あらすじ
[私は駄目な王女だからね。自分のために命を使いたいの] ──この日、赤燕の国(レポルガ)の国史には第百三十二代王位継承者アルナリス=カイ=ベルヘスと、その護舞官ユウファ=ガルーテンが失踪したと記された。だが、それは嘘だと俺は知っている。太陽を祀る五日間、彼女は王族の在り方に抗い、その想いを尽くしただけだった……。 突如国を追われた王女アルナ、刀を振るうしか能のない護衛剣士ユウファ、猫の血を身に宿した放浪娘イルナ、人語を解する燕のスゥと軍犬のベオル。森と獣に彩られた「赤燕の国」を、奇妙な顔ぶれで旅することになった一行。予期せぬ策謀と逃走の果て、国を揺るがす真実を前にして彼らが胸に宿した祈りとは――。 これは歴史の影に消えた、儚き恋の亡命譚。
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Posted by ブクログ
随分と凝った設定だな、という印象。子供の生まれ方については、十二国記をちょっと彷彿とさせるけど、こっちの方がもっと生々しい感じ。一人称は割りと苦手な方だけど、あんまりそれを感じさせなかった。悪くはない。凝った設定が理解しにくい、というほどのこともなく、それなりに世界に入り込むことはできた。
ただ、ナンバリングしてあるのに、このラストって……!? という感じだったので、うーん……?? この話はここで終わりで、同じ国を舞台にした別の物語という意味でのナンバリングならいいけど、そうでないなら続きがある必要はないんじゃないかな、と思った。