あらすじ
廃校となった良家子女の教育機関・青渓女学院。その取り壊し作業が進められる中、現場からはあいついで白骨化した死体が発見される。死亡推定年代はおよそ40年前の大正時代。今や追及するものもいない死、しかしそれは、呪われた血が招いた恐るべき結末だった。かつて青渓女学院に学び、クラスメートと激しくも甘美な恋に堕ちた大導寺笙子、その存在は大導寺の家系図からひっそりと姿を消していた。数十年の時を経て発見された彼女のノートは今、封印された大導寺の惨劇を語り始めた――。六道ヶ辻シリーズ第2弾。
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Posted by ブクログ
笙子と摩由璃の二人を最初は微笑ましく見ていたが、どんどん不穏な空気を纏っていく。
平凡な同級たちは、その誰も寄せ付けない関係に甘美な羨望を向けると同時に、畏怖を抱く。
妖しげな魅力で人々を引きつけた彼女たちは、悪魔のような復讐と歪んだ理想郷に踏み込む。
耽美でダークな重厚な世界観がすごく私好みでした。
ただ、最後に淡々と語られた笙子の弟への仕業に、本当に狂ってる…と思わざるえなかった。
この件は必要だったのか?
抵抗もなくこんなことをしてしまえる程に男という人種を憎んでいたのか、と摩由璃の後ろ暗い過去から邪推してしまう。
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栗本薫の女学園物。
大導寺一族のものがたりの、「大導寺一族の滅亡」に続く、第二作。
独立した物語であるので、第一作を読んでいなくてもよい。
大導寺一族の不思議な巡り合わせは、恐怖小説でもなく、幻想小説でもないのかもしれない。
文化と風俗を描写している。
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大導寺竜介の妹・笙子の話。女学校の中で起きる、もの凄く閉塞的な依存関係が薄気味悪い。
お互いしかいらないと思い詰め、最終的には死しかないのは必然的な気がする。
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大導寺家の呪われた血をまざまざと見せつけられたシリーズ2作目でした。
今回は百合。前回の薔薇よりこちらの方が好みでした。大正時代の女学校ものですし。
大導寺笙子と向後摩由璃の間には何人たりとも入り込めない、お互いだけが居ればいいという濃密な空気でした。摩由璃は魔王のように、笙子を損なった人には容赦しませんでした。
後に同級生と恋愛関係にあったのが判明したからか、失踪したからなのか、大導寺笙子が家系図から抹消されているというのが、名家の闇は深いと思いました。
「世界よ、さらば。私達は私達の楽土にゆく。」という遺書の一文が好きです。
「異常だったら何が悪いの。あんた達のいう言葉なんて、相手がそれにびびってくれなければ何の役にも立ちやしないんだよ。」
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読んで30Pとしないうちに「その人、女の子に興味ありませんから! 残念!!」と、頭の中でギ○ー侍が言っていたよ。
読んでいるうちに、「美しくもなく、若くもなく……。いきていてごめんなさい!」と思うぐらい強烈であったよ。
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六道ヶ辻シリーズ第二弾。
大導寺家の家系図からひっそりと姿を消した女性。
数十年の時を経て発見された彼女のノートが解き明かす大導寺家の残劇とは?
耽美の薫りを燻らせつつ、ここに登場!!