【感想・ネタバレ】「どうせ変わらない」と多くの社員があきらめている 会社を変える「組織開発」のレビュー

あらすじ

まじめに、コツコツ、会社を沈めていませんか? 「このままではダメなんじゃないか」とみんながうすうす感じている。けれども目の前の業績目標に追われて、まじめにコツコツ頑張りつつも、中長期的には会社を沈める方に進んでしまっている。気づいているのに「言っちゃいけない」「どうしようもない」とみんな黙っている……。本書では、そんな会社をパワフルに生まれ変わらせるための方法論を、会社がガラッと変わる瞬間を数多く見てきた「組織開発のプロ」が伝授。まず前半で、ほとんどの日本企業が陥っている悪循環のパターンと、その背後にある「囚われ(不合理な思い込み)」を解明。さらに後半では、悪循環と閉塞感に陥っていた組織がいかにして変わっていくか、そのプロセスとポイントを明示する。裏で愚痴を言うだけの「社内評論家」から脱却して、本当に組織を良くするための具体的プロセスがわかる本。あなたのちょっとした行動が、社員の誰もが抱えるムズムズ・モヤモヤ感を打ち破る! 『こんなに働いているのに、なぜ会社は良くならないのか?』(PHPエディターズグループ刊)を改題、再編集。

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Posted by ブクログ

ドライな手法論だけではなく心を動かされた内容だった。小さい集団を作って実践してボトムアップしたら変わるんじゃないかと思った。

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2023年02月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

違和感を感じていても口にする自信がない。ためらってしまう。今まで何度もそういう経験をしてきたし、きっとこれからも経験する。一生貫き通すほどの指針を見つけられなかったけど、またこの本を読みたいと思う。

【概要】
日本企業に共通する問題やその背景にある囚われのパターンと、海外で見てきた日本とは異なるモデルを示し、閉塞感に包まれている組織が組織開発の手法を使って、いかに変わっていくかを説明

変化の激しい時代にしなやかに変改対応しつつ、人が育つためにはコミュニケーション不足、学習障害、機能不全を解消する必要があります。
そのためには
⇒自分たちの組織で起こっていることを「俯瞰する」。内省を伴う「質の高い対話をする」
⇒何が正しいかを議論・討論するのでもなく、当り障りのない会話・雑談をするのでもなく、いろいろな人の考えを理解し探求しようとする「質の高い対話(ダイアログ)」にしたいと伝える

組織開発の第一歩は、組織に”ゆらぎ”を与えること
孤軍奮闘しないで社内外に仲間・ネットワークをつくって組織にゆらぎを与える

【キーワード】
・部分最適にとらわれる
・短期最適にとらわれる
・組織開発
 ⇒私たちが本来持っている違和感を感じとる力や直感を活かして、組織風土を変え、ひいては人や組織をよりよく進化させていく

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2019年10月03日

Posted by ブクログ

【会社を変える「組織開発」 (PHPビジネス新書)】

・会社を変えるというよりも、日本の歴史の中でどのような背景から社会の企業が成り立っているのかを常に軸に置き、その軸に沿って組織運営すべきですよ、というメッセージを持って本という想定。

以下5つのポイントを記載する
①日本人の思考・・・真面目に働くわけ
②労働における制度・・・成果主義の課題点
③役員スパン・・・長いのが良いか、短いのが良いか
④残業に対するアイデア・・・デンマークの事例
⑤日本へ働きに来る海外の労働者・・・日本は魅力のない国のはず


■①日本人の思考・・・真面目に働くわけ(p.46)
・本書では、日本の歴史として年貢を近所づきあいで助け合いながら納めてきたという歴史背景から、日本の働くスタイルについて言及している。

・日本人は、今ある環境を受け入れて、その中で自らにできることは何かを精一杯考え、補間していく能力に優れる


一方、「なぜその問題が起こっているのか」を考察したり、皆でアイデアを出して物事を変えていることはとても苦手
例)あの人がんばってるんやから、批判するようなことは言わんとこうや、という雰囲気
←全員がが空気をよみあって、本音が出にくい社会
←言いだしっぺが損をする社会性??


・上記の文化は、地域で連帯責任を負いながら年貢を納めてきた中で、絶対に他人に迷惑をかけないためにルールを守って働き、年貢を納める!という生き方が今にまで至っている、と本書で解説している。確かに一理あるが、それが全部ではないでしょう?たかだか数百年の歴史が日本全体の国民性の根っこにあるとは言い難いのでは・・



■②労働における制度・・・成果主義の課題点(p.44)
・90年代に導入された成果主義は、全体の仕事を個人に分割し、それを管理することでチームや全体のパフォーマンスに繋がるという考え

・上記が蔓延すると、「自分さえよければ良い」という考えに陥り、組織間/チーム間のコミュニケーションが希薄となる。また、短期的な成果や成果の出やすい目標のみに偏ることで、組織力が落ちる可能性をはらむ

・上記の問題は、MBOを導入して目的設定の難易度および取り組みのプロセスを評価することで解決する、ということでよいか(まだ奥村は正解を知らないので、引き続き学習します)



■③役員スパン・・・長いのが良いか、短いのが良いか(p.87)
・長期の方がよい。短期間で雇われた役員は会社の長期プランにおいて利益を出すよりも、自分が雇われる短期間の中でいかに利益を生み出すかに注力してしまうため

・上記、HBRの記事では、組織に新しい風を常にふかせ続けなければ組織が停滞するとの理由から短期の方が良いし、業績を上げている会社の半分以上(忘れてしまった)は2・3年に一度経営層を交代させている、との記事を読んだ記憶がある。場合場合によって異なるか



■④残業に対するアイデア・・・デンマークの事例(p.120)
・生産性を向上させるひとつの案にもなるか。デンマークでは、16時以降の残業には150%、19時以降の残業には200%の残業代を支払らなければならないことが法律で決まっているとのこと。また、残業代を受けた個人も、その60%は税金で納める必要があるとのことで、企業・個人の双方が残業することで損を生む仕組みが出来上がっているという。



■⑤日本へ働きに来る海外の労働者・・・日本は魅力のない国のはず(p.289)
・そもそもグローバルベースでみると、日本という特殊な労働文化を持つ国は人気がない(級力が低く、年功序列で出世も遅い。ホウレンソウやノミニケーションという文化も理解しにくい。会議の開始時間はまもるのに、終了時間は守らない、など)

・こんな環境下においても日本に働きに来る人とは、つまり「本当に優秀な人ではなく、それなりに仕事すれば身が保障される日本企業で生きていくことを考えている人」である


・これは個人的にはインパクトのある内容であった。日本の労働人口が足りないがために海外の方を誘致しようとしているなか、働き方や評価の仕方についても根本手kに見直していかなければ効率的な採用に繋がらない可能性がある。
その意味でも、人事コンサルとしては多様な国の文化や働き方を少しでも知り、今後の社会構造にあった制度改革の提供をめざしていきたいと思う(奥村)

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2017年03月26日

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