【感想・ネタバレ】アマニタ・パンセリナのレビュー

あらすじ

睡眠薬、シャブ、アヘン、幻覚サボテン、咳止めシロップ、毒キノコ、有機溶剤、ハシシュ、大麻やLSDもあれば、アルコールもある。ドラッグのオンパレードである。著者自らが体験したリーガルなものもあるし、話に聞いただけのイリーガル・ドラッグもある。古今の作家の生活や名著などもひきながら、話は「人はなぜ快楽を求めるのだろうか」へと進む。煙の向こうにひとの本質が見え隠れするような傑作ドラッグ・エッセイ。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

ドラッグについてのエッセイ。私は気分が悪くなるとこの本を開く。ドラッグを賛美するわけでなく、突き放して冷徹に描写している文章を読むと落ち着くのだ。らもさんはドラッグとは幼児のくるくる遊びだと書いている。やった人間にしか分からない醒めた視点が心地よい。

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2021年06月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

この本を読んだのは大学一年生の(何年前だ?)の夏休みだった。父親の店(居酒屋)でバイトをしていた時だ。
文庫版をエプロンのポケットに入れて読んでいたせいか紙がふやけてしまっている。その父の店でバイトをした夏休みの匂いも込みでこの本は愛おしい。

つるりと話してしまうと、作者が「しばらく、クスリの事を書いてみよう」と言って書いたものなので、合法違法含めいろんな薬について書かれている。

今でこそそういう作用のある薬や毒物に対する知識がある自分だが、これを読んだ時にはタバコと酒をたしなむくらいで「あ、自分悪いことしてる。」と気分が少しばかり高揚するくらいだった。若かった。

”はじめに”を読み進めていくと「ガマなめ」について話されているが、要するに、そういう作用のある「カエル」を「舐めてみよう」ということである。本文をすべて読めばわかるのだが、カエルを舐めなくても、違う意味で新聞に載るような経験がしっかりと書かれている。

しかし作者はその本文すべてに巻き散らかされた”新聞に載りそうな行為”ではなく、カエルを舐める事を「もしこんなことで死んだら新聞に載る」→「孫がグレる」とあきらめるのだ。
四六のガマか、自来也か。と思いつつも、ぺらりと一ページめくってみると
「中島らもガマ吸って死ぬ」
という一文が!!”ガマ”すって死んじまった事実をいかにも新聞に載りそうな文章で書き、それをここぞとばかりによいタイミングで見せられると、これほどまでに笑いの発作をおこすことか!
残念ながら、自分がもっているのは文庫版なので、ページをめくり偶然にこの現象が起きたのかもしれないけれど、ぺらりとめくってそのページの一文目が「ガマ吸って死ぬ」のフレーズだったは衝撃的だった。

何度読んでも、初めて読んだ時と同じく「そんなことで死んだら新聞に載る。」→ページをめくる→「ガマ吸って死ぬ→孫がグレるのくだりで爆笑だ。
当時も我ながらよく台所で客の酒宴の声をBGMに湧き上がってくる笑いをこらえたものだ。

ここまで書いておきながらまだ「はじめに」の話題なのだ。本文には色々な薬物に関するエッセイが書いてある。もっともっとこの本については語りたいものだがあまりにネタバレして本文を読む楽しみを奪ってはいけない。

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2016年03月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

中島らもさんの本が好きで、たまたま本屋さんで見つけて読み始めた。

ドラック関係の本や映画といったものは、ドラックをやめたくてもやめられない負のループみたいなところに目が向けられがちだと思うが、らもさんのエッセイは、色々な薬物を実験的にやっているようなところや、客観的に色々分析しているところが面白いなと思った。

なぜ人はドラックをやるのかという問いに対して、自失を求めているからだという答えは、確かにそうだなと思う反面、(私にはわからないが、苦しむことが色々あるのだろうということは、十分承知しているが、)こんなに才能のある人がどうして自失を求めているのだろうかという気持ちにもなった。

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2022年03月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

中島らもの一番の才能は同じネタの使いまわしを苦にしないところだと、本書を読んで痛感した。落ちがわかっている話を何度でも読ませる、これは本当に恐るべき才能だ。

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2013年12月27日

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