あらすじ
大人気キャラクター「アンパンマン」や国民的唱歌「てのひらを太陽に」の父、やなせたかしさん。幼少期は劣等感に悩み、戦争も経験し、作品がブレイクしたのは七十歳手前と、その人生は必ずしも順風満帆ではなかったといいます。しかし、どんなときにも希望を失わず前へ進んできた彼の言葉からは、生きることの素晴らしさやよろこびがビシビシと伝わってきます。本書ではそんなやなせさんの心がこもった、ユーモアあふれる深い言葉を精選。忘れかけていた大切なものが、きっと見えてくる一冊です。本書の内容例、ひとはひとをよろこばせることが一番うれしい。一寸先は闇でも、その一寸先には光がある。人間は欠点のない人を好きにはなりませんよ。笑って楽しむ気持ちがあれば、いくつになっても心を若々しく保つことができる。今までやってきたことが、全部、役に立っているんだよ。無駄なことはひとつもない。
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Posted by ブクログ
◎学び
・運は掴み取るまで継続するからこそ得られる。何事も続けることが一番大事だし、続けるからこそどこかで芽が出る。
・生きたくても生きれない人がいる世の中で絶望して希望を持たないのは勿体無いし、自分のやりたいことはやり切ったほうがいい。
環境を受け入れた上でどう進んでいくか
・仕事をするときはどんなふうに役に立っているのか考えたり、どうやったら面白く仕事できるか自分なりに目の前の仕事に対しての向き合い方を育てていくことが大事。
待っていても、自分の仕事は出てこない。
・幸福は今目の前にある日常の地味なところにある、気づくことが大事。
・目標はたとえ達成しなかったとしても向かっている最中が美しいし楽しいもの。
・働く意味や目的やビジョンがないと、人は働くことが辛くなる。
◎気になるページの要約
自分の「好き」を信じて、コツコツ続ける
幼くして両親と別れ、親戚の家で周りと比較されながら育ったやなせさんにとって、絵を描くことだけが心のよりどころでした。しかし、美術学校に進むと周りには自分より上手い人が大勢いて、何度も自信を失ったと言います。
メッセージ: > 「好きなことなら、コツコツ努力することもつらくはない。楽しみながら、一生やっていきたいものを必死で探してほしい。絶対に何か一つはあるはずだ」という、迷う人への強いエールです。
絶望のトンネルと、遅咲きの真実
世間では、やなせさんが90歳を過ぎても現役でアンパンマンを描いていたことに驚く人が多いですが、実は絵本として『あんぱんまん』を始めたのは50歳のときでした。それまでは、漫画、舞台演出、詩の雑誌の編集など、頼まれるがままに何でもこなす「器用貧乏」な状態で、代表作がないまま30代〜50代までを「絶望のトンネル」の中で過ごしたそうです。
メッセージ: > 満員電車のように才能がひしめく世界でも、あきらめずに立ち続ければ、いつか目の前の席が空き、出番がまわってくる。**「継続は力なり」**であり、人生は「大器晩成」でいい、焦る必要はないと教えてくれています。
どんな仕事も社会を支え、自分次第で天職になる
かつて豪雪地帯で2メートルもの雪道を登って郵便を届ける配達員を取材した際、その過酷さに驚くやなせさんに、配達員は「おじいちゃんとおばあちゃんが二んで暮らしていて、オレが配達に行くと大よろこびしてくれる。その顔を見ると疲れなんか吹っ飛んじゃう。本当にいい仕事だと思っています」と答えました。
メッセージ: > 誰かが喜んでくれるために働く人がいるから、社会は成り立っている。「この仕事は向かない」と熱を入れずにダラダラ生きるのではなく、どうすれば面白くなるかを自分で工夫してみることで、どんな仕事も天職に変えていけるという仕事論です。
幸福の正体と、命の尊さ
幸福の正体は身近なところにあります。お腹がすいているときに食べる一杯のラーメンや、健康でスタスタ歩けること。それらは病気や絶望を経験して初めて気づくものです。やなせさん自身、小学生の頃に深く絶望し、夜の線路に身を横たえて列車が近づいたときに怖くなって飛び出した経験があると言います。
メッセージ: > 世の中には年間何万人もの自殺者がいるけれど、本当に残念なこと。「命を粗末にするなら、ぼくにくれ!と言いたい。つらいトンネルをひたすら歩く時代があっても、今こうして結構楽しく生きている」という、命への切実な願いが込められています。
逆境の中でも夢を追いかける力
人生の大半を失意の中で生きてきたやなせさんですが、不思議と不幸ではなかったと振り返ります。先輩漫画家に「うまいねえ」と少し褒められただけで天にも昇る嬉しさを感じ、そこにかすかな希望を見出していました。
メッセージ: > 人間はどんな逆境の中でも夢を見る生き物です。夢が実現するかどうか、夢で終わってしまうかどうかは重要ではなく、夢に向かって一歩ずつ進もうとするその「力」自体が尊いのだと説いています。
奇跡の一本松と、平凡の積み重ね
東日本大震災でたった一本生き残った陸前高田の「奇跡の一本松」の姿に、幼くして父を亡くし、母も弟も妻も逝き、仲間も旅立って「天涯孤独」の心境で生きる自分自身を重ね合わせています。根元を塩害にやられながらも、クローン苗や接ぎ木によって小さな新芽が顔を出したニュースに希望を感じ、元の松原を再生するには長い時間がかかるだろうけれど「きっとできる」と信じています。
メッセージ: > 一歩一歩、平凡に生きていくことは人の記憶には残りにくい。けれど、「その平凡なことを何十年も続けていくと、いつの日か、遠大な目標も果たされる」。小さなことをおろそかにしては、目標や希望にはとうてい手が届かないという継続の真理です。
人をよろこばせることが、生きる喜び
「生きているから悲しいんだ」というアンパンマンの歌詞の通り、悲しみや不幸(空腹)があるからこそ、よろこびや幸福(ラーメンの美味しさ)を実感できます。
メッセージ: > このさびしげな人生の中で、最も嬉しいのは**「人をよろこばせること」**。読者の心の琴線に触れることができれば、それがやなせさんの最高の幸せであり、そのために仕事を続けているという、彼の人生観・表現者としての原点がここにあります。