あらすじ
恐怖の帝王の放つ圧倒的ホラー大作!
孤島に暮らす男を襲う怪異。愛する者たちを見舞う怪死。この島には何かがいる! 悪しきものの棲む廃墟の館が隠す秘密とは?
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Posted by ブクログ
ホラーの大作…とあったが、上巻を読み終えて感じたのは、『全然これホラーじゃないじゃん‼︎』といった気持ちである。悪霊の島…とあるが、上巻の中には悪霊要素はほぼない。(霊は出てくるには出てくる。主人公の娘が島に訪れて、一緒に島を探検した際、娘がゲロゲロ吐いてしまった時があったが、それが悪霊の仕業と仄めかされてはいる)
一応、主人公のエドガーが事故をする様子だったり、超自然的な体験をする時は中々グロい描写が散見されるものの、そこまで恐ろしさは感じられない。
私からはむしろ、それでも気丈に頑張っているエドガーがカッコいい!という感想を抱いた。
上巻は、言うなれば『事故で障害を負った者が再生し、第二の人生を生きていく』といったテーマが相応しいだろう。
とりあえず、キングだからホラーにしとくか…みたいな宣伝にしたんだろうなぁ…とは思う。しかし、その内容は中々読み応えのあるもので、エドガーとその友人のワイアマンのウィットに富んだ会話がすごく面白かった。
ホラーではない。しかし、それでも病人が頑張っている姿がほっこりして面白い。そういう作品(一応、中々不穏な伏線が散りばめられているのでそう思って安心するのは禁物)だった。今から下巻を読むのだが、恐らくホラーの本腰はこれから入るのだろう。…たぶん。