あらすじ
世界はより良くなっている――より豊かになり、より健康になり、平均寿命は延びている。しかしその反面、貧困という収容所から「大脱出」を果たせずに取り残された国や人々がいる。産業革命以来の経済成長は、大きな格差も生んだのだ。経済発展と貧しさの関係について最先端で研究を続けてきた著者が、250年前から現在までを歴史的にたどりながら、成長と健康の関係を丹念に分析することで、格差の背後にあるメカニズムを解き明かす。「本書は、進歩と格差の間の終わりなきダンスについて記している。……単純に考えると、貧困からの脱出は金銭的な問題だと思いがちだ。だがお金と同じくらい、ひょっとするともっと重要なのかもしれないのが健康と、繁栄する機会を手に入れられるだけ長生きする確率の向上だ。……富の歴史について語る本は数多くあるし、格差の歴史について語る本も多い。健康と富がいかに密接な関係にあり、健康の格差が富の格差をいかに鏡のように反映しているかについて語る本もたくさん出ている。私はその両方について一冊で語りたいと思う。」(はじめに)取り残された人々を助ける手立ても示した、健康と豊かさの経済学。
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Posted by ブクログ
「銃・病原菌・鉄」という本が面白かったので、この本も似たような本かなと思って読みました。面白かったです。
「銃・病原菌・鉄」で残った疑問がこの本に書いてあったように思います。私は疑問が解けて少しすっきりしました。
(疑問というのは、どうして50代の私が子供の頃から発展してないような国があるのかな、ということです。50年もたったら教育とかインフラとかすごく進んでるはずだと思うのに、何だか50年前とそんなに変わってないと思える国が結構あって不思議だなーと思っていたのです。)
Posted by ブクログ
世界全体では貧困や健康は改善している。生活水準や健康状態はこの100年で劇的に改善してきた。お金については富裕国はますます豊かになり、一方、貧困国は、中国とインド以外は目立った改善が見られず、富裕国との差が広がっている。しかし、富裕国でさえ発展の速度が停滞している。
富裕国の貧困国に対する支援は、富裕国の思惑により、必ずしも効率的かつ効果的な支援となっていない。
著者は多くの文献を引き丁寧に説明している。経済学に限らず国際関係学に興味がある人にも読んでもらいたい。
Posted by ブクログ
近年の貧困研究についての状況が丁寧に書かれている。
解決策が明確になってるわけでなく、考える切っ掛けとなる本。
第一部 生と死、死亡率や病気、身長といったモノがどう変わってきたのか
第二部 お金、所得格差の状況や変化について
第三部 助け 様々な格差にどう立ち向かうのか
様々なデータを紹介しつつ著者の考えが述べられている。
世界がどう変わってきたのかを多くのデータから推考しながら今後どうあるべきかを考えさせられる。
よくある国際比較や貧しい国といったことだけでなく、死や病気などからの「大脱出」は先進国でも起きているといった話や、貧困にあえぐ人の中には「知識」が広まると解決するであろう事があるが、なぜ「知識」が広まらないのか、貧困への援助は本当に貧困に立ち向かう武器になっているのか、むしろ逆効果ではないのかというデータもあったりでボリュームがある一冊。
Posted by ブクログ
主に健康の観点から世界の貧困を観察した本で、本書での分析や既にある政策はとても説得的で、新たな重要な観点の提供はとても価値あるものであり、全体を通じて良書であると言える。唯一玉に瑕なのが、貧困から大脱出するための具体的な案がほとんど書かれていないことだ。なので星4つの評価となった。