【感想・ネタバレ】海の都の物語 ヴェネツィア共和国の一千年(上)―塩野七生ルネサンス著作集4―のレビュー

あらすじ

群雄割拠、他国からの侵略も絶えないイタリアにあって、一千年もの長きにわたり交易で欧州を席巻、自由と独立を守りつづけた海洋国家ヴェネツィア。地中海に名をとどろかせた高度な統治の内容と、そこに生きる人々の叡知、そしてついには衰亡へと向かう壮大なドラマを詳述する。執筆当時を回想したメイキングを新たに収録。 ※当電子版は単行本上巻(新潮文庫第1巻~第3巻)と同じ内容です。地図・年表なども含みます。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

ヴェネツィアを旅してみて、なぜこのような住むのに不便な地を選び、そこに都市を築いたのかということが不思議でした。ヴェネツィアの過去の栄光を見ただけに特にそれを感じたものです。その謎から本は始まります。1500年前のヴェネツィア建設。その立地故にむしろ、海の都(水の都ではなく!)として発展せざるを得なかった歴史は日本、英国などが貿易立国を目指さざるを得なかった背景と同じであり、面白いですね。後半はライバル・ジェノヴァとの死闘120年。ジェノヴァとの国民性の違いを通しても、ヴェネツィアがいかに独裁制を廃し、民主主義を貫こうとしていたか、またローマ法王からも自主独立を実現し、ビザンチン、イスラム文化との接点としての国際都市の役割を持っていたということは当時としては大変な革新的な国だっただろうと圧倒される思いでした。

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2013年08月24日

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