【感想・ネタバレ】薫りの継承 下のレビュー

あらすじ

兄の目を覆い隠し、己の欲望の猛るままに体を貫いた。あれから何度も何度も交わっている。兄との道ならぬ愛は、閉塞感を極めてゆく。夏の盛り、竹蔵は兄夫婦と別荘で休暇を楽しむことになった。義理の兄である忍との関係を、露ほども疑っていない義姉から女性を紹介される。竹蔵は彼女に対しすげない態度を取ってしまい、そして……。その晩の出来事は、兄弟の運命を大きく変えてゆくのだった。義理の兄弟の禁断の愛と確執を描いた衝撃作、遂に完結。

※『薫りの継承【上下巻セット・単行本未収録イラスト付】』も配信中です。重複購入にご注意ください。

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レストランオーナーの弟×エリートの兄。

義理の兄・忍を密かに想い続けていた竹蔵は、忍の息子にそそのかされ、妻のふりをして兄を犯してしまいます。深く後悔し、兄と距離を置く弟。しかし、弟の経営するレストランにやってきた兄は、自ら目隠しをし、弟を誘います。
いかにも堅物そうな兄が目隠しという免罪符を得て、弟とのセックスに溺れる姿は淫靡そのもの…!さすが中村明日美子先生だぜ…と唸ってしまいました。
社会的地位のある同性同士、そして兄弟という重い枷を背負いながらも、獣のように求め合う2人……言葉もなく、心の触れ合いすらないのに、互いを求める感情だけが痛いほど迸っていて、胸が苦しくなりました。
「エッチ」というより「官能的」という言葉の似合う作品。比類なき明日美子ワールドにぜひ浸ってください♡

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感情タグBEST3

購入済み

え、、、
衝撃的すぎて受け止めきれない。
この行き場のない感情をどう処理すればいいの、、。涙が止まりません。
沢山の想いを含めて、切ない。
ただただ切なかった。
ただ、ドロドロと重く汚れた関係であるはずなのに、どこか感じる清らかさと未来への明るさ。
本当に不思議な魅力を持つ作品と出会えて良かったです!
同作者の他作品も是非読んでみようと思います!

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2020年01月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

兄さんが一番真人間にみえる後半戦。
時系列がバラバラなのがジワジワくるね。雑誌掲載だったらじれったかったかもというくらいこれは二冊一気読み推奨。
嗚呼お兄様がお美しいかぎりで…。兄弟、親子、不倫、なんかもう全て背徳。でもお互い執着心があってラブラブ(に私はみえた)だから萌えMAXです。中村先生って昔はもっとこう理不尽でキチな(讃えてます)作品描いてた方だから身構えてたんだけど(笑)

以下ネタバレー。
もう実の兄弟でもなんら問題ないというかむしろ美味しいんですけどというか実の息子とはいいのですかというwBL中毒末期。蜜月一週間…。いや最期のお兄様の笑顔だけでもうもう…。これから攻めはどうなるんかな。

1
2017年10月07日

匿名

購入済み

読み終えて、なんて悲しいんでしょうと思いました。ちょっと泣けてしまった。イケナイのかもしれない。イケナイ関係に愛があると、それはとても悲しいモノになる。私は、この作品を痛み系とも病み系とも思いませんでした。拗れているとも歪んでいるとも、ましてや狂っているとも思えなかった。愛しか感じなかった。お兄さんの笑顔はとても優しいモノでした。お兄さんはとても優しい人だったんだと思います。「みんなの幸せのためならば僕のからだなんて」そう思ったのかもしれない。けど、失ったものは大きい。

#泣ける #切ない #深い

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2023年01月23日

ネタバレ 購入済み

精神的な痛みを

もうずっとこの作品が気になっていました。何度も買おうと思いましたが、結局買わずじまい。しかし、何度も自分が読みたいジャンルのBLを調べるとおすすめに上がってくるのがこの薫りの継承でした。
まず、本当に読まなかった後悔。兄弟もののBL作品しかもメリバという私にとって至高のジャンルです。なんでもっと早く読まなかったんだと思わされました。
ふたりの最後は涙無しでは見れませんでした。切なくて切なくて。お兄さんの心情を推測すると本当に胸が痛くなります。冷たい目が、最後にあんな優しい目になっていてそれを目の当たりにした竹蔵があんな抜け殻になってしまうのも無理はないですね。ただただ、やるせない気持ちが残ります。作中では描かれなかったのに、最後の笑顔本当に胸に刺さります。
『薫りの継承』という題だけあって、まあそうなるだろうなと思っていましたが、要くんもやはり、、、、、という感じの結末でした。

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2020年10月02日

Posted by ブクログ

上下巻で構成されているこのお話ですが後半は序盤から漂っている淫靡さに加えてドロドロした人間関係も絡んできて余計に背徳的で盛り上がりを見せています。
二人の不毛な交わりがどういう展開を見せるのか、その結末とタイトルの意味…上巻を読んだ後に一気に読み進めてほしいです。

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2016年02月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

結末にはそうだよなと納得してしまった。奥さんの反応はごもっともだが、それすらもこの兄弟の関係の妖しさを際だたせる。書き下ろしの息子も兄のような虚無感の漂う美しさを持っていて、それ故に穏やかに過ごせるようになって欲しいと思ってしまった。最初から最後まで魅せられた本です。

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2015年10月11日

Posted by ブクログ

アニメイト バスソルト購入。GOLD連載。気弱な弟×エリート兄。兄息子の要たんも含める3Pあり。ミソジニーの極みみたいな兄奥さんの顔の書き方は衝撃的!家庭の崩壊と永遠の愛の形、そして「薫りの継承」。そんな救いのないお話。

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2015年09月13日

Posted by ブクログ

大好き。中村明日美子作品はだいたい目を通しているけれども、ここまで嵌った作品はありません。個人的には「ダブルミンツ」をもっと禁忌的に、頽廃的に、耽美に、そしてエロティックにしたような…そんな作品と感じました。ダブルミンツは所謂ハッピーエンドになるんだろうけども、こちらは絶望的なバッドエンド。しかしこの兄弟が最高に幸せを感じるのは、この方法しか無かったのかもしれない。メリーバッドエンドなのでしょうか、いやしかし、これこそがデカダンス…!もったりとした強烈な余韻が後を引き、そして「要」のスピンオフによってとどめを刺されます。薔薇のアロマオイルを焚きながら、少しぬるめの室温の中で読みたいですね…。

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2015年08月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

中村明日美子的耽美もの完結編。
耽美といえば、だいたいこんな収束方法が当たり前だった昔を思い出しました…
ハピエンなんか禁断愛にとっては軽すぎて、許せなかったかつての乙女心…
でも、すっかりBL体質になった今現在、これは衝撃的過ぎでした。切ないし、悲しいし、憔悴しきった竹蔵の姿を見るとますます辛い気持ちにさせられました。
昔のように美化して受けとめることができるといいんだけど。
でも、ハピエンがお約束になってるBLの中に投下されると改めていい刺激にはなりました。萌えながらドエロ読んだはずなのに、なぜか背筋伸びた気が…!

エロといえば、濡れ場が芸術的にきれいでしたね。アングルとか、身体の描き方とか、絡み方とか、全部エロくてナマナマしくて圧倒されました。
あと、オンナの嫉妬も描かれていて怖かったです。
竹蔵の禁を犯す執着愛には切なさを感じたけど、茉莉子のはただの執着と妬みしか伝わってこなくてぞっとさせられました…

目隠しを外したことで忍の気持ちが明らかにされていて、あのシーンは印象的です。せっかく二人の気持ちがひとつになれたのに…
禁忌愛をまっとうできなかったのは、忍がきっと優しい人間だったからですね。
あの眼帯男がボロボロになってまた登場していてびっくり…!人の気持ちを見透かすような言動で揺さぶってくる人物。

要の成長も見る事ができました。これこそ継承ですね。
要のその後もぜひ見てみたいです!
ひさびさに深くて重いエロスを堪能しました。

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2015年08月24日

Posted by ブクログ

ツボでした。
買ってよかった!

忍と竹蔵の関係はなんとなくわかってしまってましたが
結末もまぁあり得ることでしたが
それでも、自分的には
「こういうのが読みたかったのよ!」なくらいの
ストライクど真ん中!でしたので
久々にBLらしいBLを読んだ気分です。
(てゆーか、ここのところ、BL自体読む回数が減ってるんですが)

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2015年08月23日

Posted by ブクログ

気になりつつ読んでいなかったのですが、上下巻一気に読んじゃった…

耽美、背徳、官能、闇、罪、愛…
そういう単語が似合い過ぎる作品でした…

上巻で『ぅわぁ…えぇぇぇぇ…』となり、下巻では更に『ぁわぁ……………』となる感じ…
まさに語彙力喪失してしまった。


近親とかあんまり好きじゃない系なのに、ポイッと出来ないのは、二人の底知れぬ情念が理解を越えてるのに美しいものとして感じちゃってるからなんだろうなぁ…

一歩引いてみれば、二人に関わってしまった人たちが気の毒だったり、心配だったりしてふざけんなよ、なハズなのに、そこへ行かずに静かに『愛、かぁ…』と思えちゃってるの、コレが明日美子ワールドなんですかね…すごい。

装丁も美しく、中表紙っていうんだっけ?カバーを外した本体の表紙の迫力もすごい。

忘れられない作品のひとつになりそうです。

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2025年01月14日

購入済み

禁断愛嫌いじゃないです。でもストーリーもラストも衝撃的過ぎて読み終わった後の余韻が凄かったです。結末が悲しすぎました。

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2021年03月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

受けの究極のツンデレ。合間にみる攻めの獣のような獰猛さ。そして二人の事実関係。最初に読んだときは受け入れ辛いストーリーでもう2度と読まないだろうとか思っていたのに、ある時ふと引っかかるところを思い出し、上下巻を読み返してみて考察し直すという事を何回か繰り返している。深い。

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2019年06月23日

Posted by ブクログ

2017/04/15
下巻は忍の奥さんもチラホラ出てきたけど中でも印象的だったのは今までずっと顔は描かれてなかったのに、あのシーンで真正面から描かれていた奥さんの顔が怖い恐い…。
顔から滲み出る嫉妬や悔しさ、忍や竹蔵を見下している感の凄いこと…コワイヨー_(:3 」∠)_
ラストはアンハッピーなの?バッドエンドなの?とウロウロしたけど、私は不思議にストンと落ちた。幸せに暮らせる程甘くは出来てないやな。
いい本に出会えた。中村明日美子先生良いです!

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2017年04月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

今の時代となってはBLという言葉も世間に出回り、同性愛もむしろ認める方向に動いているけど、中村明日美子さんが描くような『耽美』の中では『同性愛』まして『近親』は本当に死にも近い禁忌なのだと思う。それがあのラスト。

兄が弟を遠ざけたのは、近づいたら『禁忌』を犯して全てが崩壊してしまうことを自覚してたからなのだろう。
目隠しをすることで、『弟だとわかっていなかった』と言い聞かせ、弟と交わることへの罪悪感をなくす。

あのラストが耽美らしい、とはわかっていても、やはり別の幸せの形があったのではないか?と思ってしまう(……のはハピエンBLに浸かりすぎたせいだろう)

弟はこれからどうなるのか、
救われるのか

弟×甥という展開も美味しいのでは……と思うのは単に私が叔父甥好きだからですねすみません

次はどの中村明日美子作品を読もうか…
レビューを見るとダブルミンツがハピエンそうかな……

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2017年03月19日

Posted by ブクログ

兄はすべてを知っていてそれでも竹蔵との秘密の逢瀬を選んだ。自分の息子が混じっている事さえ気付いていた。最期の逃避行も、竹蔵に対するご褒美の様にも取れるが、彼は決して死ぬつもりではなかっただろう。最期の瞬間の綺麗な笑みがまるで竹蔵に「ありがとう、さよなら」と言っている風にも取れるが、もし彼が死ぬつもり、全てを清算するつもりであったなら、妻に謝罪の手紙を書いた後に行っていたんじゃないだろうか。どんなに狂っていると表現されていても、彼は死のうとして逃避行を選んだのではあるまい。
どちらにも解釈できるだろうが、私はそう思いたい。

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2015年10月01日

Posted by ブクログ

表紙と帯からある程度内容を察せられますが、予想していたよりずっと救いのあるお話でした。

官能的な表現が全体を通してありますが、
読み進むにつれ、気持ちを言葉に出来ない、してはいけない、ゆえに行っている彼らの気持ちの伝え方はなんておぼこいのだろうと感じられるようになり、不思議とふわふわとしたときめきがありました。

生きていれば幸せと不幸せの間を行ったり来たりするものですが、幸せのてっぺんにいる時に人生を終わらせられたらハッピーエンドの映画の終わり方みたいで素敵ですね。
ひとつの幸せを切り取って大事にしていく人がいる一方で幸せも不幸せも受け入れて生き続けていくことを選ぶ人もいて、でも、誰も自分の生き方に後悔していないのだろうなと思うとこの話は決してバッドエンドではないと思います。

お父さんのやっていたことをなぞらえる息子くんは口には出さなくてもお父さんに憧れと愛情があったのだなあと受け取ったのですが、あの様な行動を取ったのかいまいち汲み取れていないので、もう何度か読んだら感想が変わるかもしれません。

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2015年08月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

▼あらすじ
禁断の愛、衝撃の終幕。
義理の兄と弟。禁忌の秘め事。
愛の終着点にあるのは、破滅か救済か。

兄の目を覆い隠し、己の欲望の猛るままに体を貫いた。
あれから何度も何度も交わっている。
兄との道ならぬ愛は、閉塞感を極めてゆく。
夏の盛り、竹蔵は兄夫婦と別荘で休暇を楽しむことになった。
義理の兄である忍との関係を、露ほども疑っていない義姉から女性を紹介される。竹蔵は彼女に対してすげない態度を取ってしまい、そして……。
その晩の出来事は、兄弟の運命を大きく変えてゆくのだった。

義理の兄弟の禁断の愛と確執を描いた衝撃作、遂に完結。

***

上下巻をセットで購入したので、続けて下巻を読みました。
“禁断の愛、衝撃の終幕”という帯の煽り文と、作品から漂う危険な薫りにこういう結末になるであろう事は薄々予想は出来ていましたが、それでも、「ああ、やっぱりそうなるのか…」と落胆せずにはいられませんでした。

悪い方へと加速するストーリーと深まっていく行為の濃密さに最後まで目が離せず、ドキドキしながら一気に最後まで読みましたが、ストンと落とすようなあっさりとしたラストに思考が停止してしまい、事実を確認するように何度も何度も最後の部分を読み直してようやく色々な事を考えられるようなった感じです。

本を閉じた時なんてもう心臓がバクバクしていて、上巻を読んだ時とはまた違う、何て表現したらいいか分からない複雑な思いと興奮が入り混じってしばらく落ち着かなかったです。

私は死ネタやメリバが苦手なので、この結末も覚悟していたとはいえ、やっぱり個人的にはかなりショックで、どうしてと思わずにはいられませんでした。
それこそ『ダブルミンツ』のように、ずっとシリアス続きでバッドエンドを匂わせながらもラストは異国の地で…みたいな救いのある結末を少しでも期待してしまったので尚更、こういう風にしかならなかったのか、と…。

でも、仕方無かったんだろうな、って納得してしまう自分もいて。

私的には、忍の性格からして自殺なんだろうなと思っているのですが、それと同時にせめて事故であってほしいとも思ってます。
明日美子先生が一体どういうつもりで描いたのか聞きたい……。

手紙に綴られた忍の想いや最初にして最後になってしまった彼の笑顔などラストは切なくて切なくて胸が痛いぐらい締め付けられるのですが、不思議と後読感はそんなに悪くなく、それどころかもう一度最初から読み直そうと思ってしまうぐらい、もっともっとこの作品を深く知りたいとすら思いました。
構成も話の見せ方もまるで映画のようですし、結末を知った上で1から読み直したらまた違う発見があるかもしれません。

因みに下巻で一番印象に残ったシーンは、忍が竹蔵に目隠するシーンです。
もしかしてリバるのかと期待しましたが、誘い受けでした(笑)
でも、それはそれでオイシイな、と…(笑)
幾ら体を交えようとも決して愛を口にしない二人の微妙な距離感や汗だく汁だくになって交わる姿の艶かしさに読みながらどれだけドキドキした事か…。

あと、終盤に出て来るホームレスらしき眼帯の老人は一体何者なのかと疑問に思っていたのですが、後から上巻に出て来る眼帯の男だと気が付いて地味に衝撃を受けました…(笑)
あんなに身なりの整った紳士だったのに彼の身に一体何が起こったのか…。

色々と謎が多く、内容が内容なだけにおそらく読み手を選ぶ作品だとは思いますが、個人的には買って良かったと思える内容で満足です。
正直、同級生シリーズのような明るいものよりも、こういうダークなお話の方が私は好みです。それでも、死ネタやバッドエンドは遠慮したいですが…(笑)

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2020年03月12日

Posted by ブクログ

上下巻まとめてレビュー。

安定のあすみこてんてー。
耽美、エロ、変態性愛

明日美子先生の作品は「同級生」以前と以降とで趣きが異なるけど、この作品は紛れもなく以前に分けられる、どちらかというと本来の中村先生のスタンスにより近い。

細部に施されたギミックを読み解く作業が明日美子作品の醍醐味でもあるけど、この作品においてはとりわけタイトルに仕込まれた言葉の意味がラスト、結末に辿り着く事で呪いのように、泥の底から土煙を上げてどんよりと浮かび上がってくる

視覚を奪われ、特定の薫りの中で行われる性戯、というある意味使い古された手もムッシュあすみこの手にかかればこのとおり。
めくるめく官能の甘さを読後の苦味でピリリと締める間隙の妙。
匠の技、さすがっす

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2015年10月15日

Posted by ブクログ

購入

納得の着地点なのか、どうなのか。
キラキラのハッピーエンドにはなるまいと思っていたけれど、安易な道と言ってしまいたくもなるような…。

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2015年09月07日

シリーズ作品レビュー

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