あらすじ
父親の海外赴任に伴い、高校生の要(かなめ)は反対を押し切る形で一人暮らしを始めた。しかし、隣人が毎晩毎晩わいせつなDVDを大音量で流すため、ろくに眠れない毎日を過ごしている。ある夜、ストレスが限界に達した要は、同じフロアに住む青年・サンに出会う。ひょんなことからサンと半同居生活を送ることになる要だが、人懐っこく笑う彼と過ごす時間は心地よくて──? 臆病なココロを包む、ご近所ロマンス。
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Posted by ブクログ
騒音トラブルに巻き込まれたことをきっかけに始まるご近所ロマンス。
一穂作品は女性が魅力的でかつ、元彼女を決して悪く言わないところが心地よいですね。本当の優しさをちゃんと持っている健やかな男の子が人を好きになって相手に向き合っていく過程を見られるというか。
コンプレックスを抱える要にグイグイ迫っていくキラッキラのサンの底抜けの明るさはまさしく太陽のごとく。悩みのない子を書こうとしたらアホの子になった、というのもまぁなんとも微笑ましくて良きかな。「楽しいBL」としてするするグングン読めるこの安心感は変えがたい。
底抜けに明るく、出会いや経験を経て前向きに生きていこうとするところが見れるのはなんというか微笑ましくてうれしい。
口絵に女性がいるぞー? と思ったところ、後半パートは姉のつぐちゃん、社長のしょう子さんにスポットが。
いろんな優しいラブが詰まっていて楽しくて優しくて穏やかでキュンとしました。ほっとするよいお話、を読めるのも一穂さんならでは。「家族」のドラマありきの良いお話が多いなと感じるのはルチルレーベルのカラーなんですかね。
Posted by ブクログ
一穂さんの小説の、女性キャラをメインカップルの片方にきゃーきゃー騒ぐモブもしくは嫌な感じの当て馬としてだけで描かないところ、
そして恋愛するとちゃんとその恋愛が仕事なり人格なり、主人公にプラスに働くところが好きです。
ヨウが見た目が派手な元カノのことを「でも俺は好きだった」と振り返るし、恋愛感情はなくなっても嫌いになってないところが良いなあ、と。
しょう子さんにしろ、つぐみにしろ、主人公カップルの恋愛以外にも色んな物語を書くことによって、お話全体が広がる気がします。口絵が主人公カップルとしょう子さんとつぐみの四人なのも良いですね。
みんな幸せに生きているところがいいです。
主人公カップルに焦点を当てているのが前半だけでBLとしてはちょっと物足りないけど、でも物語としては楽しめました。
Posted by ブクログ
読み物としては面白かったです。
非常にキャラが立っていて、BLにしては珍しい『女性が活躍』
していて、尚且つ当て馬ではない。
これと言った山場もないのですが、ありがちなトラウマをそれなりに
上手に利用してます。
ただやっぱりBLかと言われると、微妙……。
これって多分、もう一穂さんの持ち味なんだろうなぁ、と思うように
なってきました。唐突にくっつくことはなかったけども、くっつくのが
あっさりすぎて拍子抜けします。
しかも受のトラウマが結構ハードなネタなのに、え??
そんなに簡単に男好きになっちゃいますかっっ?????
という、何とも言えないモヤモヤ感……。
それでも内容自体はそこそこ楽しめたので、★3つ。
とってつけたような桃色や、毎度おなじみの攻からの強引桃色
持込みは、話の腰を折ってしまうので、一穂さんの場合はもう
桃色シーンは全部カットでも売れるんじゃない?
と思ってしまいます。むしろない方が想像力駆使して萌えられそう。