【感想・ネタバレ】シャッター通りに陽が昇るのレビュー

あらすじ

瀬戸内の城下町“さぬき亀山市”。かつては大勢の客で賑わった亀山商店街だったが、今ではわずかに数店舗が開いているだけの寂しいシャッター通り。東京からドロップアウトして戻ってきた果物屋の一人娘、英里子はその光景を目にして商店街の復興を決意するが――。芸術家の道風、左遷中の銀行マンの田嶋ら、個性豊かな面々と力を合わせて地元のために奮闘する、アラフォー女性の町おこし小説。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

本当に多いです。

シャッター通り。

昔を知っている人間には すごく寂しいです。

日曜日なのに 人が いない。

猫も いない。

何とかならないでしょうか。

この小説の内容 どこかで 見たような。

ドラマ化されましたか。

鶏肉好きなので 一度は 行ってみたいですね。

実際 あればの話ですが。

その後の 話は あるんでしょうか。

気にはなります。

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2023年05月28日

Posted by ブクログ

 四国の瀬戸内海に面したかつての城下町であり、その昔は栄えて賑やかだったさぬき亀山市。だが今や見る影もなく寂れてしまっている。 

 父が不治の病に倒れたのをきっかけに東京から故郷に戻ったアラフォーOLが、寂れた商店街の復興目指して奔走する町興し小説。
          ◇
 金曜の夜。恋人の和生から食事の誘いが来た。久々のデートに胸踊らせながらワインで乾杯した英里子。だが、甘いムードはそこまでだった。

 和生が口にしたのは別れのことば。
 4年もつきあった仲だったが、すきま風など吹かないと思っていた。ところが聞けば和生は、3か月前から懇ろになっていた若い後輩女子社員とできちゃった婚することになったという。

 文句やイヤ味のひとつでも言ってやろうと英里子が口を開きかけたときスマホに着信があった。出てみると郷里の母からで、父が倒れたとのこと。しかもかなり危ない状態だと訴える母親。
 和生のことなど放って急遽帰郷した英里子が見たものは……。 ( 第1章 ) ※全3章。

      * * * * *

 芥川賞候補にもなった広谷鏡子さんのエンタメ作品。テーマは町興し。
 物語の舞台となったさぬき亀山市は、広谷さんの故郷である丸亀市をモデルにしているようで、丸亀市観光大使に就任した広谷さんの郷土愛がわかる内容でした。

 町興しの手法に目新しさはないのですが、商店街組合の全員が本気にならないと町興しの実現は不可能だというところに説得力があり、テーマをファンタジーで終わらせない広谷さんの地道な取材と熱意を感じます。
 そしてそのあたりは、シャッター商店街の復興を掲げ徒手空拳から始めた主人公の英里子が、自分の足で情報を集めて人脈を広げ、食べ歩きも頻繁に行うなど、目的に向かって泥くさく進んでいく姿に現れているように思います。

 設定としておもしろかったのは、英里子を中心にして「桃園の誓い」を立てるところ。
 後に軍師・孔明役の田嶋も登場し、ワクワクさせる展開にしてくれています。
 実際、田嶋は優れた軍師ぶりを発揮し、見事な計略を次々打ち出していくので、読み応えがありました。

 ただ、主人公の英里子が劉備を名乗るのはいいにしても、関羽と張飛には違和感しか感じませんでした。また、英里子の母親が貂蝉というのも笑うしかありません。
 もう少しばかりすり合わせてほしかった気がします。

 けれど、英里子と田嶋の間にロマンスを作らなかったところはよかった。「水魚の交わり」になぞらえて劉備と孔明を結びつけるかもと恐れていたのですが、そんな安っぽい筋立てにならなくて安心しました。


 明るくカラッとした作風で、文章も読みやすく、優れたエンタメ作品であったことは疑いないのですが、疑問を感じることか1点だけあります。
 それは、英里子たち一家の生活費はどこから出ているのかということです。

 家業の果物屋はシャッターを降ろしてしまっているため収入はない。両親の国民年金は微微たる額なのに比して、父親の入院治療費 ( 透析含む ) はバカにならないはず。
40歳の英里子の退職金もさほど多くはないだろうし、東京都心暮らしであり、大企業とは言え事務職採用の英里子に多額の貯金があるとは思えない。

 なのに生活に困っている様子も切り詰めている様子もないどころか、英里子に至っては頻繁に飲みに出かけている。

 そのあたりについて納得できる描写があればよかったのになあと思ってしまいました。

      * * * * *

 我が家の近くの市場がシャッター下りっぱなし店舗だらけになって久しい。
 お客さんはどうしても明るく活気のある方へ流れるので、少し離れたところにある何軒かのスーパーに車で行ってしまう。結果、その商店街を中心にした町が寂しいことになっています。 ( 閑静な商店街とでも言えばいいのだろうか。)

 そんな生活圏に住んでいるので、何か身につまされる気がして本作を読んでみました。
 こちらもウェーブを作り出す英里子のような人がいればなあと思います。
(でもここは市の中心部ではないので、例え英里子のような志ある人物がいても孔明・関羽・張飛に匹敵する人材まではいないだろうから無理かもなあ……。)

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2023年11月19日

Posted by ブクログ

故郷に帰ってきたアラフォー女性が地元の様々な人達と共に町おこしを行う物語。
通して地元愛と彼女の生きがい。それが全編に通して描かれています。
最初はあまり協力的でない面々も、彼女の熱意と行動力に押され。町おこしのグルメ、そしてJリーグチームと元スター選手と。Jリーグも好きな自分にとっては移入して読めました。モデルは間違いなくカマタマーレ讃岐ですね。元スター選手は誰だろ…。
どんな行動も大切なのは熱意。
商店街の復興を通じて彼女自身のこれからの新たな未来へ。
輝いて見えた物語でした。

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2020年08月12日

Posted by ブクログ

「限界集落」「シャッター通り商店街」
…そのあたりの、さびれてしまった町や村、若者に見向きもされなくなった土地の経済をどうしよう…という作品がいくつかあって、こちらもその一つ。
若い子の、夢優先…ではなく、中年齢層の、お役所や地元の自営業者との関わりも合わせて描いて行く作品。
万事うまく行きました!という結びではなく、「陽が昇る」というタイトル通り、夜明けが見えたところで終わっているのが、いい塩梅である。
上手く行くとも行かないとも分からないのだ。
しかし、心意気というものは、読んでいて伝わってくる。
個人商店街もなあ…
時代に合っているとは思えない部分もあるけれど…
小説としては、ヒロインの心の有り様、生き方の方が重要なのだ。
その点、女々しい男をすっぱり切って、自分のやりたいことを追求することを選んだヒロインの未来を応援したい、気持ちのいい結末だった。

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2016年08月18日

Posted by ブクログ

シャッター通りを復活させる話。初読みの広谷鏡子さん「シャッター通りに陽が昇る」、2015.12発行。郷里で果物屋をしている父が入院し、東京で失恋した藤木英里子39歳が退職し、郷里(香川の城下町)に帰って町おこしをする物語。抑え気味で徐々に町おこしが進行していくけど、もう少し恋も町の活気も盛り上げていけばいいのにと感じた。

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2020年11月29日

Posted by ブクログ

町おこしの話は興味があって、主人公を応援する気持ちで読み始めたけど、なんか登場人物みんな中途半端というか魅力がなくて、ドラマでよくある、おもしろそうな内容で出てる人もいいのになんか視聴率が伸びない、みたいなそんな感じ。

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2019年01月26日

Posted by ブクログ

故郷へ帰ってきた主人公が、再会したり新たに会う地元の人々と交流し、商店街の復興に巻き込まれていく。
自分はどうすべきだろうか、自らの意志をを持って地域のために何をしていくべきだろうかと成長する。
小さな世界の改革だが、たくさんの人のエネルギーを感じるところに、満足感を得られました。

私はこの作品がもし映画化されるとなれば賛成しますよ。

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2016年09月24日

Posted by ブクログ

親が倒れ、恋人にもふられて傷心の状態で故郷に戻ってきた英里子。かつての賑わいを失った商店街の復興を決意するアラフォー女性の町おこし小説。
観光で訪れた町の駅前商店街が寂れていると、とても悲しい気持ちになる。工夫や努力だけで活気が生まれるような甘い世界ではないと思うが、繁盛している商店街には個性がある。人も物も組織も個性が大事。

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2016年06月05日

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ネタバレ

舞台は、丸亀市をモデルにした「さぬき亀山市」。東京から故郷に戻ってきた果物屋のアラフォー娘が、商店街復興に取り組む物語。実際に最近アーケードの一つが撤去されたし、現実に行われているイベントも出てきて、その裏側を覗いている感じだった。しかし、現実はまだまだ商店街復興にはほど遠い。ますは、カマタマーレの監督に元日本代表を呼んでこなきゃいけないかな(笑)。

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2016年01月12日

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