あらすじ
勉強すると、人に優しくできるんだって――。
『浜村渚の計算ノート』シリーズの著者がおくる、愛と感動の“塾”ミステリー!
舞台は、小中学生を対象にした「JSS進学塾」。ある日、塾の公式アドレスに「おたくの塾生、山下愛子を誘拐した」との脅迫メールが届いた。犯人の要求する身代金額は、なんと五千円。しかもすべて一円玉で用意し、千円ずつにわけて五人の学生講師がファミレスに持参せよ、という驚きの内容だった。ファミレスに集まった五人は、犯人によって一人ずつ順番に呼び出されるのだが、彼らを待っていたのは、それぞれが得意とする科目の難問、奇問。「こんな悪ふざけをするのは、あいつしかいない!」――五人は、塾に恨みをもつ元講師を疑うのだが、誘拐事件は、やがて意外な展開を見せる……。五人の講師たちは、少女を、塾を、救うことができるのか?
いま塾に通っているみんなも、かつて通っていたお父さんお母さんも、一緒になって楽しめて、「読むと、勉強したくなる」(ここ重要!)、世界初の塾ミステリー。
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Posted by ブクログ
これは心温まる誘拐劇だった。
この作品は悪者という悪者が出てこない。必ずどこかしらに人を思う心があるように感じた。
「誰も傷つけない誘拐。」「傷つけないために誘拐を成立させる。」といった発想が好きだなと思った。
それに物語のメインである5人の学生講師。学生講師ならではの、大人になりきれない子供らしさを感じた。
大人ではない立場のキャラクターだったからこそ、この話は成り立っていたのだと思った。
また、想像してたよりも、小学校高学年から中学三年生までの学習問題が多く出てきた。問題として出てくる場面もあるが、普通の会話の中にはさまれる場合もあった。
正直、「なんだっけこれ?」「え、わからん」となる問題が多少…多少あったが楽しく読めた。