あらすじ
モース警部がジェリコ街に住む女アンに出会ったのは、あるパーティの席上だった。すっかり意気投合した二人は再会を約すが、数ヶ月後、彼女は自宅で首吊り自殺を遂げた。はたして本当に自殺なのか?モースにはどうしても納得がいかなかった。やがてアンの家の近所で殺人事件が起こるにおよび、モースの頭脳はめまぐるしく動き始めた。前作に続き英国推理作家協会賞シルヴァー・ダガー賞を連続受賞した傑作本格ミステリ
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Posted by ブクログ
十年ぶりに書庫から顔を出したコリン・ デクスターの「モース警部シリーズ」十数冊。その中から忘れている話を読み始めました。
いまではオックスフォードまでグーグルのストリートビューであっという間に飛んでいけますが、当時はイギリスの地図を指で追いながら小さなジェリコ街を探していました。隔世の感があります。
「あたしの住所はおわかりでしょう?」彼女はささやいた。
彼はうなずいた。「しかし、お名前を知りません」
「アンよ。アン・スコット」
彼は微笑みをうかべた、ほとんど幸福そうな笑顔だった。
「あなたのお名前は?」
「モースです」警官は言った。(大庭忠男訳)
翻訳がとてもいい名訳です。
モース警部シリーズのなかでも1,2をあらそう傑作です。本作でミステリー界の最高勲章シルヴァー・ダガー賞を受賞しています。シルヴァー・ダガー賞2回、ゴールド・ダガー賞は「オックスフォード運河殺人事件」で受賞していますがイギリス人でなければ分かりにくい作品です。
背後にギリシャ悲劇ソフォクレスの「オイディプス王」が隠れていたり、ラストのどんでん返しで読者にも全てが明瞭になるというミステリーの王道です。
Posted by ブクログ
モース主任警部第五弾。
パーティで偶然会った若い女性に家に招かれ、
半年後にふらりと訪れたモース警部。
もちろんロマンス的な展開にはならず、
鍵が開いていた部屋の1階には誰もいなかった。
だが、その夜に女性が首つり死体で発見される。
女性の部屋を訪れたのを隣の男に目撃されていたモース警部は…。
といっても今風に、警部が犯人だと疑われたり、
内部監査をうけたり、警部を陥れる陰謀だったりはしない。
いつも通り推理が迷走して、
女性の自殺の理由は自分の息子の子供を妊娠してしまったからだ、
とルース刑事に主張していた。
身代わりのトリックは前回も見たような気がするが、
今回のトリックは見事だった。
それと、重要な証拠の指紋が、実はモース警部のものだったということも。
今回はモース警部が女性の家を訪れたのが遅すぎたというほろ苦い最後だったが、
前作の最後で、モース警部が家を訪れた女性とはどうなったのか?