あらすじ
「受験の勝者が実力ある者とは限らない」「頭でっかちは打たれ弱い」あるいは「13歳からすでに選別ははじまっている」「難関大学、優良大企業へのパスポート」……難関中高の卒業生について、よくも悪くも両極端な物言い、さまざまな印象がある。イメージだけで語られがちだったそれらを、アンケートをもとに、具体的な数字や事例で統計分析。超進学校の出身者は、どんな職業に就き、どれくらいの年収を得ているか。中学高校での経験は、卒業後にどれほど活かされているか。中高時代はどのように生活し、何に悩んだかなど、彼らの実像に迫り、そこから日本社会と教育の実相を逆照射する!
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Posted by ブクログ
中学入学時にすでに高い認知能力を持つ開成や灘の卒業生が、社会に出たときに能力を活かせているか、満足のいく人生を送っているか、収入や社会的ステイタスは高いのか、社会を牽引するリーダー的役割を担っているのかを、独自の調査を元にまとめている。なかなか興味深い。
Posted by ブクログ
教育社会学の調査の完成度の高さと、新書としての読みやすさのバランスが取れている非常に興味深い本書であった。ただ、知見が一般化できにくく、研究のための研究になってしまっているのが残念に感じた。
Posted by ブクログ
意外な結果というものはなく、やっぱり灘や開成といったエリート校を出た人は、それなりの職業に就き、そこそこ満足のいく成果を出せているのだなぁと思った。世間の人が期待しているような、ガリ勉をしてきたから、人間関係がうまく築けないということもなさそうです。
ただ、印象的だったのが、「開成は素直な気持ちで生きていける場所です。しかし、一歩外へ出れば、人間関係は嘘とかけ引きの世界ということころがあります。開成で6年間育つと、そうした世界に対応することが難しくなります。」という卒業生の言葉です。確かに、開成くらいになると、みんなそこそこ実力がある生徒ばかりだから、人の足を引っ張ったりする必要もないのだろう。能力のない人に限って、人を陥れるのが上手だったりするのが世の常なので、周りにそういう人がいない環境も社会に出て困るのかもしれない。
最後に、灘と開成の共通点は「生徒の自主性」とのこと。やはり、無理やり勉強を詰め込んでも、先が知れているのでしょうね。