あらすじ
ダイビング中、妻とその不倫相手に見殺しにされた推理作家・風間春樹は、無人の八丈小島で意識をとりもどす。脱出しようと泳いで八丈島に向かうが、漂流してしまい、偶然にもセーラ号というヨットに辿り着く。そこには恐るべき秘密が……。航海日誌、口述テープ、手紙、新聞記事などに仕組まれた騙しとたくらみに満ちたプロット。荒れる大海原に浮かぶヨットで一体何が起こったのか。憎悪と殺意が錯綜する中、最後に生き残るのは誰か。騙しのマジックを駆使した叙述ミステリー。
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Posted by ブクログ
叙述トリックとかどうでもいいと思うんだよね。
他の人は解らないけど、個人的には俺が実は誰、とか別に興味が無い。っていうか。
ただ、そーゆーところを抜きにしても面白いと思うんだよね。大海原という開放的なイメージがある舞台が実はとても閉鎖的な空間でお互いを追い詰めあう。段々と狂っていく心の動きが読んでいてゾクゾクしてくる。
不満があるとすれば視点移動の多さ。
感情移入がやりづらい。
特に、女性視点に対して好意的になれず、どうしても冷めて読んでしまった。
探偵視点も話を説明するためだけに使われているので、無駄のように感じられるし。
と文句を言いつつも楽しめたと思う。複雑な構成を難なく読ませる技術は凄いとしか感じられなかった。