あらすじ
「飛ぶ歓び」「生きる歓び」を追い求め、自分の限界を突破しようとした、かもめのジョナサン。群れから追放された彼は、精神世界の重要さに気づき、見出した真実を仲間に伝える。しかし、ジョナサンが姿を消した後、残された弟子のかもめたちは、彼の神格化を始め、教えは形骸化していく……。新たに加えられた奇跡の最終章。帰ってきた伝説のかもめが自由への扉を開き、あなたを変える!
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Posted by ブクログ
はい、というわけでね
トレードマークは荷台に描かれた聖徳太子の一万円札!
恐妻家で子だくさん
いつも明るくて、情にもろくて騙されることも多いそんな人
運転技術もたいしたことなくて、腕っぷしもからっきしだし、けっこうなビビり
だけど一番星桃次郎のピンチには必ず駆けつけ、恐怖に震えながらも4トン半の小さなトラックで倍以上あるトラックに立ち向かいます
そうなんよ!わいのヒーローは桃次郎じゃなくて「やもめのジョナサン」やったんよ!
なんでジョナサンはそんなことが出来たんだろう?
それはきっと自分の心の声に常に忠実だったからじゃないか?と思うのです
本当はすぐにでも逃げ出したい状況で、迷わずアクセルを踏み込めるのは、自分の心の中にある大切なものを決して捨てることがなかったから
そんな風に思うのです
だからジョナサンは道を間違えなかったんじゃないか、ヒーロー足り得たんじゃないか
ジョナサンが僕たちに教えてくれるのは「自分の先生は自分」ってことなんじゃないでしょうか
最後ちゃんと『かもめのジョナサン』の感想になってるっていうね(さすが)
Posted by ブクログ
人は人でしかないんだと思いたいと思った。
能力、考え方、時代、色々な物事が混ざり合って今の自分がいると思った。
そんな簡単じゃないぜえ、自由
そもそも自由って自由じゃなかったりするぜ。
それがそもそもの間違えだぜ
そんな事を言ってちゃあなれねえぜ、自由。
みたいな考えが右往左往しながら読みました。
4章は、宗教とかニヒリズムを感じられて面白かったです。
考え方も普遍的ものなんて無いのかもですね。
ベルセルクの魔女さんが言ってたみたいに円環ではなく螺旋なんでしょうね。
五木寛之さんの批評を全部読むと、色々な角度からの見方があると勉強になりました。
Posted by ブクログ
リチャード・バックの本は、読み始めるとたちまち辺りに静謐で夢の中の様なふわふわとした浮遊感に包まれる感じがして、プロペラ機で1人空を飛行している時はきっとこんな感覚なのかな。と夢想してみたり昔からとても好きなのだが、最近になって第四部があった事を知り今回初めて完成版を読んでみた。
不思議な世界のカモメの話は、人間社会に生きる私たちがその意味を考えるうえで示唆に富んだ内容ではあるけれど、第三部までは童話(?)寓話(?)的な世界観の色が強く、説教くさく感じないまま物語は終わるという印象を持っていた。
第四部ではジョナサンが会得した飛行技術や「カモメとはどんな存在か」を若いカモメ達に教えていく中で、やがてジョナサン自身が神格化され、本質であるはずの飛行技術を学ぶ者や自分とは何者かを考えるものがいなくなっていく。
きっと仏教やキリスト教も、はじめは「隣人に愛を持って接する」とか「家族を大事にする」とかシンプルな事が本質であったはずなのに、誰が何を言ったかとか教義の解釈の違いとか、本質的ではない物事で人々が分断されていく事を示唆しているように思う。
第三部までの構成では「星の王子様」的なファンタジーなお話の印象が強いが、第四部を含めると人間社会とリンクする部分も相まってフワフワとした読後感の心地良い感覚が少し薄まる気がして、そこがイマイチという感想もよく見かける。
けど、この完成版の方が物語全体としては起承転結がはっきりしていて分かりやすく、個人的には「アリ」かなと思う。