あらすじ
下町の救命センター。不測の事故や予期せぬ発作で、瀕死の状態に陥った人間の、救命と社会復帰のため、24時間態勢で最善を尽くす医療現場である。生死の境目にある患者と、突然のことに戸惑う家族。まざまざと見せつけられる生身の人間の強さと弱さ、怒りと諦め、悲しさ…。患者の高齢化、人材の不足など様々な問題を抱える現場を知り尽くした医師が、死生観を問う。ヒューマン・ドキュメント。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
集英社文庫のナツイチ、2008夏の一冊に選ばれていました。
集英社のWEBには、BOOKNAVI 書籍試し読みのサイトがあり、
見出しの1ページ程度の本文が掲載されています。
救急医療は、交通事故の死亡件数を減らすのに貢献しているとお聞きしています。
そういう現場の雰囲気が分かる小説で、興味を持ちました。
「搬送先が決まらずに救急車が事故現場で立ち往生してしまったり、あるいは収容先を求めて何軒もの病院を訪ねまわるという事態が頻発しました。その結果、助かるはずの生命が、みすみす失われていったのです。」
死亡事故が1件でもあれば、毎日、マスメディアが騒ぎたれる分野がる一方、
毎年何千人と死亡しているのに、問題点が掘り起こされない分野もある。
マスメディアの報道姿勢にも疑問に思うが、麻痺している自分達の感性にも疑義があるかもしれない。
救命医療センタはそういう日常とはかけ離れた厳しい現場なのかもしれない。