あらすじ
嫌いなことはやらない。商談よりも食事が大事。空気は読んだことがない。それでも、結果が出るのはなぜなのか――。怠惰で陽気で適当なのに、ファッションから車まで、独自のセンスと哲学で世界の一流品を生み出している国イタリア。彼らの秘密を、日常のさまざまなシーンの行動・価値観や「イタリア人あるある」から、軽妙にひもときます。
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Posted by ブクログ
読みたい本にチェックした後、文庫になり書店で平置きになっていて驚いた本書。その場しのぎにも程があるイタリア人と、真面目な日本人の気質とかけ離れ過ぎていてめちゃくちゃ面白かった。それで社会が回っている不思議。ただ子どものまま成長してないだけのように思えるが、欲望の赴くまま後先のことを何も考えず行動でき、またそれが許容される寛容な社会であることが少し羨ましい。雨が降ったら落ち込むので打ち合わせキャンセルだなんて。時間の概念もただルーズなのではなく、独自のルールがあるのだとか。本当の幸せとは何か。深い。
Posted by ブクログ
イタリアと日本では、(そしてイタリアとフランスでも!)時間や仕事、計画といったコンセプトがいろいろ違うということが分かり、納得しました。
自分の感覚を大事にし、自分の生活の余裕を優先する…
また、そんなイタリア人の良いところだけではなく、問題もあるということ、それ等がどうつながっているか、ということも理解できてとても興味深かったです。スリの多さや規則が機能しない実情など、社会の両側面を伝えられているところも説得力がありますね。
何事もバランスが大事、と言葉で片づけるのは簡単ですが、
一番優先すべきことを間違えず、あるいは本来優先すべきことを口に出せない場を生み出してしまっていないか、定期的に振り返り修正することが大事そうですねー。そしてそれは、他の文化圏でいらっとしたことや違和感、考え方の違いをきっかけとして、自分のもっている概念について考えることからも始められる、ということなのかと思いました。
Posted by ブクログ
「アポの時間は努力目標で、先に来た人ではなく、遅れた人に合わせるイタリア社会」
「レジに並んでいる間に購入する商品を、食べ始めることがある」
著者が愛すべきイタリア人を、実体験をもとに書き綴っている。
私にはあり得ないと思いながらも、最終的には「イタリア人は人生を楽しむ天才」に少しうらやましいかも、と思った。
Posted by ブクログ
イタリア人のロジックが事例付きでなんとなく理解できたつもりになる本。
良し悪し、好き嫌いはさておき、まずは理解することが大事と改めて感じる。
これは日本とイタリアという曖昧で主語の大きい具体ではなく、身近な誰かという特定個別の具体にも適用するべきと感じる。
Posted by ブクログ
イタリア人の人生観、価値観、倫理観などは、日本人のそれらとは真逆の様だ。
典型例と感じるものを、目次の見出しから列挙すると
・アポの時間は努力目標と考える
・いつでも仕事し、いつでもサボる
・好きなことだけ楽しみ、嫌いなことは先伸ばす
・規則破りに寛容なイタリア、無慈悲なフランス
・何もしないで待ちチャンスが来たらつかむ
・コネに頼らない「まじめ」な人は「まぬけ」?
・便宜をはかることこそ「仲間」の証
・なぜかしょっちゅう離合するカップル
などなど。
日本人のメンタリティからすると、理解に苦しみ敬遠したくなりそうなところ、読み進めるうちに「何かイタリア人て、憎めない、可愛い?人たちだなぁ」と感じていたところ、やはり文中に「このようなイタリア人を本当に困った人だと思いながら、なぜか憎めずに「愛すべきやつ」と思ってしまう」とあり、著者同様魅力として受け止めていた様だ。
「おわりに」に書かれている内容で印象に残ったのは、
何事時間に正確で完璧なサービスが受けられる日本だが、その裏にはかなりの緊張感を強いる過激な労働が課せられていて、結果として日本の労働者は酷く疲れて楽しそうでも幸せそうでもないのに対して、イタリアでは最高のサービスを受けられなくても文句は言わない、何故ならそんな緊張を強いられる労働はしたくないしさせたくないから列車が遅れても我慢するし、ゆったりとした人生を過ごそうというスタンスで、何もうまくいってないのに人々は精神的余裕があって幸せそう、楽しそう、
という事。
それこそ国民性の違いで真似は出来ないにしても、見習うべき点だなぁと。
Posted by ブクログ
イタリア文化を学べた。
時間にルーズだけどルールがなんとなく存在するとか、タイトル通り間に合わせることが多いとか、スリには同情するとか、知らなかったことが多い。ちなみに、日本よりもイタリアがいいよ、という本ではない。
内容はどれもすごく面白く、読んだ後は日本とイタリア、どちらに住みたいか考えさせられた。
仕事と私生活が曖昧で緊迫感がそんなにないのは魅力的だけど、日本人からすると度を越しているのはな……
Posted by ブクログ
2011年に東日本大震災があった。避難を余儀なくされた人々がたくさんいた。国内外の視察団の人々が現地に入ったが、「住めなくなったなら別の場所に住めばいい。どうしてここに固執するのか?」
という発言があったと、新聞で読んだのを覚えている。たしかにそうだ。合理的だ。引っ越せばいい。
でも、それだけではないものがあるんだと思った。
この本を読んでて、それを思い出した。
「東北魂」ってことを耳にすることがある。
なんかあると「同じ東北人」だと助け合ったり応援する姿をよくみる。
もしかして、イタリア人は、こういう感覚を持っているんじゃないかなあ。似てるんじゃないかなあ。
どこの出身?ってことを必ず聞くらしい。
自分の住む街に愛着がすごくあるらしい。
地方ごとに習慣嗜好特徴が違うって、まさに日本。東北、関西、大阪、九州、張り合ったり悪口言ったり、憧れたり。似てると思う。
コネ、義理人情、おやおや〜、日本的だわ。
もちろん、人によるってのはわかるけど、ざっくりまとめるとこんな感じだよ、っていうイタリア人のトリセツ。「空気は読んだことがない」笑う!
そうだよ、空気は吸うもんで読むもんじゃない。
イタリア人はサラリーマン的な労働には向いてない。決まったことをやって賃金をもらうんだから、賃金以上のことをしないのは当たり前。
感情移入できないと関心もてないし熱中できないのは、そりゃそうだ。でも、いいものをつくりたい、仲間や家族と力を合わせてやろう、楽しい、というときは一生懸命に働くし向上心も高い。
これって、「やりがいが欲しい」とか言うのと似てない?
キッチリ段取りつけて予定たててシミュレーションして完璧を目指す日本人は、いつも緊張している。ちょっと予定外が起こると対応できない。
イタリア人は、その場で臨機応変に対応できる。
綿密な予定はたててないから。出たとこ勝負。
目の前のことに、最も簡単で楽な解決策をとろうとする。そして、粘り強くやり切る。
旅行に行く時、ホテルも交通手段も食事も観光も、
何時にどこにいき、これをみて、ここで食べて、
ってキッチリ決める人がいる。実は私はコレ。
せっかく行くんだから失敗したくない、実り多くしたいと思う。予定通りに行動する。ガイドブックなどで事前にみて知っていて、そこをたどってる感じ。わーすてき、写真と同じね。これが日本人。
かたやイタリア人。京都いこう!ホテルと飛行機は予約するとして、あとは行ってから考えよう。
ガイドブックは持ってるけど、行く途中に面白そうな看板があると寄り道する。こんな道あるよ、変わった建物あるよ、なんかオシャレなお店あるよ。
清水寺には行けなかったけど、初めて見るいろんなものにワクワクドキドキして楽しかったね!
このぐらいの違いじゃないかなあ、と思う。
どっちがいい、ってことじゃないけど。。。。
日本人て、人がどう思うかばかり考えてるとこあるから、自分がどうしたいかだけで行動することがあってもいいと思う。言われた通りにするとか、自分で決められないとか、窮屈だと思う。
「なんとかなるんじゃない?」って考え方、日本人には必要だと思うし、それを日常的に持ってるのがイタリア人て気がする。
自分に甘いけど人にも甘いから人を許せる、って、
すごく生きやすいと思う。日本人は人に厳しい。
友達の友達は友達、頼っていけばいいって安心だ。
人間、完璧な人なんていないんだから、イタリア人はすごいってわけではない。困るとこもいっぱいある。でも「なんか面白いやつ」ってのは、友達にはいたほうがいいよね。
仕事柄、日本とイタリアを行ったり来たりしてる著者が、戸惑ったり困ったりしながら理解していったイタリア人。そして日本人へのチクッとした批判。
どっちにも愛情こもってると思った。
人生は楽しんだもん勝ち。笑ったほうが幸せ。
美しくてオシャレなものは、やっぱりステキ。
こんな生き方もあるよチカラ抜いてみ、って思える本でした。
Posted by ブクログ
昔、一度だけイタリアに行ったとき、ガイドさんに時間を確認したら、数字が4つしか書かれていないいわゆるファッション時計で衝撃を受けた記憶があります。(12と3と6と9のみ)
どうりで時間が合わないわけだ…
* *
イタリア人はなぜ遅れるのか?
なぜ食事を大切にするのか?
そしてなぜ、最後はうまくいくのか?
本書を読んで、この国がピッツァやランボルギーニやプラダやグッチを生んだ理由が少しわかった気がします。
時間にルーズなのは、裏を返せば大らかでもあるということ。ガイドさんがあの時計を選んだ理由も今ならわかります。〈美しいから〉なのですね。
好き嫌い分かれるかもしれませんが、イタリア人がどこか憎めないのはこうした哲学が彼らの体にしみついているからなのでしょう。
* *
2023年、今年もお読みいただきありがとうございました。皆さま良いお年をお迎えください。
Posted by ブクログ
面白い!
あまりにも日本や日本人の感覚と違いすぎる。
生きるのが楽しそうでうらやましくもあり、
自分の常識を超えてくるので目の当たりにしたら、苦手と思ってしまうかもしれない。
好きかどうかを何よりも大事にするところや、
前もっての準備ができないとか、
持ちつ持たれつのコネ社会とか、
イタリア人が仕事相手だったら疲労すること間違いなし!
けど一旦溶け込んでしまえば幸せなんだろうなぁ。
Posted by ブクログ
内容にはそれほど期待していなかったのですが、予想に反してけっこうおもしろかったです。
非効率的で意味不明に思える行動と、その理由の驚くほどの非合理さ(美しくない、とか、雨が降って気分が乗らない、とか)は、イタリアのイメージそのまんま。
著者のツッコミもおかしくて、「確かに、一緒に仕事するのは厳しいかも・・・」と笑いながら読んだ。
でも、私の心の奥のどこかがピクリと真顔で反応もしている。
美しくないなぁ、心が乗らないなぁ、・・・なんて思う気持ちを、私は今までどれだけ無視してきただろう? そういう基準は無視すべきだなんて、誰が決めたの?なんて、つい考えてしまう。
特に、印象的だったのは、試飲会の後に行われるレセプションの話。交通の便の良いホテルで行われることはまずなく、バスで1時間ほど移動しなくちゃいけないような丘の上のヴィラで行われる、それは主催者が「そのロケーションが美しくて好きだ」から、「ホテルのホールなんて醜くて嫌いだ」からだ、というところ。
ここを読んで、ああ、優先順位が日本人の仕事とは真逆だなぁと思った。見た目の美しさ、って一番最後に来るよね・・・。
私の眼前に一瞬にして広がる美しい葡萄畑と沈む夕日のイメージ。
うん、いいなぁ。いいなぁ。
もちろん、いつも感性優先ばっかりじゃ困るんだけど・・・
最後に書かれていた、イタリアのナポリで見られるルーズさと寛容さ、この2つは光と影みたいなもので、深いところで結びついていて根はひとつのものだ、という著者の見解には非常に考えさせられた。
すべてが整頓され、何もかもうまくいっているはずなのに、どこか疲れているように見える日本人、という描写にはギクリとする。
昨今の日本社会はお互いに対してなにかと不寛容だよなぁ、とつくづく思う。いや、日本じゃなくて私自身がそうだな、と。
とまあ、そんな感じで、気晴らしに何も考えずに読める本、と思って読み始めたのですが、意外にもいろいろと考えさせられました。
Posted by ブクログ
前世はイタリア人ではなかろうかと思うほど、自分がはイタリアの物が好きなので、興味本位にこの本を手に取った。予想どおり大変面白く、ますますイタリアの人たちのことが好きになった。イタリアに興味がある人は、是非この本を読まれたし!
Posted by ブクログ
日本にずっといると、自分の価値観や習慣が当然で絶対的な物のように考えてしまいがちだが、たまに違う国の価値観を知ると、心と頭が柔軟になっていく気がする。
イタリア人的働き方を読むと、映画紅の豚で、みんなで飛行機を作っている場面を思い出す。まさに、イタリアの職場とはあんな感じなのだろうか。
日本は、イタリアと比べると公共の場所でのサービスや流れがスムースで快適で行き届いているが、消費者もどこかで生産者(サービス提供者)であるという点を考えると、あまりにも快適すぎるサービスを当たり前のようにしてしまう風潮は息苦しく感じる。その点、イタリアでは気負う事なく楽しく働けるのかもしれない。
日本人から見ると、一見無秩序でルーズな国に見えるイタリアだが、社会的なルールの下にみんなの暗黙のルールがあって、表面的なルールは重視せず破っているが、ちゃんとみんなの共通認識のルールは大切に守っている。イタリアも秩序とルールがしっかり根付いている国なのだと気づけた。
やたら食事の時間が長いのも、そこにご飯を食べる以上の役割を持たせているからという点についても気づけた。
雨が降ると塩をかけられたナメクジのように元気をなくす、という姿には、かわいらしさを感じる。
Posted by ブクログ
仮説を持って読む
「イタリア人は自分に似ている。家族も」
公私混同恐るべし‐資本主義の常識無視
仕事は人生‐義務意識弱い‐家族工房型
直感感覚主義‐目に見えることは一生懸命
重視すべきは成り行き‐直前までフリーでいたい…Vediamo!
寄り道こそが人生
Posted by ブクログ
遅れた人に合わせる。
イタリア人にとっての30分は世界にとっての1時間。
正確なルールに基づいて遅刻する。
好きなようにさせて結果を出させる。
ダメもと精神。馴れ馴れしく図々しく。
仕事とプライべートはわけない。
公私の区別が曖昧で労働時間の区切りも厳密ではない家族工房型の企業で
仕事に感情移入する。
公務員のように義務意識が高い大きな組織では能率が低い。
目標達成ではなく、過程を楽しむ。
抜群の発想やアイデアは寄り道や脱線から生まれる。
どんな状況でもそれなりに楽しむ。
理想にこだわり、高望みしても不満ばかりがたまっていく。
食卓で裸の付き合いをする。
コネを広げる舞台。
自宅への招待のほうが高級レストランより心のこもった行為。
Posted by ブクログ
元ブルゾンちえみ・藤原史織さんのおすすめで気になっていたコチラの本。
イタリアに想いを馳せていたこともあり、イタリア人から学べること、またタイトルから内容に惹かれ読んでみたかった一冊。
読んでいくうちに、やっぱり自分はイタリア人とは真逆にいるような性格かも?
もっとイタリア人的思考を手に入れたら、人生面白く生きれるのでは?と思い読んでみたが、イタリアに行く人、イタリアとビジネスをする人にはおすすめの本。
■読んで得たもの:
・イタリア人文化を知るにはもってこいの一冊(イタリアにいく人、イタリア人と仕事をする人におすすめ)
・イタリア人とビジネスする、イタリアである程度の地位を得るためには、パーティー参加とコミュ力が必須。コネ作りが得意でなければやっていけない。イタリアは特に独自のやり方がある、昔ながらの義理人情の国だと思った。
※ちなみに、本書のタイトル回収は前半部分で出来ていて、後半はイタリア人の特性や食事、各地方などについて書かれている。
前半は「なるほど」と読めていたが、後半はイタリアについて詳しく知りたい人以外は流し読みしそう、してもよさそう。
Posted by ブクログ
国民性って、歴史や文化や宗教や、結構様々なものから成り立っているんだなと思った。
とはいえ、国の中でも違ったりしておもしろい。
イタリア人が全員こういう人ではないだろうけど、いいなって思ったところは取り入れたい。
イタリア人ぐらい、予想外の事が起きても、何とかなるって!という気持ちで対応できるようになりたいな。
Posted by ブクログ
日本人から見ると「ルーズ」「理解できない」と見える数々の習慣にもロジックがあり、それを知れば「なるほどなあ」と思うことばかり。
イタリア人の思考や県民性をとても興味深く読んだが、自分とは違うロジックで生きている人は何もイタリア人、外国人だけではない。「普通は〜でしょ」とか「〜〜すべき」という言い方は厳に慎まなければいけないと改めて思った。
相手には相手のロジックがある。それが自分が好きかどうかは別にしても「そういう考え方もあるのね」と知るのは、とても面白いことだと思った。
Posted by ブクログ
海外に行くと文化の違いというものを本当に感じる
この本ではイタリアの文化について知ることができます
イタリア人といえば陽気で明るいイメージだけど、まぁ間違ってはいなかった
そんな人ばかりではないのは百も承知だけど
でもそんなに時間にルーズ?なのか!
最後というか後日になったら笑ってしまいそうだけど、私こんなことされたらずっとイライラしてそう…
Posted by ブクログ
イタリア人の常に人と一緒にいたい、カップルでもツインデートしたい、食事は栄養補給ではなく、コネクション作り、列には並ばず割り込み当たり前、一度に一つのことしかできない、時間通りに事が運ばないという文化が面白かった。
Posted by ブクログ
最後まで厭きずに読み通すことができました。巧みな文章構成だったからだと思います。日本人とは真逆のようなイタリア人ですが、人生を豊かにいきようと頑張っているところは、とても共感できました。
Posted by ブクログ
そんなに急いだってしょうがないじゃん。まぁ、のんびり行こうぜ!間に合わなければ精一杯頑張って、それでもダメならワインでも飲んで楽しくやろう。
・人生は常に不測の事態の連続で、そんなことにいちいち腹を立ててること自体がおかしい。
・不測の事態を乗り越えた時により良い仕事ができる準備をすることこそ重要。
・別に断られたとしても、失うものは何もない精神。
・上を目指しすぎて磨耗してしまうよりも、くつろいで、ゆったりとした人生を過ごそうというスタンス。
・拒絶してしまう前に、やはり理解したい。理解することは、愛することへの第一歩。