【感想・ネタバレ】IoTとは何か 技術革新から社会革新へのレビュー

あらすじ

今までの日本のICT(情報通信技術)戦略は、技術で始まり技術で終わることが多く、出口戦略がなく、結果として使われないものになっている。
IoTがその轍を踏まないようにすること、そのためにも哲学が重要なのである――。

「IoT=モノのインターネット」とは何か。何のための技術であり、私たちの社会や生活は、一体どう変わるのか。技術研究開発や社会制度設計、ビジネスや実用の最前線から、豊富な実例をあげつつ、その現状・課題・未来像と、日本への指針を示す!

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

IoTとは何か。なんのための技術で、どういった技術なのか。私たちの生活がどうなっていくのかを簡単にまとめた本。小難しい説明はなく、かといって思想だけではなく実例も踏まえた説明がされる。インダストリ4.0など、世界の動向も簡単にまとめており、「IoTって何?」と思う人には丁度よい本だろう。ただ、中身はどうしてもシステム関連の話が出てしまうので、その辺りを気にしない人でないと、少し辛いのかもしれない。

●メモ
・細分化した技術は「なぜ、こう設計したのか」が抜けている
・モノをインターネットで繋ぐのではなく、Internetのようにモノをつなげていく。会社、組織、ビル、住宅…
・情報処理OS(LINUX)、組込用OS(TRON)
・IoTを実現することで、「世界が人間の入力、調整なしにコンピュータが自動制御、最適な制御を行う」ことに。
・インダストリ4.0で成し遂げようとしていることは、トヨタのJIT、カンバン方式と変わらない。違いは、一企業のクローズされた中か、世界にオープンなのかどうか
・トレーサビリティ機能も「特定の何かのため」ではなく、汎用的にして社会へ貢献していく。電子タグ(ucode)の紹介。課題はコスト負担をどうするか
・IoTの活用は「ヒト対モノ」ではなく「モノ対モノ」に可能性を見出す。オートメーション化された向上。インダストリ4.0はそれを実現するが「製造業」に絞られている
・GEのインダストリアル・インターネットは設備機器の運用・メンテナンスのIoT化。ビッグデータで故障発見前にメンテナンス。ただし特定メーカーに絞られている
・「モノ」だけでなく「場所」にIDをふる。住所ではなくビルの何回会議室
・日本に今後必要な、電子貨幣。各社が複雑化してしまっている。
・2020年以降、日本経済は厳しくなるからこそ、それまでに価値のあるインフラを作り上げなければならない
・個人情報をカードではなくクラウドに保持
・行政データをAPIで利用可能。単なるデータ、PDFでは他の用途へ利用できない
・日本は責任感が強く、失敗を恐れる傾向が強いため、ベストエフォートで成り立つオープンなシステムと相性が悪い。電子タグでも間違った時の責任をどうするのかなどで前へ進まない。ガバナンスをどうしていくかが最大のテーマとなる
・IoTで謳っている理想は全て政府、自治体・民間・個人の連携によって成り立つ。日本の組織が最も苦手とする分野。それに比べて米国は失敗しても、~だから失敗したとして体制を変えて挑戦する
・イノベーションを達成させるには回数が必要

0
2016年07月03日

「IT・コンピュータ」ランキング