あらすじ
◆5人に1人がなるものが果たして病気か
◆間違った方向へ進んだ認知症の「常識」を正すために!
介護の問題は突き詰めれば認知症の問題となり、認知症の問題は突き詰めれば薬害の問題だ。
かつて痴呆と呼ばれ「だいぶぼけてきたね」で済まされていたお年寄りが、
今では認知症という病名をつけられ、医療の対象となって薬物療法を施されている。
うつ病の薬ができたためにうつ病の患者数が飛躍的に増えたのと同じように、日本は、
年をとると誰もが認知症にされかねない、脳に作用する薬を処方されかねない国になってしまっている。
◆「5人に1人が認知症」時代――5人に1人がなるものが果たして病気か、
それは「老化」の一形態ではないのか
ぼけても安心して生きられる社会へ。ぼけは決して悪い言葉じゃない!
読者のみなさんは、2004年に認知症という病名が厚生労働省によってつくられたことをご存知ですか?
つくられた病名ですから、認知症という病気はありません。
実際にはアルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、脳血管性認知症、
前頭側頭型認知症(以上を医学的には4大認知症と呼びます)などの病気があり、
これらによって「認知機能が低下した状態」が認知症です。
認知症を引き起こす原因疾患は70種類もあると言われますが、
これらを正確に鑑別できる医者はめったにいません。
鑑別できなくても「認知症です」と言えば、抗認知症薬が投与できてしまいます。
抗認知症薬には副作用があり、興奮や徘徊といった副作用が出たら、
それを抑えるために向精神薬が投与されます。
そのことによって、お年寄りは本物の認知症にされてしまうのです。
本書から「認知症を恐がる必要はない」
「認知症を病気にしない暮らしがある」ことを学んでいただきたいと思います。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
【ぼけは良きもの】
「認知症」はそもそも病気ではなく「老化に伴う人間的変化」である。
では認知症を「病気」にしているのは?
診断名をつけた時に病気になるのだから「医者」が正解。
クスリを出された時点で立派な病人扱いです。
その人が「快」な生活を一緒考えて伴走するのが介護なんだいう想いをさらに強くした。
病気ではなく「人」を観る。
治すのではなく「暮らす」お手伝いをする。
ぼけることが悪いことという「信じこみ」を捨てることで「快」に生き続けることができるんだ。
Posted by ブクログ
介護の問題は突き詰めれば認知症の問題となり、認知症の問題は突き詰めれば薬害の問題となる。認知症は、国や製薬会社や医学会が手を組んでつくりあげた幻想の病。事態を好転させるには、認知症を正しく知ることと、薬物療法に頼らなくても済むような介護のあり方を知ること。
この本のような、優れた介護のノウハウが広まっていけばよいのに。薬の方がラクなんだろうな。
Posted by ブクログ
〜〈宅老所よりあい〉をつくるきっかけとなったノブヲさんのおっしゃった言葉が、「いらんこったい(余計なことだ)」でしたからね。
〜介護職はときおり、一方的に混乱をなくす努力を始めることがあります。ぼくらにできるのは、混乱をなくす努力じゃなくて、混乱に付き合う努力です。本人は受け入れがたい現実と折り合おうとしているんですから。
(本文より引用)
Posted by ブクログ
認知症に関して、介護の現場の方とライターの立場から、見解を述べている本です。パーソンセンタードケアなどと言われ、それを実践しているようで、大筋は同意できる内容ですが、人員が不足した現場では、ある程度介護者目線で、病状をコントロールするのもやむをえないのではないかという印象は持ちました。認知症という言葉ができて悪くなったなど、批判的内容です。認知症という言葉ができ、みんな病気にされるようになってよくないというのですが、自身のイズムにより、ぼけという言葉はいい言葉だなど、言葉狩りがよくないといいながら、変に言葉にこだわりがあり、???という印象でした。医療者としては、治療は脳の病理メカニズムから生まれますので、介護現場には介護現場の見方があってもいいと思いますが、脳の病理メカニズムに基づいて、診断していくことを続けていくことは重要ではないかと思います。介護現場の方は、それほどじゃない印象ですが、ライターの人が、もっと周りを批判しろ、俺たちのみが正しいと、煽っている印象でした。