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Posted by ブクログ
カイロからケープタウンまでアフリカ縦断の長い旅。この本に対する自分の評価はこのレビューの長さがものがたっていると思う。
この本は単なる旅行記というカテゴリーには属さない。アフリカ諸国の歴史背景や様々な現地人たちの証言、筆者の時に厳しく、ユーモア溢れる観察眼が創り出すかなりディープな内容となっている。長い旅を通じて、30年余りの昔から進歩がない、むしろ悪くなっているアフリカ大陸の現状が浮かび上がってくる。
こんなタフな旅をしたポールセローには、一般人らが観光旅行でみるアフリカがハリボテのようで滑稽に思えただろう。
少し考え方が偏屈で気難しい(特に慈善団体には)感じがする筆者だか、旅の終盤でノーベル賞受賞か?となった時の反応は可笑しくて、斜に構えているけど、この人もただ普通の人なんだなと好感が持てた。
Posted by ブクログ
ポール・セローを読んだのは「モスキート・コースト」以来、ということは30年ぐらいぶりになるのかな。
5センチ以上の厚さのある本でしたけど、とてもおもしろくて、毎晩少しずつ読むのが楽しみで、アフリカを堪能いたしました。
Posted by ブクログ
カイロから陸路でケープタウンへー。という触れ込みをみると、かつての「深夜特急」のような旅行記を思い浮かべるが、異なる種類のようだ。
著者のポール・セローは、かつてはアフリカでボランティアの教師として働いており、「再訪」の意味も含め、日常から脱出するたアフリカへ向かう。
考えてみれば、アフリカは人類発祥の地と考えられており、自然も豊かなはずなのに人々は貧しい。北からはキリスト教徒、東からはイスラム教が伝播。もともとの部族対立。大航海時代以降は南から白人が入植。人種差別。独立以降の混乱の中では共産主義という名の独裁、混沌。隣人がいきなり殺し合いをはじめる(ルワンダの大虐殺)。
やはり、何がおきているのかを確かめるためには、自分で赴くしかない。相当に名の知れた作家であるはずのセローはそうしてギュウギュウ詰めの、命知らずの運転手が運転するバスに身を任せ、一路南に向かいます(最後は自重してますが)。