【感想・ネタバレ】キャロルのレビュー

あらすじ

クリスマス、デパートのおもちゃ売り場の店員テレーズは、人妻キャロルと出会い、運命が変わる……サスペンスの女王ハイスミスがおくる、二人の女性の恋の物語。映画化原作ベストセラー。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

面白いミステリー書かれるだけあって、話の展開がとても秀逸。特にニョーヨークで2人が再会した場面からラストにかけて。

幸せの絶頂から一気に地に落ちて、神様のような存在だったキャロルは自分と変わらないただの人間だと気付いて…
そうしたテレーズの変化を察しながらも一緒にいたいと願うキャロルの純粋な思いに胸が締め付けられるほど切なくなった。
前半は超然とした、余裕のある大人の女性だったけど、だんだんと人間味が出てきて、臆病なところも垣間見えてくるキャロルのことが読んでいて大好きになってしまった。

別れを経て、華々しい世界に足を踏み入れようとするテレーズは、キャロルとの経験を踏み台にできる若さがあって。
ああそうやってキャロルも思い出にしていくのか、あの燃えるような恋心も若さゆえの一時の感情にすぎなかったのかと虚しくなってしまったんだけど、、
愛のある結末で良かった。

0
2024年09月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

きっとテレーズにとって本当の初恋。
だからこそキャロルしか見えないし、他のものに対して苛立ちが伴う。人を初めて苦しくなるほど愛するとはこういうことだったなぁと思い返したりした。
2人が離れてからのほうが結構好きだったかな。
冷静になって彼女をまた愛するの良かった

0
2024年01月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

レズビアンへの差別や社会風刺が、とかよりもまず、単純に恋愛ものとしてとても刺激的。
物語は終始テレーズ視点で進むが、上品で魅力的で思わせぶりなキャロルの態度にはらはらさせられる。
そして、そんなキャロルがついに囁く「私の天使」という言葉!
テレーズが夢中になってしまうのもわけはない人物だと思わせられる。

運命というものは存在するし、どこにも転がってる。ただ、何もかもを捨ててそれに飛び込む勇気が普通の人には無いんだと思う。でもこの「キャロル」のテレーズは、最後はきっとうまく飛び込めた。

0
2019年06月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

女性が女性をあんなに好きになってしまう・・・
分からないでもないけれど、イマイチ共感できない。
男女間の恋愛とはやっぱり違うんだろうなとは思う。

それでも最後までドキドキが止まらない。

文章がきれいで(翻訳者のおかげで?)そういった偏見や嫌悪缶など持たずに読めた。
私も10代のころならきっとこの本が人生のBEST10に入ったのかも。

0
2017年06月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ハイスミスは、本格ミステリ、暗いミステリ、と思っていて読んでいなかったのだけれど、この作品はミステリではなくて恋愛モノ、ときいて、しかもものすごく評判がいいし、映画のほうの評判もすごくいいので読んでみたんだけど、評判どおり、すごくよかった。まったくミステリではなくて、文章も純文学っぽく、雰囲気があって、美しい。

主人公テレーズがデパートの売り子っていうのはきいていたけど、舞台美術家志望ってきいたらもっと早く読んだかも。舞台の話がちょっと出てきたり、彼女がセットの模型つくったりしているのが楽しい。時代は1950年代、そのころのニューヨークのデパートや街の雰囲気、ふたりが旅するいろいろな街のホテルの感じとかが素敵。

テレーズは十九歳、彼女が恋するキャロルは妻であり母であり、30代後半くらい?、そしてテレーズと同じデパートで働く中年の独身女性、旅先で知り合う老女、とか、年齢のことを考えさせられたり。
テレーズは若い。キャロルが旅から先に戻ってしまってひとり残されたテレーズが、それでもはつらつとして、自分のエネルギーを、自分の未来を感じるところ、自分はまだ若い、どこも痛くない、なんでもできる、とか思うところ、ほんとに、若いってそういうことだよな、いいなあ、と思った。愛する人と別れても、まだいくらでもやり直せる、未来がある、なんでもできる、と。
一方、離婚され、子どもを奪われたキャロルは、いったいこの先なにがあるだろう、もう立ち直れないんじゃないか、と思った。そう、わたしは、てっきり、ふたりは別れる、と思い込んでいたのだ。なので、ラスト、テレーズがキャロルのもとに戻ったのは心底意外で、本当に驚いた! これこそ大どんでん返し! ハッピーエンドになるなんてこれっぽっちも思ってもなかった! だからなおさら、すごくうれしかった。信じられないながらも、なんだかぱあーっとまわりが明るくなったような気がしたくらい。
ハッピーエンドにしたのは、ハイスミスの希望かな。現実はそうじゃないから希望を託したのかな、と推測するとせつない気もしたり。
一緒に住みましょう、と言ったキャロルは強くてかっこいいと思った。自分の気持ちに正直で、勇気があって。ケイト・ブランシェットぴったりだ。というか、映画では彼女がキャロルを演じていると知っていたので、読みながらキャロルはケイト・ブランシェットでしかなかったけれど。映画もぜひ見たい。

0
2016年12月18日

「小説」ランキング