あらすじ
さびれた商店街、荒れた森林、失われた伝統…。転換期にあるふるさとのために、できることは何か。人と人とがつながり、元気を取り戻すために、どうするか。これからの「ふるさとの担い手」に贈る再生のヒント。
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Posted by ブクログ
▶︎ コミュニティデザインのイメージが湧いた
人と人との繋がりで、まちを元気にする仕事。ソフト。
▶️ 「弱いつながり」の価値(目から鱗)
強いつながりは時に窮屈で、つながりが全く無いと寂しい。弱いつながりだからこその良さもある。家族に言えないけど友人に言えること、同じ会社の同僚には話せないけど、異業種の知り合いには相談できること、など、弱い繋がりだからこそ成立するコミュニケーションがある
▶️ 参加無くして未来なし。楽しさ無くして参加なし
人は、正しくて、楽しいことに集まる。楽しさ大事。地域の楽しさ自給率も高めるべし。
Posted by ブクログ
進学して地域活性化について学びたいとか言ってる子に、なんかアドバイスとかできたらいいなぁと思って手に取った本。ぜひその生徒に読ませたい。ふるさと、というものに関わらず「学びの姿勢」には共感しまくり。子どもがそういうことをできるようにしていかないといけない、できるように学校が頑張らないといけない。
自分が楽しめることで仕事を作って暮らしている人たちの話は励みになるが、どうしても自分にはできそうにないなぁとストッパーをかけてしまうところが私にはある。憧れで終わってしまう。さて、私は今の仕事を楽しめているのだろうか。楽しみ方を考えて実践していきたい。
以下、備忘録として
プランド・ハプンスタンス理論「計画された偶然性」
思い立ったら行動に移す、自分から人に会いに行く、新しいことに興味をもつ、そういう積極性が幸運な偶然に結びつく。セレンディピティ、課題への意識。
「学び」の姿勢
インプットした知識や経験を、自分の中で組み合わせたり加工したりして再構成(インテイク)して、新たな作品や成果としてアウトプットしていくプロセス。社会人の多くはそれを仕事として取り組み、報酬を得る。学生も同じだが、学生は失敗しても報酬が減るわけではなく(もともと学費を払っているわけなので)、むしろ成長の糧となる。そのプロセスを何度も繰り返すことで、学びの姿勢が習慣化されていく。
人には「強い絆」も「弱いつながり」も大切だ。
仕事は「稼ぎ」と「務め」がセットになっていて、さらに創造性が求められる仕事を続けていくためには、もう一つの要素「学び」が欠かせない。
「傍を楽にする」ことを通じて自分自身の価値を高めていくことこそ「働く」ことの意義。
Posted by ブクログ
地方から都会へと人口が流入していく昨今、
人口が減り高齢化がすすむ〝ふるさと〟に
活気を取り戻すためのコミュニティデザインという
仕事についての入門書です。
地方を活性化させるためのコミュニティデザインは、
そこに住むひとびとの参加があってこそやっとできるものらしい。
ただのお客さん状態から参加者状態に、というのだけれど、
それでもまだfastなやり方だとぼくは思うんです。
お客さん状態から参加者状態への途上の段階を一段、
踏んだほうがいいのではないかな、と。
というのも、
ぼくみたいな人見知りなタイプからすれば、
いきなり参加者になってアイデアをだしたり目標を共有したりせよ、
とされるのには大きな抵抗があるから。
参加者はなんらかのコミュニティの一員となることで参加者となる。
その段階でまず、信頼や安心を得る必要があるように思う。
そこで登場するのが、目的的ではないコミュニケーション。
ただそこにいっしょにいること。それもリラックスしていれること。
会話の内容よりも、信頼を持って話し共感を持って聞くこと。
そうやって生まれる親密さ、友人感が大事で、
「参加者」になるのはそのあとなんじゃないかな。
そういうslowさが大事なようにぼくには感じられる。
slowのなかの、一見無駄にみえるプロセスのなかに、
信頼や安心を生みだすものがあるんじゃないかな。
お客さんから参加者へすぐ移行させる考えはfastだと思う。
slowなやり方は時間がかかるけれど、
そこにほんとうがありそうじゃない?
いきなり、「ほれ、つながれ!」
とやられて無理に繋がるのは(まあ、それでうまくいくひとはいいけれど)、
内向的なタイプだとかそうはうまくいかないし、
slowなやり方のほうが無理なく、
ある程度シームレスにお客さんから参加者へ移行できそうだよ。
などと、本の感想というよりぼくの意見になってしまいましたが、
終盤の「土の人」のいろいろなケースを紹介するところが
いちばん面白かったです。
コミュニティデザイナーは「風の人」であって、
その土地で種から花を咲かせていくのが「土の人」と表現してました。
楽しんではたらいて、それが〝ふるさと〟の再生につながるのは
きっと面白いでしょうね。
うちの街もたいへんな街ですが、なにかのきっかけで浮上すると面白い。
住民に必要なのは、「意識」と「知識」だそうです。