【感想・ネタバレ】知財戦略のススメ コモディティ化する時代に競争優位を築くのレビュー

あらすじ

「ビジネスに知財戦略」という武器を必要とする、全ての方に贈る本。

大人気小説・ドラマ『下町ロケット』に登場する神谷弁護士のモデルとなった「技術系弁護士」と、
知財業界の将来を担う新進気鋭の「知財会計コンサルタント」が、
ビジネスパーソンのために、最新事例を豊富に取り入れながら、
知財のセオリー・活用法をわかりやすく解説します。

------------「はじめに」から抜粋
知財は企業にとって経営資産であると同時に、
知財を昇華させた特許権や著作権といった権利は、
法によって作られた人工物でもある。
「法律の深い理解なくして、事業戦略に組み込むことは
できないのではないか」という知財、知財権に対する堅いイメージが、
多くのビジネスパーソンがそれを願ってきたにもかかわらず、
知財を付加価値として製品に組み込み、これを競争力の源泉と
することを阻害してきた。

本書はそのような「知財の壁」を取り払い、
より一層、知財をビジネスに活用していただくことを旨として企画された、
いわばビジネスパーソンのための知財戦略読本である。

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Posted by ブクログ

必須特許の重要性、ポートフォリオ理論などがわかりやすく説明されていてよい。
知財とコモディティ化との関係も、わかりやすい説明で腑に落ちた。

0
2021年11月10日

Posted by ブクログ

所々知ってる点の再整理。
訴訟の実状はためになる。侵害訴訟は起こすことに大きな覚悟。
市場に居続けられることを特許の最大のメリットと考えることが大事。
必須特許なくして市場参入なし。

1
事業ステージに応じた特許出願を。
従前の日本企業の知財戦略は、衰退期には意味をなさない

2
特許のオープン化の意義
①多くの特許権者が必須特許を持ち、ライセンス困難
②技術の性質上、広く普及しなければ意味がない。通信規格など。
③技術普及による市場拡大を目指す
※シェア低下には留意

3知財ファンド
特許を実施することを目的としない
知財の質を高めるファンド 国プロ委託
知財をビジネスに活用 一括管理、実施許諾、ip bridge

4 知財取引、紛争
知財取引が活発化するのは良い事。
衰退事業から新事業への転換の原資になることも
知財取引によって、NPEから日本企業が訴訟されたり仁義的に問題となることも。
防衛のためのNPE活用も一手
NPEのエコシステム構築は大事

5 事業と知財の一体化
M&Aに関わる知財の評価や、国際会計基準との関わりについて

6 特許のコストとリターン
ロイヤリティなどの目に見えるリターンから特許の価値は測れない
市場に参入できている状態の継続こそが特許のリターン
2軸のマーケティング 市場と競合目線
→市場魅力度と知財的優位性構築可否を考える

7 グローバル特許の取得と訴訟戦略
出願国のセオリー
①競合の生産国、マーケット国
②流転より据え置き製品の出願国を多く
③現地生産法人の存在国に出願
利益移転の対策

訴訟費用はグローバルではさらに高額に。
無効審判を起こされることも覚悟し、費用を見積もり、リターンが上回るかを確認する。
警告状、和解の使い方も大事。

8 グローバル知財管理とタックス戦略
知財管理方法も多様化、グループ全体戦略策定、管理コスト低減と、グループ各社のインセンティブと業種広がりのバランス
→解として、地域統括拠点もありか。
利益移転の可能性に留意

DIDSとは異なるが、タックス戦略も重視すべき、知財も含め。

0
2017年03月26日

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