あらすじ
人口減少、育児、エネルギー、格差……世の中の課題を美しく解決して幸せなムーブメントを起こす、みんなのための「デザイン」実例集。
・ボランティアと被災者をつなぐ できますゼッケン
・妊娠・出産・育児のセーフティネット 親子健康手帳
・市民が発電を体験・体験できる ふじさわ発電ゲート
・わりばしから始まる中山間地域循環システム 和RE箸
・人と人との絆をつなぐ、まちのうわさ 八戸のうわさ
・町民と行政職員が一体で作った 海士町総合振興計画
……私たちの創造力が、課題先進国ニッポンを救う!
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Posted by ブクログ
たくさんのアイデアがissueにもとづいて書かれていた。
こういう事例を踏まえた読み物はなかなかない。
楽しいの一言。
どんどん実践と自治体からのアイデア発信、もっともっとおもしろいアイデアの開発。
そういうことをやっていきたい。
Posted by ブクログ
社会問題についてデザインで解決しようというissue+designの本。参考になります。
<メモ>
・孤独死は年間26821人。郊外化により人と人の距離が遠ざかったり、多世帯化で同居家族人数が減り、一人暮らしが地域との接点を失うなど、日本の社会的孤立度の高さは世界有数。孤独死70歳代男性が最も多く30.4%。その次に65~70歳男性が17.6%と圧倒的に男性が多くなっている。
・生涯未婚率は男性30%、女性23%に。
・集落の人の日常が都会住民の非日常。
・大人資源の活用→放課後アフタースクール
・親子健康手帳 母子手帳の改良版。
妊娠・出産・育児のセーフティネットがコンセプト。
お父さんお母さんの声から生まれた現代版。
①子供衣料歴や薬歴を成人まで残す健康カルテ機能
②必要な情報を厳選、わかりやすく編集した必見必読機能
③育児の喜びを増やし不安を減らす癒し励まし機能
④お父さんも参加できる男女共有機能。
⑤知識・経験を伝え次の親を育てる育次機能。
・海士町総合振興計画。通り一遍とうではなく、内部で作る、気軽に開ける愛読書計画。計画策定4チーム「ひと」「産業」「暮らし」「環境」
・「ワンデイシェフ」一つのレストランで地域の住民が日替わりでシェフをする仕組み。売上の70%をシェフが残りは運営費。2人以上が厨房に入ること。寡黙に一人で料理をするのではなく、協働作業することで新たな関係構築を目指す。
・issue+design 社会の課題に、市民の創造力を。避難所、食の安全性、自転車通勤、住宅耐震性の4つのテーマに今まで取り組んでいる。共創→競争→実現のプロセス。ワークショップとコンペを融合している。プロジェクトで生まれたデザインは実用化につなげていく。「できますゼッケン」「注意喚起シュシュ」「食品衛生管理紙」
・デザイン思考とは ①地域が抱える社会課題の本質を心、身体、頭で直感的、身体的に捉える行為。②多種多様なステークホルダーがともに持続可能な美しい未来の姿を思い描き、地域に眠る資源を活用した新しい仕組みや経験を創出する行為。
5つの技術①共感する技術 ひとごとをじぶんごとに ②発見する技術 異和感を言語化し、課題解決の糸口を探る。
③拡散する技術 数を出して、質を高める いろんな問いを出す
④統合する技術 混ぜて、つなげて、化学反応を起こす。
・コミュニティには同じ地域にすむからこその地域コミュニティと、興味が同じなので集まって活動するテーマコミュニティの二つがある。
・既存の地域コミュニティにデザイン思考を持ってもらう場合、一人でも多くインタビューをする。なにができて、何を考えているか。将来どんな生活がしたい。インタビューを行う事で、知ることができるのみならず協力者になってくれる。
・コミュニティの活動は「やりたいこと」「できること」「求められること」の三つを組み合わせて企画することが重要。必要であれば他のコミュニティと協働しながらプロジェクトを推進すること。
・いざカエルキャララバン。綿密な情報収集と、共感をよびその気にさせるシステムとコンテンツ。そしてオープンソース。
Posted by ブクログ
色んな地域を活性化する商品のデザインが載っているのかと思ったら1章では色々な社会課題(イシュー)をわかりやすくレイアウトして掲示。でも見たかったのはこんなのじゃないんだけどなーと進んでいくとそれを踏まえた上でその課題をクリアする為には何をデザインすればよいか、デザインとは視覚化することと考えている人が多いが、この本でいうデザインとは「地域に眠る人材、コンテンツ、技術、産業、空間などの有形無形の資源を組み合わせて作る地域ならではの仕組みや経験、すなわちコトのデザイン」というかなり高等なデザイン思考を要求している。一般的にいうとディレクターとかの部類に入るのかなーと思った。私も“デザイン=視覚化”と思ってる部分が大きかったので「活動体」「仕組み」のデザインというのは衝撃でした。後、女子大生の強みは「とどまらない発想力」「思わず共感してしまう力」というのは目から鱗だったけど納得!ブレインストーミングには最適らしいですw
Posted by ブクログ
引用に入れた「デザインとは何か?」の言葉通り、問題の本質を捉え、その問題を解決する術としてのデザイン。
シビックプライドにおけるデザインとも共通する答えだな、と。
和RE箸や、ご当地クリーンエネルギー、ふじさわ発電ゲート、できますゼッケン、君の椅子といったものから、「仕組みをデザイン」する放課後NPOやハナラボ、障害者発プロジェクトやマルヤガーデンズ、issue+design。
様々な課題や事例も分かりやすく面白い一冊。とても参考になった。