あらすじ
ダイビング中、妻とその不倫相手に見殺しにされた推理作家・風間春樹は、無人の八丈小島で意識をとりもどす。脱出しようと泳いで八丈島に向かうが、漂流してしまい、偶然にもセーラ号というヨットに辿り着く。そこには恐るべき秘密が……。航海日誌、口述テープ、手紙、新聞記事などに仕組まれた騙しとたくらみに満ちたプロット。荒れる大海原に浮かぶヨットで一体何が起こったのか。憎悪と殺意が錯綜する中、最後に生き残るのは誰か。騙しのマジックを駆使した叙述ミステリー。
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Posted by ブクログ
叙述トリックとかどうでもいいと思うんだよね。
他の人は解らないけど、個人的には俺が実は誰、とか別に興味が無い。っていうか。
ただ、そーゆーところを抜きにしても面白いと思うんだよね。大海原という開放的なイメージがある舞台が実はとても閉鎖的な空間でお互いを追い詰めあう。段々と狂っていく心の動きが読んでいてゾクゾクしてくる。
不満があるとすれば視点移動の多さ。
感情移入がやりづらい。
特に、女性視点に対して好意的になれず、どうしても冷めて読んでしまった。
探偵視点も話を説明するためだけに使われているので、無駄のように感じられるし。
と文句を言いつつも楽しめたと思う。複雑な構成を難なく読ませる技術は凄いとしか感じられなかった。
Posted by ブクログ
とある理由により無人島に取り残された男が、
時を同じくして、とある理由で漂流する
「セーラ号」を見つけた事から始まる
漂流とミステリが9:1ぐらいの作品。
ほぼ漂流だこれ。
この人の作品はたいていどんでん返しか
叙述トリックがメインというわかりやすさがあって、
かつ日誌とボイスレコーダーが出たら倍率ドン
なので、この作品は分かりやすかった
じゃあトリックが分かったからつまらないか?
というそんな事は無い。というかむしろ面白い。
本を読んでるとわかる「読むべくして読む」と
「続きが読みたくて読む」の二種類があると思う。
この人は間違いなく後者の文を書く。
特に今回は海洋冒険要素もあるので、展開が
めまぐるしく変わるので読んでいて飽きなかった。
ただ、ミステリかと言われれば間違いなくミステリ
だけど、いまいち納得出来ない気分は残る。
「殺人鬼の正体が最後までわからないから
ジェイソンはミステリ」って言われてる感じに近い。
謎は謎だけど……みたいな。
もちろんトリックはしっかりしてるし、
やられたーってなる人もいるので、
楽しめる一冊なのは間違いないです。
Posted by ブクログ
長かったけど読みやすかったのでほぼ一気読み(笑)
登場人物が入れ替わっていたのは途中で見えていたので結末も大ラスの飲酒運転のくだり以外はほぼ予想どうり。