あらすじ
じっと動かない植物の世界。しかしそこにあるのは穏やかな癒しなどではない! 植物が生きる世界は、「まわりはすべてが敵」という苛酷なバトル・フィールドなのだ。植物同士の戦いや、捕食者との戦いはもちろん、病原菌等とのミクロ・レベルでの攻防戦も含めて、動けないぶん、植物はあらゆる環境要素と戦う必要がある。そして、そこから進んで、様々な生存戦略も発生・発展していく。多くの具体例を引きながら、熾烈な世界で生き抜く技術を、分かりやすく楽しく語る。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
植物の生存戦略には、CSR戦略というものがある。
C:競争戦略(弱肉強食の世界で勝つ)
S:ストレス耐性型(普通の植物がストレスで死んでしまうような環境をあえて選ぶ。ex:砂漠、日陰)
R:レルラント(変化が激しい環境を選んで、変化に対応して成長する)
これらの戦略に基づくと、
・サボテンが丸い形をして、棘をはやしているのにも理由があるし、バラに棘が生えている理由も物理的な防御という以外に理由がある。植物は、過酷な生存競争の中で生き残るために形を変えてきた、という話が面白かった。
Posted by ブクログ
無知な私には平和そうに見える植物の世界…その生存競争について記された著。
次郎でも読みやすい文章にして、その内容は大変興味深く、とてもよく出来た書籍だと思います。
植物が利己的に生存競争した一つの結果が「共生」というのも興味深い点です。
植物のあり方を通じて、人間というものが以下にあるべきなのか?ということを考えさせられます。
また後書きが秀逸
Posted by ブクログ
以下よんで気になったところのメモ・
- 植物は光を得る競争をしている。競争していく中で、他の植物より早く高い位置に葉を広げようとしている
- アサガオは、茎に頼らずつるを伸ばし他の植物を頼りにしながら伸びるので早く伸びることができるようになった
- 「他人に頼れば、苦労せずに早く大きくなれる」 このつる植物の考え方を、さらに進めたのが、寄生植物。
- 寄生植物は他の植物から栄養分を奪うことで生きている
- 植物の成功戦略はC・S・Rという3つの戦略がある
- C戦略は、コンペティティブ(競争型)
- S戦略は、ストレス・トレランス(ストレス耐性型)
- 水や光が不足している環境での耐性があるなど
- R戦略は、ルデラル型
- 予測不能な激しい環境に臨機応変に対応するタイプ(雑草など)