【感想・ネタバレ】忘れられたワルツのレビュー

あらすじ

恋愛とは雑用である。不要でなく雑用である。忙しいときに限ってオトコというものが現れる(「恋愛雑用論」)。ピアノを弾く姉、テレビに出る母、未知の言語を学ぶ父。何もないのは私だけ。あの発作が起きるまでは(「忘れられたワルツ」)。想像力の突端から、震災後を生きる者たちの不安/不穏を描き出す、絲山文学の極北七篇。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

 意味がわからなければ、わからないままに、読めばなぜか懐かしを覚える絲山秋子さんの作品です。独立した7話が収録されています。「忘れられたワルツ」、2013.4発行。どれも味わい深いです。絲山さんですから、車、煙草、病の話はしっかりテーマになっていますw。私は、第3話「葬式とオーロラ」、第7話「神と増田喜十郎」が気に入りました!

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2022年04月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

絲山秋子の本は何冊か読んだ。いずれも少し不思議な感じがある世界なのだが、本書はかなり幻想的な特色を持つ。
意味のわからない話やメタファーもあるが、意味を探りたくなる深みがある。
東日本大震災の後に書かれた短編集と知り、なるほどと意味を了解した部分もある。
不穏さ、もの悲しさに浸るような作品も、どこかユーモラスでそれがシュールに思えるのがこの作者の持ち味だろう。
描写は極端に省略され、それでも情景が浮かぶ。上手い。
読書会の課題だったのだが
・忘れられたワルツ
・ニイタカヤマノボレ
・神と増田喜十郎
この三編がとても気に入った。

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2022年01月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

淡々と進んでいく文章の中に、ドキッとするほど深いものがある。震災以降、また大きな「何か」がやってくると仮定しての話もあって、少し背すじが寒くなった。しかし文中の人物は、そのことを神の仕業として静かに受け止めている。
表題作「忘れられたワルツ」は、ちょっとよく理解できなかった。「ニイタカヤマノボレ」と「NR」が好き。

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2013年08月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

どこかシュールな7話が収められた短編集。

冒頭いきなり「恋愛とはすなわち雑用である」と言い切った一文で始まる『恋愛雑用論』。
雑用でしかないけれど決して不要ではない、というのがミソである。
日下部さんと金子くんの掛け合いのような会話が笑える。
社長の言う通りお似合いの二人だ(日下部さんは怒るだろうけれど)。

また「離婚したから遊びに来ませんか」で始まる『強震モニタ走馬燈』も良かった。
新年早々、このたった一行の年賀状を寄越した女友達はとにかくマイペースで、暇さえあれば強震モニタを見ているという変わり者。
けれど悩みだろうが悪口だろうが筋が通っていようがいまいが、何を言っても否定しない。
こんな友達いいな。
今日も一人でモニタ監視をしているであろう彼女に、是非とも凹んだ時に逢ってみたいものだ。

東日本大震災の後に書かれた短編達。震災について直球で書かれず、読んでいる内にあの震災のことだと分かる感じ。
特に表題作は、初めは気付かなかった震災の影響に心がざわざわした。
痒いのが早く治るといいね…。

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2017年10月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

恋愛も雑用と一部と考えてしまう事務員と、小利口くん。

風変わりな離婚した魚住が毎晩見る地震計の揺れ。

理科の先生の葬式とオーロラを運んでると言った知らない女。

鉄塔と変だけど気の合った今は亡きいとこと別れた恋人。

ノーリターンで直帰だった上司と部下が行き着いた先。

母の浮気調査のために家を出て行った姉を案じる妹と変わった家族。

市長になった同級生を支え続け女装することになった男と神。

恋愛雑用が一番面白かったと思うけど
長い病院の待ち時間で読み進めたからか、
頭にうまく入ってこない部分もあり
たぶんこの本の面白さを全身で感じ取れていない。

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2017年06月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

震災にまつわるような、きっかけにしつつも遠巻きにしているような、そんな短編集。当たり前にありそうで、少し不思議な要素が混じっている。でもその「当たり前」と「不思議」の境界線なんて、もともと曖昧なものだよねと、そう思わされるような一冊。最初の方の短編は、絲山さんのイメージとちょっと違うかなと思っていたのだけれど、途中から最後にかけては、やっぱり絲山さんだなと思うような感じで、あの、なんというか少し病んでいるような、危うい方に片足だけどっぷりと浸かっているような、そんな感覚。それはそれで、「ここでしか読めない」ものではあるのだけれど、この前半の部分こそが私としては面白くて、今後の絲山さんにも期待だわと、生意気にも思ったのでした。

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2013年09月29日

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