【感想・ネタバレ】パララバ ―Parallel lovers―のレビュー

あらすじ

遠野綾は高校二年生。平凡な日々を送る彼女の一番の幸せは、部活を通して知り合った他校の男子生徒、村瀬一哉と毎日電話で話すことだった。何度も電話をするうちに、互いを友人以上の存在として意識し始めた二人だったが、夏休みの終わりに一哉は事故死してしまう。本来であれば、二人の物語はそれで終わったはずだった。 しかし一哉の通夜の晩、綾のもとに一本の電話がかかる。電話の主は死んだはずの一哉。そして戸惑う彼女にその声は告げた。死んだのはお前の方ではないのかと……。 二人が行き着く真実とは!? 出会えぬ二人の運命は!? 携帯電話が繋ぐパラレル・ラブストーリー。切なさともどかしさが堪らない、第15回電撃小説大賞<金賞>受賞作。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

彼が死んだこちらの世界。私が死んだあちらの世界。ふたつの世界を繋ぐ携帯電話。死の真相を探るふたり。
「会えないふたり」という王道の状況設定が、パラレルワールドを用いて功を為し、切なさをつのらせる。
謎解きのサスペンスも効いた青春物語の秀作。

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2023年08月31日

Posted by ブクログ

すごく良い話だなと思いました。あちこち出てくる伏線もちゃんと回収してるし、何よりラストの切なさがたまらないです。自分は、かずやって本当にいるのかなーとか、いるんだとしたらこの場面ではどんな気持ちなんだろうなど想像を膨らませながら読んでました。個人的にはかずや視点での話も読んでみたいな!

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2013年01月13日

Posted by ブクログ

よくできていた。中盤以降、着々と真相に近づき辿り着いて問い詰めて追われて一件落着して……。
緊迫感が伝わってきてドキドキハラハラしながら読み進めた。
不運で不幸だったとしか言えない事件。
好奇心と悪意によってもたらされた事件。
せめて……彼女の将来に幸福を。

――この切なさともどかしさが、堪らない

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2012年08月21日

Posted by ブクログ

いつなくなるかわからない脆い繋がりでの二人のやりとりがすごく切なく感じました。触れることも、会うこともできないで、ただもどかしかったです。いつか、二人の世界が交わってほしい、無理だとわかってても願わずにはいられない。

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2009年10月07日

Posted by ブクログ

やけに展開が分かると思ったら再読だった。
死んだはずの想い人から電話があり、死んだのは自分だと告げられる。

お互いが死んだパラレルワールドと電話でつながるラブストーリー。
殺人犯に追われる相手が別世界で助けに行けないというのは手に汗握る。

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2025年09月07日

Posted by ブクログ

SF設定を謎解き、恋物語、どちらにも効果的に使った作品。切ない消失感、楽しく進む謎解き、残酷な真実。平行世界ものとして二本軸で作られているストーリーは切なく見事。

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2018年06月19日

Posted by ブクログ

好きな人に好きと言えるから、生きていることは尊いんだな。パラレルワールドの恋人未満な高校生男女。一見SFのようだが設定としてあるだけで科学考証はなされない。でもそれを「会えない理由」にしているのが面白い。2人が、それぞれの世界で協調して、それぞれ世界で死んだお互いの謎を解いていく過程と、そこで葛藤する心情描写が良くできている。ミステリーとしてだと詰めが甘いが、青春小説としては素晴らしいまとめかただと思う。思いを伝えられないことは現実に多いが、伝えられる機会があることに感謝したくなる。

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2016年03月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

パラレルワールドをうまく使っていたところと、伏線をうまく回収していたところが面白かった。真相は薄々わかっていたものの、最後まで一気に読めた。

ハッピーエンドが好きな自分としてはご都合主義が起きて欲しかったような気もするけど、これはこれでよかったかも。

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2015年06月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

切ないジュブナイル小説でした。
高校生の頃読んでおきたかったなあ。
ラストは設定上こうなるしかなかったとは言え、結構悲しかったです。
かずやくん…すきですした(ほろり)

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2011年08月16日

Posted by ブクログ

パラレルラバーズという題名にふさわしい作品。
同じ時同じ場所なのに、
そこに一緒にいられないという描写が切ない。
ミステリーとしてもそこそこ面白いと思う。
電撃文庫の「タイムリープ」に影響された部分もあるとあとがきで語っていたので、
この手の話が好きな人は読んでみるといい。

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2011年04月03日

Posted by ブクログ

主人公の独り言のようなツッコミが面白かった!
物語やその背景も魅力的。ただ主人公の友達がよく出てくるわりに影が薄い。
中山さんはいいんだけど、理緒ちゃんってどんなキャラかすぐ忘れて何回か読み直しました。
あとオチもちょい弱い。なぜ携帯電話がつながったか、向こうの世界はそのあとどうなったかが謎のままです。
まあその謎を読み終わったあとに想像するのも楽しみ方のひとつだけど。
ただSF的な恋愛小説が読みたい人には間違いなくオススメです。

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2010年02月17日

Posted by ブクログ

平凡な高校生・綾は友人以上の存在である一哉を事故で突然失う。しかし死んだはずの彼から電話がかかってきて――みたいな話です。電話で繋がる恋人未満の男女――という設定から乙一の某作品を連想し、てっきりめちゃくちゃ切ない系の話かと思ってたのですが、この話のメインはミステリーでした。一哉は殺されたのではないか、アヒルの人形の呪い、級友の不可解な言動…と気になる謎が散りばめられてます。この話は果たしてミステリー?ホラー?それともファンタジー?とどういう結末がくるのか途中まで予測できませんでした。しかし結末はいたって現実的。ハッピーエンドにならないであろうことは設定からいってわかっていたことでしたが、電車の中で読んで思わず泣きそうになりました。随所に素人っぽさの見える作品でしたが、軽く読めそうだからと油断してたら、思いがけず良い作品でした。電撃文庫もこういう作品が多かったらいいのに…と思います。

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2011年07月16日

Posted by ブクログ

新人の作品。
『タイム・リープ』をリスペクトしてるだけあって面白い!
王道的な展開だが一気に読めた。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

哲学の次はどっからどう見ても、一分の隙もなくライトノベルです
我ながら振り幅のエグい本棚ですな( ゚Д゚)y─┛~~

本作は山本弘さんの『BISビブリオバトル部』シリーズで主人公が激推ししていたので読んでみましたよ

いやー電撃文庫やなー

いわゆるパラレルワールドものなんですな

高校生の女の子綾の楽しみは、別の高校に通う一哉との毎日の電話
恋人未満のふたりですが、ある日一哉は事故で亡くなってしまいます
一哉の通夜から帰ってきた綾に、なんと一哉から電話が!
その一哉はパラレルワールドの一哉で、しかもあちらの世界では綾が殺されていると言うのです

こっちの世界では男の子が死んでいて、あっちの世界では女の子が死んでるって
おい!
おいおい!
なんて悲しい設定考えつくんや!
こんな悲しいパラレルワールドやめてあげて!

そして、最後までがっつりライトノベルでした
うん、さらっとは読めた

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2025年09月04日

Posted by ブクログ

山本弘の『世界が終わる前に』のビブリオバトルで紹介されていたので興味を持った。

乙一の『Calling You』を思い出した。
時間的・空間的に離れた相手と電話でつながってしまう話だ。

本作では、綾の世界では一哉が死んでしまい、一哉の世界では綾が死んでしまっているが、二人の間では電話がつながってしまう。
それぞれの死には不可解な点があり、その真相を探ろうとする。

全体としては、電撃大賞金賞なだけあって、よくまとまっている。
似たような世界にいて、同じ場所に立っているはずなのに相手がいないせつなさの描写もうまい。

でも、せっかくパラレルワールドを扱うなら、だんだんと2つの世界のズレが広がっていって、それを上手く使うような謎解きだと面白かったかも。
こっちの世界では通れない道が、あっちの世界では通れるとか。
本作では、基本的に2人とも同じ行動をとるので、答え合わせをしてズレを認識するだけにとどまっているので、もったいない気がする。
でもそれも悩みものか。
実際のラストでは急にズレが出てきて、二つの世界の変化に焦ったし。

ところで、二つの世界に分岐する原因は何だったんだろう?
描写あったかな。

恋愛の面から見ると、あんな別れ方ではなくて、二人がそれぞれの世界で前を向いていけるような、決意を固める瞬間があってもよかったのではないか。

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2020年10月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

最初から最後まで主人公カップルが出会わないまま終わる
タイムリープに影響を受けたとあとがきにあるが、たしかに先輩の存在ほか色々なところでなんとなくあの作品を思い出した

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2012年06月25日

Posted by ブクログ

“「綾……俺はさ、もう綾に死んでほしくないんだよ。せっかく生きてる綾と話ができた、それだけで嬉しいんだ。綾にはさ、俺のことなんて忘れて幸せになってほしいんだ」
「なんでそんなこと言うのよバカバカバカバカ!!一哉がいないのに!一哉がいないのに一哉がいないのに一哉がいないのにどうやって幸せになれるって言うのよ!私は一人でも犯人を捜す、一哉の力なんか借りなくても絶対捜す!」
「無駄だってのがどうしてわからないんだよ!」
「無駄って何、一哉に私の何がわかるの!?私に何が必要で何が無駄かあなたにわかるって言うの!?」
「もういい、勝手にしろ!」
「言われなくたって勝手にするわよ!」
思い切り乱暴に通話を切ると、とたんに辺りが静かになった。
私は涙を拭こうとして、片手にお菓子を握りしめたままだったことに気がついた。強く握りすぎて、月はほとんどバラバラになってしまっていた。
ティッシュの上に粉が落ちて、そのたびに胸が痛くて。
床に叩きつけようと振り上げた携帯を、そっとクッションの上に置いて、そして私は思い切り泣いた。”

綾の世界で一哉が事故死した。
だけど、通夜の晩を境に、彼女は所謂パラレルワールドの一哉と接点を持つことに。
一哉の世界では綾が誰かに殺されていた。
唯一の繋がりである携帯電話の通話を頼りにこっちの彼と向こうの彼女を殺した犯人を探す二人が見つけた真実とは。

「あ」と思わず呟いてしまうようなあっけない終わり。
後悔するにはあまりに遅すぎて、今まで続いてきた魔法が、一本の細い糸がぷっつりと切れてしまう感覚。
虚のような衝撃と、遅れて追いつく思考が終わりを告げてくる。
うー。
これは泣ける。各章の題名にも。
全ての章が綾視点だったため、「綾が自分で自分に描いていた夢のような現実逃避の作り話」と笑われてしまいそうな。
だけど、その考えには「綾がラメルと知り合えた理由」が穴を開ける。
それが、少し救われる。
向こうの一哉は一哉であって一哉ではない。
綾が向こうと途切れたときにこっちの一哉と向き合う展開は良かった。

ピヨホワイト。風邪薬。パラサイト。
複数のキーワードが繋がってひとつの答えを導き出す瞬間が良かった。
あと、二人が逃げる時の臨場感とか。
イラストも素敵。

“その笑顔を見て、涙がこぼれそうになった。ああ、なんでだろう、すっかり忘れていた。
「そう、ですよね」
<こっち>の一哉には、お通夜の日以来会いに行っていなかった。
<こっち>の一哉、私と同じ世界の一哉。私はどこかで彼の死を認めていなかったのかもしれない。仇をとると、彼のためだと言いながら、ずっと目をそらしていた。
「ラメルさん」
「ん?」
「今日だけ、泣いてもいいですか。明日からは元気になりますから」
彼女は長い髪を横に払うと、不思議そうな顔をした。
「別に今日に限定せねばならん理由もないだろう。泣きたければいつでも泣けばよい」
信号が点滅する。そうですねと言う代わりに、携帯電話を握りしめた。
そうだ、明日も泣いて、明後日も泣いて。
そしていつかまたこの電話が鳴ったときに、笑って話すことができればそれでいい。
今はまだ、その決意を口に出すこともできなかったけれど。”

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2010年10月22日

Posted by ブクログ

パラレルワールドにいる2人が電話をしながらお互いの死んだ理由を探すというストーリー
恋愛でありミステリーでSFでもあるような感じ
読後感はなかなかよかったです
パラパラと読んでしまったが、じっくり読みたい話

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2010年07月27日

Posted by ブクログ

パラレルワールド。
実はホラーなんじゃないかとビクビクしながら読んだが(笑)、普通のほんわか話だった。
しかし、ほんわかならハッピーエンドにしてほしかったなぁ。
バッドじゃないけど。

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2009年10月26日

Posted by ブクログ

先が読めちゃう展開。でも、最後まで飽きさせない構成が魅力的。
謎が解けていく様は本当に面白かった。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

ラノベというより少女小説。昔読んだピンク色の背表紙の少女向け小説を読んでいたときの感覚を思い出させる。心が洗われるような清涼感。内容は帯に書いてある「もういない彼氏と電話だけで繋がっているせつなさ」よりも、「彼、私の死因をつきとめる」ことのほうがメインになっていて、恋愛小説というよりはミステリーな感じ。著者が女性だからか、女の子の文化や気持ちの変化をよく理解している。この人の本がまた出たら買いたいな、と思わせる

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

電撃大賞っていうラジオがきっかけで読み始めた電撃文庫。15回の受賞作の中で好みそうなやつ買ってみた。ちょっとぐっとくるものが少なかった、ような。登場キャラが少し弱い気がして感情移入しきれなかった。けど綺麗にまとまってて良かった。

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2011年07月15日

Posted by ブクログ

このもどかしさはいいですね。
恋愛話かと思えば、内容的にはミステリーでした。
とってもドキドキで、一気に読みました!
切なさの余韻が残ります。

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2009年10月04日

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