あらすじ
人生に起こるさまざまな事柄――それらは、偶然のようにもみえ、一方では運命とも思える。不確実な現世のなかで、身に降りかかる幸不幸を、私たちはどう考えるべきなのだろう。未来が見えないとき、いったいどうしたらよいのだろうか。ストレスなく、楽しく暮らすためには、何が必要なのだろうか。占い、確率、宗教、スピリチュアルを超え、偶然のしくみを知ることから始める、幸せに生きるための新しい方法論。【目次】はじめに 偶然とは何か/1 自分で選択するべからず/2 世の中にはどうにもならないこともある/3 自分の身に起こったことはすべて必然と考える/4 たかが確率、されど確率/5 思いは全部どこかでつながっている/6 いい流れには黙って従う/7 すべてはなるようになる/注/あとがき
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Posted by ブクログ
思ったよりも大きな話題だった。読みやすくてわかりやすいけれど、「人生の心得」が理解できる。この内容がわかっている人生とそうではない人生はとんでもない差になるはずだ。
生きるために自分が知らなければならないことで欠けていることが見つかる。
まいった。
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■僕が野良犬に咬まれないといけない理由■
宝くじに当たる人、詐欺にあって破産する人。裕福な家に生まれる子、ハンディキャップを背負って生まれる子。たまたま事故に巻き込まれる人、寝坊して命拾いする人。自分の身に起こることは偶然なのか?必然なのか?そもそも偶然って何?必然って何?
こういった疑問に理屈で答えるのは難しい。僕たちは幸運や不運にどのように対処したらいいのだろう。もちろん正解など存在しないと思うが、理屈ではなく考え方のヒントを与えてくれる。
著書中には数学者、ギャンブラー、占い師から矢沢永吉まで登場し、実話はもちろん、ギリシャ神話、言い伝えから笑い話、マーフィーの法則まで多彩なエピソードを使って、「人生いろいろ」を堪能させてくれる。
おもしろいと感じたエピソードの一つを使って思考実験を行ってみる。例えば僕がニューヨークで野良犬にかまれたとする。「なんで善良な僕が!?」運が悪いとしか言いようがない。
少し視点を変えてみる。ニューヨーク市で犬に咬まれて届出がある一日平均人数は毎年ほぼ一定しているという。もちろんニューヨークの犬たちは、今年はもう十分咬みついたから今日はやめておこうとか、まだノルマに達しないから毎日咬まないと、なんて考えるわけではない。いつどこでかはわからないが、誰かが咬まれる運命にあるのだ。
このように個々の事例では不運や理不尽と思えることも大局的には(統計的視点で見ると)おおむね必然で理にかなっていることは少なくない。ここで納得できる人もいるかもしれない。
しかし、統計だけではこの不運をこうむるのが、よりによってこの僕である理由にはなってない!
ここで、神様目線で考えてみる。咬まれるのが僕である必要はない。が、僕ではダメな理由もない。つまり誰でもいい。ただ、いちいち「こいつは咬まれるべき」とか、「この人はかわいそう」とか選別しているほど神様は暇じゃないかもしれない。
そんなことを考えているうちに僕が咬まれるのは必然とまでは思わないまでも、だんだん「まあいっか、そういう運命だったんだろう。」という気がしてくるから不思議。
もちろんすべての幸運・不運をこんな風に達観できるほど僕は人間出来てない。
でも、こんな風に柔軟に視点を変えることができれば、見える景色が違って人生おもしろいかもなと思う。
例えば、そんなことを考えさせてくれる、楽しく、おかしいエピソードと、あたたかいヒントに満ちた著書だ。
Posted by ブクログ
最近、「運・不運」「必然・偶然」がマイブームです。この本で著者は多彩な話題でそれを語っていて、読んで興味を持った所は更に自分で深掘りしていけば良いと思います。ちなみに僕は南方熊楠のマンダラや仏教の縁起、確率のベイズ理論などをもっと知りたいと思いました。『起こった事は全て良い事である』、きっとこの本を読んだ事も。
Posted by ブクログ
「人は自分自身が下した決断からはなかなか自由にはなれない。だから、いいセールスマンはこちらから説得するのではなく、相手が自分で決断を下せるように導いていくのである。」
「神は嫉に深いゆえ、コウフクナ人間でも一転して奈落に落とされることもしばしばである。それゆえ幸福のうちに生涯を終えるところまで見届けぬかぎり、いまどれほど富んでいようとも、普通の人間より以上に幸福だとは考えられない。そうして、ソロンは、人間の生涯はすべて偶然の産物にすぎず、最後の一転がりで結果はどちらになるかわからないのだと告げる。」
「幸福にも二つの道筋があって、いざというとき頼りになるのは、先天的に与えられたものではなく、自分の力によって獲得されたものだけだというのである。」
偶然とか、幸せとか、とてもありふれた言葉だけどそもそもそれってなんぞやって話。占いを信じる派だったけど、読むとやはりなと思える説得材料がたくさん見つかる。
なるべく自分からは決断しないって話は、がつんときた。未来が見えないとき、先の将来で迷ったとき、それを参考にしたい。
忘れた頃にまた読みたい一冊。
また、歴史勉強が面白くなりそうな一冊。オイディプス王の話をまた読み返したい。
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なんとなく気が付いていることを言葉に、活字にされるととても気持ちがよい感覚になる。本書はまさにそんな本。どこかで気づきながらも、言葉で理解していなかったことがいかに多いか。楽しめた本です。
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運勢について学者が書いた本。
科学的で、とても興味深い。なんか決定版のような気がした。
どこかの社長が書いてるような啓発本とは一線を画する。
最後のページに、まとめが書いてあるので、そこだけ読んでもいいが。
運が悪いなと思ってる人は読んだ方がいい。
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人はみんなどこかで繋がっていることを、精神論だけじゃなくて理論的にも教えてくれる本。
自分の流れを意識して、その一瞬の縁起を大事にしたいと思った。
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「偶然」については、いろいろと本を読んでみたが、物事の捉え方として、ビジネス書の成功の秘訣のような類の文章とあまり変わらない。ただ、だからといって程度が低いというような話ではない。それだけ、共通する事柄が多いということが重要なんだと思う。
また、予測と精度の関係についての考察は、へぇ!!です♪
いずれにせよ、「偶然」は興味あります。
Posted by ブクログ
42の断章によってつづられた、偶然についての哲学的考察です。
「われわれの人生を決めているものはいったいなんだろう」という問いかけで始まる本書ですが、問題の解決を求めて宗教的な次元にいっきょに飛躍するのでもなく、かといって主観の領域に問題を封じ込めてしまうのでもなく、パスカルの「中間者」の立場から見えてくる広漠とした問題領域のマイルストーンを、いくつかの印象的な事例を飛び渡るようにして考察を展開しています。
そういう構成になっているので、問題の解決を見いだすことよりも、むしろ問題の広がりを探索するといった印象があり、けっきょくのところどういう結論に行き着いたのか、やや見通しがたいという欠点はあります。とは言うものの、それは問題そのものが然らしめるところという面もあるのではないかと、つい少し甘い評価をしたくなってしまうような、どうにもおもしろくて仕方のない読書体験を味わわせてくれます。
Posted by ブクログ
偶然のチカラについて書かれた本。あまり期待しないで読んだのですが、内容的にはとてもよかった。偶然というものはたった一人の世界では訪れない概念、という言葉が何より新鮮でした。いつか改めて読みたい本。
以下抜粋。
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・うまくいきる秘訣はなるべく選択しないですますこと(あれか、これかではなく、あれもこれも)
・買う前は欠点に敏感だった人も、買うと決めると調書ばかりを強調することになる。
・自然が秩序を持って進行している、ことに気づくことになると、一方では占いが生まれ、他方では賭けがうまれることになった。
・雨乞いのダンスはそのまま雨をふらすものではなく、社会的に危機意識を共用するものであり、実際それによって人々の結束は著しく強まった
・ヴァーチャルリアリティを作ろうとした時、インディアンのキヴァを参考にした。そこは日常から離れて色々なものに変貌出来る場所。自分を解きほぐしてくれるもの、眠り、赤ちゃんに戻してくれるもの、恍惚、ぐちゃぐちゃにしてくれるものが必要。
・良い時は未来は決まっているように見える。
悪い時は未来は一瞬にして闇に閉ざされてしまう。
・人生で誰の身も起こることを不幸と呼んではいけない。
・もし無人島で暮らしていたら、果たして偶然ってあるのだろうか。
→偶然とは人間の力の及ばない事象と思われてきたが、もしかすると極めて人間的な出来事かもしれない。
Posted by ブクログ
「幸運ばかり願う心にこそ災いは忍び込むものである。」
後半は確率の話である。
自分の選択が正しいかどうかは誰にもわからない。選ばなかった未来は誰にも視えない。
悪い出来事は続く。
Posted by ブクログ
≪目次≫
はじめに 偶然とは何か
第1章 自分で選択するべからず
第2章 世の中にはどうにもならないこともある
第3章 自分の身に起こったことはすべて必然と考える
第4章 たかが確率、されど確率
第5章 思いは全部どこかでつながっている
第6章 いい流れには黙って従う
第7章 すべてはなるようになる
≪内容≫
名越氏の帯の書評「あまりに名著。遺書かと心配になった」が大変キャッチー。確かに名著である。宗教人類学者である著者が、「偶然はないよ。必然なんだよ。だから、抗うことなく悪いことが続いたら、その中で一番解決しやすいものからちょっとずつ崩していけばいいんだよ」というアドバイスをくれる本。
7章42の断片からなるこの本は、最初の1章と最後の7章の42番目の断片にすべてが書かれている。が、納得できない向きは全部読んでください。あちこちに名言があり、確率論などやや難しいが、池谷裕二氏の本と一緒で、科学と哲学(宗教)は、結局同じ方を向いているんだと気づきます。
Posted by ブクログ
つらいとき、しんどいとき、周囲の状況を変えることも解決策になるが、自分が持ってる考え方を変えるほうが平和的でもあるし現実的でもある。しかし単なる現状追認で終わってしまうのはとても悔しい。そういったことを解決してくれるバラエティに富んだ思考スキルを提供してくれるのは植島先生。学者先生が書いているこの手の新書や文庫はそれぞれの学問分野の特色が表れていておもしろい。植島先生は学者さんの視点であってもお説教っぽさがないし、ギャンブラーでもある先生の考え方とうまくマッチしていて納得さられること非常に多し。同じシリーズの「生きるチカラ」もよかった。
Posted by ブクログ
なんとなく手に取った本、著者名を見て「あ!」と。学校時代に数回授業を受けただけですが、かなりインパクトのある先生だったので、思い出しました。これも「偶然のチカラ」かなぁ。
とはいえ、「偶然」てあるのかな?
スピリチュアルな方面では「すべては必然だ」と言いますねぇ。
因果の法則、カルマの法則とか。
となると、これから起きることはもう決まっているの?
と、疑問も生まれてくるんですけど、
原因→結果の流れは、「良いことしたから良いことが起きる」という一直線で単純明快なものばかりではなくって、もっと複雑に絡み合ってて、どうしようもないこともあるんだな、っていうことが、さまざまなエピソードとともに書かれています。
古代ギリシャの物語、キリスト教と仏教、確立と賭けなどなど、それぞれ掘り下げたら深い話が、ちょっとずつ紹介されてるので、ここからまた、興味を持ったほうに進みたくなる本でした。
Posted by ブクログ
選択を迫られた時どうするか?
人生は選択の連続である。
では、どのように選択していくべきか・・・
この本は、各章ごとに内容がバラバラな感があるのですが、実は1つにうまく収束されています。
最期のまとめはホントによくまとまっていると思います。
この本の内容が実践できれば、それは達観の域だと思います。
Posted by ブクログ
面白い本だった。著者は宗教学者らしいが、人間がこの世に起こる出来事を理解する仕方を、宗教の立場、占いの立場、確率や数学の立場からどう理解しどう判断するのがよいかを一緒に考えてくれる。
結論から見れば、一つ一つのことは原因と結果の必然であるが、その複合、重なりは偶然であり、心の関与が大きい。最大限に未決定な中で、悪い流れは一つ一つ断ち切り、いい流れには身を任せることが重要、ということか。
ギャンブルは心の勝負で、一生を揺るがすようなプレッシャーをかけ、相手に自分で判断させるようにすることが勝つポイント等示唆に富む内容だった。
紀元前の昔から変わっていない人間の心のあり様とその対処法について、現代人の心の危うさを感じた。
Posted by ブクログ
偶然とは何か?
そういうことを論じた類書は多々ありますが、なかなか面白い本でした。
選択しないことが、幸福につながるっていう視点はなかなか考えさせられます。
Posted by ブクログ
「偶然に思える事象も、見方を変えると必然かもしれない。起こる事は起こるし、起こらない事は決して起こらない。たかが確率、されど確率。確率。」
「偶然の重なりも、悪い事が起こった時には、連鎖を断ち切る事が重要。」
選択にとらわれない事、選択が正しかったかどうかなんて考えない事が大事。そんなことは分かりえないので考えても無駄!という思考法が心に残った!
Posted by ブクログ
偶然とは、必然とは。
人生論を引き合いに出し、人の生きるべき道を指し示す良書。
ところどころ数学的アプローチもあり、楽しく読める一冊。
結局、良い事は信じ悪い事は忘れ、楽しく前向きに生きるべきとの結論になりますね。
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
ビジネスや恋愛、家族や友人など、人生のさまざまな側面で起こる多くの事柄。
それらは偶然のようにもみえ、一方では運命とも思える。
私たちには、さまざまな幸・不幸が降り掛かり、未来に何が起こるのかは誰にも分からない。
では、この不確実な現世において、幸せに生きるためにはどうすればよいのだろうか。
ストレスなく、楽しく暮らすためには、何が必要なのだろう?
未来が見えないとき、私たちはいったいどうしたらよいのだろうか。
本書は、占いや確率、宗教やスピリチュアルを超え、偶然のしくみを知ることから始める、幸福への新しい方法論について、分かりやすく面白く論じていく。
[ 目次 ]
はじめに
1 自分で選択するべからず
2 世の中にはどうにもならないこともある
3 自分の身に起こったことはすべて必然と考える
4 たかが確率、されど確率
5 思いは全部どこかでつながっている
6 いい流れには黙って従う
7 すべてはなるようになる
注
あとがき
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
Posted by ブクログ
すべての出来事にはそれなりの原因がある。人が納得できないのは、実際に起こったことについてではなく、なぜそれがよりによって自分に起こったのかである。
Posted by ブクログ
かけ 占い 数字はギャンブルから始まった
確率
選んだ事にとらわれ、自由に判断できなくなる
→なるべく選択しない
幸と福
運の部分と積み上げる部分
184 いい流れに従う
時々難解な部分ありますが、なかなか面白かったです。
Posted by ブクログ
偶然をどう捉えて、対処するか?
エピソードがバラエティに富み、その中で確率、法則、偶然など
考察されてます。やや読み進め辛かった感はありますが、
なるほど。。と思う箇所もあり、参考になりました。
Posted by ブクログ
偶然とはなにか。どう向き合うか。について、
確率論、占い、ギャンブル、数学、歴史、宗教(キリスト教、仏教、ギリシャ神話、ヒンズー教など)、雨乞いのダンスの合理性、精神論、うつ。。。などなどの観点から考える。
各章ばらばらで多少エキセントリックな感じも否めないが、あとがきで割りきれいにまとめている。
ギリシャ神話から矢沢永吉まで、様々なジャンルや時代からの引用が多く、雑学集として楽しめました。
Posted by ブクログ
著者は、『安岡正篤一日一言』から次の言葉を引用している。
「『幸』というものは幸いの原因が自分の中にない、偶然的な、他より与えられたにすぎないもの」を指している。それに対して、「原因を自己の中に有する、即ち自分の苦心、自分の努力によってかち得た幸いを『福』という」のだと指摘している。
そして、「徳」というものは、多くの人と交わるなかで初めて養われるものであり、そのためにはいつも自分が多くの人々に向かって開かれていることが必要となってくる。としている。
この本を読んで、私が紹介したいと思った一節は、安岡正篤の言葉であった。少々残念な感じもするが、学者さんと言うものは、過去の偉人が残した学問や生涯を研究するものであるので、仕方がないことなのかもしれない。
むしろ、多くの学問の中から現代を生きる私たちに役に立つ考え方をセレクトする能力が、求められているのかもしれない。
Posted by ブクログ
この世の中の出来事は、偶然なのか、必然なのか。
交通事故を合うのは、偶然か
勉強すれば、テストのできるのは、必然か
よくわからなかったな。
ただいえるのは、
この世にどうにもならないことがあることを理解して、くよくよせず、起こったことを客観的に分析することが大切だということだ。
未来が見えない今、どうすればいいのか。
自分で選択せず、「世の中にはどうにもならないこともある」と一歩引いて考える
偶然に翻弄されずに、「起こったことをすべて必然と考える」習慣を持つ、ありのまま受け取る。
くよくよしない。「われわらの社会では、起こることは、起こるし、起こらないことは決しておこらない。
Posted by ブクログ
未来が見えない時、自分で選択しない。世の中にはどうにも出来ないことがある。自分に起こることは全て必然、社会では起こることは起こるし、起こらないことは決して起こらない。確率の重要性。悪いことは連鎖するので一つずつ片付ける。ギャンブルの勝ち方なんかもふまえて、人生なるようになる!楽しく生きましょう!
Posted by ブクログ
競馬好きの教授ってことで知っていたが、こういった著作を読むのは初めて。やはりギャンブルに絡めての話題が多かった。まあ今の自分の仕事の気分においては気づきとなる言葉や意見がちらほら述べられていたが、全体としてとりとめもなく蘊蓄が語られている印象で、新書らしい新書といったところ。