あらすじ
恐怖の帝王の放つ圧倒的ホラー大作!
孤島に暮らす男を襲う怪異。愛する者たちを見舞う怪死。この島には何かがいる! 悪しきものの棲む廃墟の館が隠す秘密とは?
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Posted by ブクログ
事故で片腕を失った主人公は、カリブの孤島に移住する。
絵を描く衝動にとらわれた彼は、少女と船の絵を描く。
なにはともあれ、事故の様子が死ぬほど怖かった。
リアルすぎ。キング自身の事故の経験が生きてるんでしょうかね。
その後、後遺症で人格までが崩壊していくさまが、また切ない。健全な魂は健全な肉体に宿るというけれど、それは反語的意味合いもあるとおもう。
で、前半で十分怖がらせられて、後半にはいったら…。
なんか、風光明媚なカリブが、って感じなのは一瞬だけでしたね。
主人公の絵は評判になり、個展をひらくまでになる。
それは、かつての悲劇を彷彿させる更なる悲劇の幕開けだった。
零落した名家があり、呪いあり、アクションありで、これぞジェットコースターモダンホラー。
なので、ある程度テンプレート化されている展開ではあるのだけど、それの斜め上を常に全速力で走り抜けるのがキングのすごいところなのだ。
最後のしめかたで、キングも丸くなったのねと思ったのは内緒ww
Posted by ブクログ
ホラーの大作…とあったが、上巻を読み終えて感じたのは、『全然これホラーじゃないじゃん‼︎』といった気持ちである。悪霊の島…とあるが、上巻の中には悪霊要素はほぼない。(霊は出てくるには出てくる。主人公の娘が島に訪れて、一緒に島を探検した際、娘がゲロゲロ吐いてしまった時があったが、それが悪霊の仕業と仄めかされてはいる)
一応、主人公のエドガーが事故をする様子だったり、超自然的な体験をする時は中々グロい描写が散見されるものの、そこまで恐ろしさは感じられない。
私からはむしろ、それでも気丈に頑張っているエドガーがカッコいい!という感想を抱いた。
上巻は、言うなれば『事故で障害を負った者が再生し、第二の人生を生きていく』といったテーマが相応しいだろう。
とりあえず、キングだからホラーにしとくか…みたいな宣伝にしたんだろうなぁ…とは思う。しかし、その内容は中々読み応えのあるもので、エドガーとその友人のワイアマンのウィットに富んだ会話がすごく面白かった。
ホラーではない。しかし、それでも病人が頑張っている姿がほっこりして面白い。そういう作品(一応、中々不穏な伏線が散りばめられているのでそう思って安心するのは禁物)だった。今から下巻を読むのだが、恐らくホラーの本腰はこれから入るのだろう。…たぶん。