あらすじ
昭和38年4月17日深夜、山村組組員が打越会会員を急襲、一人を射殺した。この一発の銃声が、敵対する両組による“広島ヤクザ戦争”の引き金となった。しかも背後には、力による日本制覇を狙う神戸の山口組、本多会の二大勢力がひかえていたのだ。殺(や)られたら殺(や)りかえせ――ヤクザ同士の血で血をあらうすさまじい抗争は、その一応の終結をむかえるまでに、組員のほか、巻きぞえにされた一般市民を含め、なんと40名を上まわる生命が奪われていった。これは、その渦中にあった美能組元組長・美能幸三の手記をもとに構成した、迫真のドキュメントである。
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Posted by ブクログ
やはりどこの世界でも、人間関係のトラブルは
ある、ということ。
それがヤクザの世界であろうが。
特にその中でも血なまぐさい抗争を
描いたノンフィクション。
人の欲望はどこまでも尽きない、
それがよくわかることでしょう。
黒い世界は特に、人殺しまでもが
「アリ」な世界ですので、
それらの欲望はなおさら強いわけで。
手記の人物は、殺しの駒として使われた
一人の男。
かのワンマン組長に違和感を感じているようですが…
どうなるのか。
Posted by ブクログ
地方の中心地・広島市は原爆によって破壊し尽くされた。再び都市を建設するには、男たちの喧々轟々としたエネルギーが要る。建設業者、手配師、労務者があふれ、酒と売春とバクチと喧嘩で賑わった。これも無法の街を生み出した原因の一つであろう。
さらに広島、呉は日本でも有数の軍都であった。日清戦争では広島に大本営が設置されたぐらいで、呉軍港とともに陸海軍の大根拠地と言っていい。だから米軍と英連邦軍はいち早く進駐し、占領軍の重要拠点の一つとなった。これは広島のヤクザに銃を供給する大きな源泉となったのである。
荒っぽくて、道具(銃)が豊富である。これでは喧嘩がないほうがおかしい。だから、広島で最も熾烈な戦いが行なわれたのである