【感想・ネタバレ】共震のレビュー

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Posted by ブクログ

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文庫版を再読。東日本大震災の被災地で震災復興を支えるベテラン県庁職員が殺害された事件を発端に明らかになる被災地を食い物にする詐欺事件。震災から5年が過ぎ、震災の記憶も風化していくなかで多くの人に読んでもらいたい作品。
文庫版あとがきに書かれた東京オリンピック決定の知らせを聞いた著者の「もしかしたら、オリンピックの選手村の方が復興住宅よりも早くできるかもしれない」という冗談混じりの言葉が現実になってしまいそうで、このままではいけないのではと改めて実感した。

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2016年03月18日

Posted by ブクログ

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 東日本大震災の復興に尽力する宮城県震災復興企画部の課長が東松島市の仮設住宅で殺害され、大和新聞記者の宮沢と、警視庁刑事部捜査二課の田名部管理官が被災地を歩き回り、その真相に迫る話。
 災害廃棄物、被災家屋の解体、高台移転に伴う用地確保などの膨大な復興予算を狙い、あらゆる復興事業に闇社会が手を伸ばしていることは被災地ではよく知られているので、本作のテーマそのものは被災地の人にはあまり目新しくない。
でも、本作に出てくる被災者の言葉や、宮沢記者と田名部管理官が感じる葛藤の様子に、単なるミステリーとしての一作品ではなく、震災の復興、被災者の心の復興を心から願う作者の熱意が伝わったし、読み応えがあった。現地も細かく取材されていると思ったら、作者は元々記者で、震災前にも石巻市を訪問したことがあったとのことで納得した。情景や感情の描写が鮮明で、被災地の情景がよく浮かんだ。特に、石巻市は生々しい被災状況が伝わってきた。
 被災地の様子や復興の実態を知らない東北沿岸以外の人たちも引き込まれるミステリー性とドキュメンタリー性の両方がある作品だと思う。あとがき、解説も素晴らしい。

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2019年11月21日

Posted by ブクログ

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震災当時やその後の様子がありありと目に浮かぶ...。石巻や南三陸など震災から約3週間後に目にした光景は、未だに脳裏から離れない。
当事者同士だから分かり合えるものがある。そうした意味では自分は無能だ。
ミステリーとしては、様々な社会問題や犯罪行為を織り交ぜつつ、真相に迫っていくが...。これで落ちるのかなぁ...。

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2019年06月02日

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