あらすじ
「わが想いは一筋の矢の如し、届け――!」
扇野藩重臣有川家の長女・伊也は、藩随一の弓上手、樋口清四郎と渡り合うほどの腕前。競い合ううち清四郎に惹かれていく伊也だったが、妹の初音に清四郎との縁談が持ち込まれる。伊也とのあらぬ噂により、藩主の不興を買った清四郎の汚名をそそぐため、伊也は清四郎と弓勝負で立ち合うことに――。有川家に身を寄せる謎の武士の正体とは。姉妹の揺れる想いの行方は。くすぶる藩の派閥抗争が彼女らを巻き込む。
高潔な志が清々しい感動を呼ぶ、時代長編!
≪熱き信念が胸を打つ、扇野藩シリーズ≫
感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
読み進むにつれて、葉室麟の世界に引きづられて行く
解説島内景二:狭き門とは、葉室にとって武士道そのものである。さわらびの譜は、日置流雪荷派の弓術の奥儀と重ね合わせるようにして、葉室流文学道の神髄が語られている
Posted by ブクログ
予定調和バンザーイ!
二人の恋路を妨げるのは、悪役たちとお家の事情。それでも純愛を正々堂々と貫けば幸せはやってくるのである。
王道中の王道、直球中の直球である。
ただ、それが物足りないって気持ちも正直あって…走れメロスとシェイクスピアを弓道で味付けした日本時代劇に仕立たら…それも作者が葉室燐なら…そら、それなりに読める小説になるわな、とひねくれてみてしまうのである。
Posted by ブクログ
爽やかに。でも、泣く‼︎
扇野藩シリーズ。弓士のお話。姉妹のお話。
石ばしる垂水の上のさわらびの萌え出づる春になりにけるかも
この春はたれにか見せむなき人のかたみにつめる峰のさわらび
和歌の登場も楽しみのひとつ。
早蕨の歌。