【感想・ネタバレ】走ルのレビュー

あらすじ

なんとなく授業をさぼって国道4号線を北に走り始めただけだった…やがて僕の自転車は、福島を越え、翌日は山形、そして秋田、青森へと走り続ける。彼女、友人、両親には嘘のメールを送りながら、高2の僕の旅はどこまで続く?21世紀日本版『オン・ザ・ロード』と激賞された、文藝賞作家の話題作。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

物置にあった古いロードレーサーを引っ張り出した高校2年生の陸上部員がひょんなことから学校サボってロードレーサーで北へ走り出す。福島から山形、日本海に抜けて秋田、青森へ。
高校生が無謀な旅をするロードムービー的な小説だが、旅先で人とふれあうわけでもなく、もっぱら友人とのメールや携帯での通話でのやりとりばかりというのが今の時代っぽいなと感じた。
自転車の走行シーンの描写は疾走感があってとてもよかった。

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2016年05月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

八王子に住む高校2年生の本田は陸上部の練習に自転車で向かう。そのまま北に走り続けて、ついに青森へ。
学校もさぼり、彼女や友達にも風邪と嘘をつきながら、ただ走り続けていってしまう。観光するわけでもなく、ただ走り、走っていることに反応がよかった小学校の時の知り合いにメールを送り、彼女には反応が悪いからと嘘を突き通す。仲間たちとのくだらない会話も嫌いではないんだろうけど、行ったことのないところに気の赴くまま行ってしまう。考え方や会話に知性の高さも感じるが、なぜか帰る方向には進めない。
やっていることがよくわからないけど、これが高校生なんだろう。

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2025年11月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

⚫︎受け取ったメッセージ
とにかくただただ「走ル」こと自体を書くことに
テーマを置いている作品

⚫︎あらすじ(本概要より転載)
なんとなく授業をさぼって国道4号線を北に走り始めただけだった…やがて僕の自転車は、福島を越え、翌日は山形、そして秋田、青森へと走り続ける。彼女、友人、両親には嘘のメールを送りながら、高2の僕の旅はどこまで続く?21世紀日本版『オン・ザ・ロード』と激賞された、文藝賞作家の話題作。

⚫︎感想
ロードノベルといって想像するのは、旅先でのあれやこれやが走る者の心情に変化をもたらし、成長する的な先入観だが、これは全く違う。ほぼ無計画に、無目的に、嘘をつきながらひたすらに走る。旅先でも、特にこれといった何かに出会うわけでもやるわけでもない。走ること自体が目的。だから、繰り返されるのは、自転車の描写、どの道を通って…という経路、メールのやり取り、自分の身体の様子、自分の心の動きを書くけど、風呂に入りたい、ご飯を食べたいとか、内面ではなく本能的な欲の描写でほぼ構成されている。それがかえって新しい。

羽田さんの作品は3冊目だけど、いい意味でねっとりしたものが通底しているように私は思う。
解説もおもしろかった。平行派と垂直派の話。羽田さんの小説はY軸的であるという指摘。

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2023年11月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

自転車好きにはとてもワクワクする話だと思う。
実際高校生がいきなり朝練をぬけた勢いだけで自転車で東京から盛岡市まで野宿しながら走り抜けていく、というのは爽快なストーリーである。
ただオチとか盛り上がりとかはなく、ただ記録を辿っていくだけのストーリー展開なので盛り上がりを求める人には「え、ここで終わり?」となる終わり方かもしれない。
アッサリ失恋ぽいものをしてそのまま話がすぐ完結しちゃうのもなんだか学生らしい青臭さもあり良いがやっぱりスッキリとはしない。
瀬名との関係性にモヤモヤを感じたままに、その後の2人が上手くいくとも思えぬまま話があっさり終わってしまったのがなんだか残念。

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2022年01月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

夏休み明けの試験が終わり、高校2年生の僕は、自宅の物置に忘れられた自転車を見つける。ロードレース用の自転車で、地面を感じながら4時間かけて学校へ向かった僕は、陸上部の朝練の後、突然足の向くまま自転車で北上を始める。
何処かを目指す訳でもなく、友人達とメール交わしながら淡々と自転車を漕ぎ続ける僕の行先は。

今日という一日は、いつ始まったのだろう。陽が昇るのがゆっくりすぎて「今日」というくさびをいつ打ってよいのかわからない。

山路は厳しく、夜道は暗い。
公園で寝泊まりして、時に暴風雨の中走る。
高校生男子の悶々と抱えているものをぶつけるような、何処にぶつけるか迷っているような、息遣いがせまってくる。
コンビニ弁当と携帯での友人とのやりとり。
場所は家や学校から離れていて、自転車旅も非日常なのに、メールのやりとりは自宅での様子と変わりない様子。
そういう世の中になったということをじんわりと感じる。

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2021年11月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

高校をなんとなくサボって、友人に嘘を重ねて、昔の同窓生の女子に妄想を抱きながら、ただひたすらにロードバイクで北へ走る。
正直、人と人との心の交わりも無く淡々と走る描写は退屈だし、本田の適当な嘘やごまかしも読んでいて良い気持ちにはなれない。
でも、これも高校生の頃の、よく分からない孤独や衝動の一つの姿なのかもしれない。
表紙の絵は、この作品の内容をよく表していると思う。

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2016年10月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ささいなきっかけからロードバイクで北上をはじめた少年の話。
なんとなく走りはじめたら止まらなくなり、ゴールがあいまいな走行の様子がとてもリアルで心引き付けられます。
反面、ラストがなんかあっけなくて物足りなかったです。

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2015年12月11日

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