あらすじ
病気とは? 医者とは? 人間とは? こうした根本的な疑問を抱きつつも、“立派なお医者さん”目指して奮闘していた著者が、なぜ医者をやめたのか?同僚の医師・看護士との親交と軋轢、病院システムの問題点、さまざまな症状や生活背景を抱えて病院を訪れる患者の姿、笑うに笑えぬ治療での失敗談……。実体験にもとづくエピソードの数々を、真摯かつユーモアたっぷりに描いて、医療、そして生と死について再考を促すベストセラー・エッセイ!
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Posted by ブクログ
医者を10年で辞めた著者による医者の仕事の本音が書かれていました。お医者さんは病気を治すすごい職業、やりがいがあって誇れる仕事とかいろんないいイメージがあったけど、いい意味でそれが少し覆る本でした。お医者さんも血が苦手だったり、毎日激務で患者に向き合うことができなくなったり、看護師さんに腕を試されたりいろんなお医者さんがいるのだと思いました。医学をいきなり勉強する仕組みが今の日本の大学システムなので、視野が狭くなりがちになるのではと思いました。アメリカは4年間リベラルアーツを学んだ上で大学院で医学を学ぶので、そっちのほうが人間的にも幅があるお医者さんが増えそうだなと思います。
Posted by ブクログ
医者を10年やって辞めてしまった作者の本。
この作者は、自分が医者に向いていなかったというポジションに置くことによって、医者が曖昧で不条理で、しかし素晴らしい職業なのだという事を伝えたかったのだと思う。
この作者は、そこまで酷い医者だとは思わない。正直で人間的だ。ただ作者自身は、そのレベルでは我慢出来なかった。医者はもっと別の何かを持っていなければいけないんじゃないかと、思わずにはいられなかった。
その崇高な精神は、自分自身も学ばなければいけないと思う。常に謙虚に自己を研鑽していこうと思う。
Posted by ブクログ
医学とは仕事上ほぼ関わりのない日常だからか、医療の世界の「仕事現場」は私にとって非日常であり、刺激です。医療エッセイ好き。この本はちょっと甘めですが。
Posted by ブクログ
医療現場の恐ろしさ、病気のおそろしさがとてもリアルに書かれていて、ちょっと怖かったです。
主人公(作者)の感情が生身の人間という感じで感情移入してしまいます。
Posted by ブクログ
内科医として10年病院勤務し、突然やめた筆者のエッセイ。自分はどんな医者だったのか、どんな患者とどんな風に向き合ったのか、医療現場の生の声が描かれています。
医者だからって聖人君子ではないし、確かな気持ちを持って患者と向き合ってるというわけではないんだなーということがよく分かりました。綺麗事では済まされない、時に辛辣な作者の思いに、医者って大変やな。にしてもこの人、よく10年続いたなと思いました。
Posted by ブクログ
「ぼくが医者をやめた理由」3
著者 永井明
出版 角川文庫
p135より引用
“医者が進歩の名のもとに頑張ると、ろくなことがない、という
のがぼくの実感だ。”
元医者である著者による、自身の若かりし頃の経験を綴った一
冊。
苦手だそうな注射の話から手術に関する話まで、直接関わった人
にしか出せないであろう現実感で書かれています。
上記の引用は、手の施しようがない患者について書かれた話で
の一文。先だって紹介したがん検診の本と合わせて考えると、随
分考えさせられる一言です。
p19に著者が病院に勤め始めた時の給料の額が書かれていますが、
その金額に時代を感じます。
病院での出来事が書かれているので、患者が亡くなられる話も多
数あるため、悲しい思いが嫌ならば読まないほうがいいかも知れ
ません。
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Posted by ブクログ
出版社/著者からの内容紹介
立派な医師を目指していた著者が、なぜ医者をやめたのか。同僚や看護婦との親交と軋轢、病院システムの問題点。実体験にもとづくエピソードを真摯かつユーモアたっぷりに描いたエッセイ。(藤原新也)
Posted by ブクログ
医者と言えど「お仕事」なんだから仕方ないのだけど、やはり扱っているものが人の命である以上あまりにもビジネスライクなのはおかしいですよね。2009/1/27