極星を据付け、時には可変的な柔軟な姿勢で方向性を合わせながらやっていくしかない。
これからの時代に合わせれば、すべてが教科書通りには経営はいかないことは十分に理解できる。
お互いの理解と熱い想いはいつの時代も必要であり、それはさらに重みを増すことになる。
Posted by ブクログ
本書は、全体最適を成し遂げるためのマネジメント方法について書かれた本である。
ではまず、そもそも全体最適とは何か。
それは、「全員が一つの目的に向かって最適な選択肢を選ぶこと」である。
現実では多くの企業で、その反対の「部分最適」が蔓延している、というのが実情だろう。
部分最適とはすなわち、「限られた範囲では最適だが、全体で見ると役に立ってない、もしくは悪影響を及ぼしている」ということである。
具体的には、
・管理システムを導入したが、大部分の人は使い方が分からず逆に手間が増えている
・上司への報告のために、余計な時間が膨大にかかっている
などである。
これでは生産性は下がり、ゴールへの道のりは遠のくばかりである。
では、どうすれば全体最適化を達成できるか。
そのための鍵は、共通のビジョンを浸透させることである。
仮に全体最適のための共通の仕組みを作り、それを全社で共有できたとしても、それでは人はやらされ感が出てしまい、生産性は上がらない。
そして本来の目的を忘れ、システムを使うこと自体が目的になってしまい、進むべき方向がずれていく。
いわゆる手段の目的化が発生してしまう。
それよりは、全員を同じ方向に向かせるためには、共通の判断基準を持たせるべきである。
全員が同じ判断基準を持てれば、後は各自の判断に任せて、自分で動いてもらえば良い。
つまり全社として達成すべきビジョンを作成し、それを各々に理解してもらうこと。
それこそが正しい「全体最適化のための仕組み」である。
そしてそのためのビジョンは、いわゆる体外向けの経営方針ではなく、人を動かすためのビジョンであることが望ましい。
例えば「社会に貢献できる企業を目指す」や「活力のある会社になる」といったビジョンでは、ゴールが曖昧で、どう動いていいかが分からない。
それよりは、「今年中にA社を抜いて業界トップなる」など、具体的な方が良い。
そしてそれは、全員の総意といったバランスを取ったものではなく、経営トップから出た熱い願望であるべきである。
例え荒削りでも、もしトップが自らの声でその夢を語ってくれれば、きっと社員はその想いに付いて来るだろう。
最近自分の周りで「全体最適」が叫ばれてるので本書を読んでみたが、
・全体最適とは何か
・どんな効果があるのか
・そのためには何をすべきか
がよく理解できた。
やや長いが、得られるものが多い一冊である。
Posted by ブクログ
部分最適のワナ、経営改革の間違い事例、全体最適の改善事例、全体最適化のためのビジョン・人・仕組み、全体最適の技術。
トップのビジョンを明確に全社員に伝え、組織のタテとヨコで経営計画のPDCAに取り組む。
部分最適でありがちな問題点と全体最適に向けたビジョン、人、仕組みをつくるための技術が示されており参考になる。
しかし、「目的」というワーディングが「~のため」ではなく「~の状態」という意味で使われていたり、「寝る間も惜しまず英語を勉強する」「○○などの真意の程は分からない」(真偽)など、著者の日本語能力に疑問を持ったし、日本経済新聞社の出版なのにと編集に喝を入れたくなった。
16-88
Posted by ブクログ
この本読んでの印象は「どこの会社も一緒だ」ということ。
もしかすると、日本人の特性なのかもしれない。
戦争で日本が間違った方向に行ったのも、国の借金や年金問題も、原発の問題だって、ちゃんと全体を見れていればありえなかったと思うし。
つまりリーダーが「リーダーの責務を果たさずに現場に丸投げ」が、どこの組織でも横行しているということなのだろう。
リーダーが明確な、そして正しい「ビジョン」を持ち、それを分かりやすく部下に示す。
これは、川淵三郎さんの「独裁力」でも同じような事が書かれていた。
とにかく日本はこれが弱い。
これだけグローバル化した世の中で、いまだに日本人の特性を変えられないか・・・
生き残るためには、時間がないと思うのだが。
この本の中にあったが、「戦略」とは、「戦いを略す」こと。
つまり「戦わずして勝つこと」「楽して勝つこと」。
そのために、何をするのか?どうやって努力するのか?
当社でも中期経営計画あったけど、あれどうなった?
経営が何も示さず、部長に丸投げ、部長は自分で答えだせないから、現場社員にアンケートだって。
なんだそりゃ!
今一度経営が真剣に考えて、答えを出さないといけないのではないだろうか?
(2016/11/9)
Posted by ブクログ
全体最適という言葉をよく聞くので本で確認。
手段が目的化することで、部分最適になってしまう。もともと持っていた目的があるにも関わらず、それにそぐわない。
今企業は人材育成、即戦力の確保に苦戦を強いられているが、いままでのやり方では解決できない。まず経営者や人事部が「人を育てる」から「人に目的を持たせる」に発想を変えること。「自らの目的」を見いだせることができる環境を整えるのが管理職。
事業の目的、方針を定めて、それを達成するために、継続的・計画的に意思決定を行なって実行し、事業を管理・遂行すること
Posted by ブクログ
好きな言葉の一つ「全体最適」。タイトルに惹かれて購入。著者は石原正博氏、学習院大→安田信託銀行→スコラコンサルタント→独立。
感想。
全体最適の概念は良いのだが。ビジョンが大切、というのも良いのだが。結局はコミュニケーションか。異論は無いですが、もっと近道を期待していました。
備忘録。
・何かを変えよう、何かを変えたいが乱立して、優先順位がつけられず、結局部分最適になる、という事例あり。
・人は自身の働く目的に気づくと、会社側が育てることをしなくても勝手に育つ。
・社長いったいどの山に登りたいのか?筑波山か、富士山か、エベレストか?それが示されないと適切な全体最適が組めない。
・全体最適化を導くには、社員一人ひとりに経営の目指す方向を理解してもらい、自分自身の目的や役割と会社のビジョンをつないで行くことが重要。
・その為にはビジョンの共有と、ビジョンに向けての戦略策定、アクションプランを回す、という順序が大切。
・そして、経営の意図、意思を組んだプレイヤーをどれだけ増やせるかが肝。