あらすじ
いじめ、原発、スクールカースト、日本が抱える大問題を解決するのは道徳だ! ウェブマガジン「cakes」での人気連載がついに書籍化。 岡田斗司夫が小林よしのり、東浩紀、橘玲、古市憲寿、開沼博ら7人の論客と徹底的に語り尽くす。
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Posted by ブクログ
道徳とはなにか。そんなのしってるよっていう、「いじめはいけない」「暴力はいけない」っていう堅苦しい道徳を本書は語っていない。
まだ私もよく知らないのだが、アニメ会社のガイナックスを設立した岡田斗司夫さんという方と、7人のおもしろい方々(僕がこの本読んでそう思った)の対談形式で、人それぞれの道徳の形が述べられている。雑談っぽいのもすごく多いが、その中でも実は道徳ってのが考えられてたり、とても面白かった。
話題も、東日本大震災や、週刊少年ジャンプ、子どものころ物を盗って怒られた話、ネットの話、中国の話などほんとに様々で、全然飽きなかった。
今、自分のいる学校でも、道徳は昔ながらのカリキュラムにそって行われているが、はたして意味はあるのだろうか。まあ、まだ俺が見ているのは中学生だし、世界が広がっているわけではないが、原発問題なんかはネットでもたくさん調べられるし、ほかの道徳教育の形を考えたいなーと思った。なんかまた岡田さんは本を出すようなので、期待しています。
Posted by ブクログ
若い識者との対談の方が面白く思えたのは、自分が同年代だからか。
後ろの方に行くにつれ飽きてきてしまった。
特に面白かったのは道徳教科化に関する内容で、数学A、数学Bと同様に道徳A、道徳Bのように二つに分けたらどうか、という意見。
道徳Aは人の感情や肌感覚に訴える科目である。
教材は週刊少年ジャンプ。ワンピースのような「友情・努力・勝利」を掲げるジャンプ漫画を見ることで道徳心を養う。
道徳Bは利得感情に訴える「倫理経済学」である。
ワンピースのようなフィクションを見たって何も感動しないし、結局何の得にもならないでしょ?という人向け。
「道徳的に正しいことをしたら、こんないいことがあるよ。(あるいは逆)」という内容を教えることで道徳的行動を推奨する。
この両輪で進めばどうだろう、という意見は面白く読ましてもらった。
ここまであからさまでなくてもいいが、この2つの観点は非常に重要だと思う。
また、「倫理と道徳の違い」に関する内容も目から鱗が落ちた。
「お天道様がが見ているからやめよう」が倫理。「人様がみているからやめよう」が道徳。なるほどね。
ただ、ここに出てきた思想家たちは素晴らしい考えをお持ちだけれども、実際に社会を変えることはできないのだろうなと、読んでて思った。
Posted by ブクログ
道徳という古めかしい言葉に敢えて今その意味を問う。
各界の論客が考える「道徳」とは何か。
そもそもその言葉の守備範囲が広すぎてどこから手を付けたらいいのか分からない気もするし、一方で自分自身にもたぶん自分なりの「道徳」があってそれに関してはずいぶんシンプルなもののような気もする。
「道徳」というのは「徳への道」だとすれば、「徳」というものが何なのかを考えなくてはならない。それは古今東西の宗教において概ねルールは共通しているものだ。つまりその環境によって多少の違いはあるが、基本的には人間が社会生活を円満に営むための成文化されないルール」だと思います。