あらすじ
ホームズの下を相談に訪れた美術商の男。アメリカである事件に巻き込まれて以来、不審な男の影に怯えていると言う。ホームズは、ベイカー街別働隊の少年達に捜査を手伝わせるが、その中の一人が惨殺死体となって発見される。手がかりは、死体の手首に巻き付けられた絹のリボンと、捜査のうちに浮上する「絹の家」という言葉……。ワトスンが残した新たなホームズの活躍と、戦慄の事件の真相とは? 解説・北原尚彦
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Posted by ブクログ
お も し ろ か っ た ー !!
声を大にして言いたい!
とても面白かった(^^)満足!
知人に『シャーロック・ホームズ』シリーズをオススメされて、読み終わったならば次はコレだよ!とアンソニー・ホロヴィッツの『絹の家』+『モリアーティ』に進むべしとご指導賜っていたのがめっちゃ当たりだった。ありがたや〜
何が凄いってコナン・ドイル財団によって公式に続篇扱いされた作品だけあって、何の違和感なくするっと物語に入り込めるところ。角川文庫版の『ホームズ』シリーズが駒月雅子さんの翻訳なので、それと本作が同じなのも読みやすかった。
まるで綺麗に重箱に詰められたおせち料理みたいにホームズ作品の魅力的な要素がこれでもかと詰められている感じ。ホームズとワトソンの掛け合いは勿論のこと、ハドソン夫人にレストレイド警部、ベイカー街イレギュラーズの登場やその他の(言えないけど)アレコレ…。マイクロフト(大好き!笑)とホームズがワンバウンド無しでテニスの打ち合いをしてるみたいな会話も楽しくてにっこり(^^)
『オレンジの種』事件のような本人が意図しない復讐を招いてしまう事件の調査をきっかけに、一見関係の無いように思えた大きな陰謀に巻き込まれていくストーリーは秀逸。終盤に明かされたおぞましい秘密もこれはワトスンがすぐに発表できる内容じゃないと判断したと言われれば納得できるくらいの害悪で、スケールのデカさもありつつ世界観を壊さずに描ききっている。
ホロヴィッツ、凄い!
匿名
違和感が全くない訳ではありませんでしたが、きちんとシャーロック・ホームズの世界観が表現されていて、正典を読んだかのような読了感を味わえます。特にホームズとワトスン、彼ら独特の距離感が素晴らしかったです。最後の最後まで読み手を油断させないストーリーがとても面白かったです。
Posted by ブクログ
アンソニー・ホロヴィッツによるホームズ外典。
本家シャーロック・ホームズでは描かれないようなエグみのある展開(そのために、ワトソンは当初ホームズの事件簿としてこの事件を公表しなかった、という設定でもある)。
Posted by ブクログ
シャーロック・ホームズの正統な続編が発表されていた事は知っていたが、当時購入する事はなかった。時間が経ち、まさか著者がホロヴィッツだと気がつくまでに少し時間がかかり、気付いてから一気に興味がうまれ購入した次第だ。読むまでに間があったが、気まぐれで「シャーロックホームズの思い出」をながめ、久しぶりにホームズへの熱が高まってきた為、絶好の機会とばかりに読み始めた。
ホームズシリーズ新作ではあるが、ドイル作品では無い為、否定的な意見もある様だが、紛れもなくホームズの探偵録であり、残念ながら作中謎の教授(終盤でモリアーティとあかしているが)が指摘している様に、ワトソンの記録では必要最低限の部分しか記されておらず(実際はドイルの描写方法)、もう少しきめ細やかな表現や描写、接続要素が必要だと思っていたが、まさしくホロヴィッツがそこに切れ込んだ形だ。
たとえば、ドイル作品ではワトソン夫人の会話描写など極力なかった様に思われるが、今作では少しだけ登場し、それでいてワトソンとの関係性が理解できる。ワトソンがとても活き活きとしており、語り手としての年老いた彼と登場人物としての若々しい彼がそれぞれ頭に浮かべる事ができる。
物語は、画商がアメリカで巻き込まれた災難とその復讐による恐怖の部分と、ホームズが命令を下す少年達の一人の惨殺事件、そして「絹の家」を巡る謎。と大ボリュームであり、それぞれ独立していく様な事件がきちんと一本線で繋がっており、最後には大団円をむかえる。
登場人物達も豪華で過去先からも沢山出演しており、マイクロフトはもちろん、レストレイドやトレヴェリアン(偶然、シャーロックホームズの思い出を読んだあとで興奮!!)、そして謎の男としてモリアーティ等更にはそれぞれの人柄も丁寧に描写されており、ホームズに少し人間味が出た様に思った。
様々な事件が同時進行していき、過去のシリーズにおいて最もホームズが危機を迎えたといえる程追い詰められていく。シリーズありきたりな事件から発展し、少年の惨殺事件が発生し、調査の途中、ホームズがアヘンの巣窟にて策略に合い女子殺しの疑いで逮捕される。
絶対絶命の中、どうやって活路をみいだすか。半ばを過ぎると目が離せなくなる。
最初のきっかけとなった事件を最終的に解決させる構成は流石で、絹の家事件でホームズがダメージを受けながら最低な真相に辿り着き事件解決と見せかけ、その上でカーステアーズに関わる謎をまだ残していたわけだが、残念ながらこの部分だけ、ホームズ的では無くホロヴィッツ的に見えてしまった(やり過ぎた印象だ)。モリアーティパートもあり、腹一杯なのに食わされている様に思ってしまった。
もしドイルのホームズシリーズがこの様な形で描かれていれば僕はもっとのめり込んでいただろう。
Posted by ブクログ
昨年ホロウィッツ氏の翻訳本を読み、噂に違わぬ面白さに舌を巻きました。
で、こちらも面白かった。
何でもコナン・ドイル財団からの許諾のもとに書かれたホームズ・シリーズとのこと。
晩年のワトスンが、かつてを思い出してとある事件を語るというもの。
その時既にホームズは死去しており、ワトスンの奥様も亡くなっていることが、端々から伝わってきます。
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舞台はというと19世紀の雰囲気をふんぷんと漂わせるロンドン。
電気はまだなく、精々がガス灯。暗くて小汚いロンドンの街には馬車が走り、浮浪者や浮浪少年が街にたむろし、孤児院もあったり。貧富の差の大きさや資本家と労働者との差を感じます。
その雰囲気は、かつて読んだディケンスの『大いなる遺産』や『オリバー・ツイスト』の世界観。飢えた孤児が徒党をなして悪さをする。その裏で糸を引いているのがユダヤ人だったり。
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で、今回のホームズ・シリーズでは、そうした孤児の一人がポイントであったわけですね。
事件は、ホームズを殺人犯として難攻不落の拘置所へと拘禁するまでに至りますが、忽然とホームズはそこから姿を消し、複数の事件をつなぐ糸を手繰り、驚きの解決へと至ります。
このあたりのアクション、展開、ホームズの慧眼などは是非読んでみてご堪能いただきたいと思います。
そもそものホームズ・シリーズは一作しか読んだことはありませんでしたが、派手過ぎない筆致は原シリーズに忠実に平仄をとっているように思います。
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ということでホロウィッツ氏によるホームズシリーズでした。
いやあ、面白かったです。元のホームズシリーズをもっと読んでみたくなりました。
ポワロシリーズなどの20世紀初頭が舞台の探偵ものが好きな方にはきっと気に入っていただけるかと思います。
Posted by ブクログ
コナン・ドイル財団初の公認シャーロック・ホームズの続編。
あまりにも酷い事件でこれまでワトソンが書いていなかったものの晩年になりその事件も書き記す事にしたところから話が始まる。
最初の事件が中途半端に終わったかと思うとその事件を切欠に別の事件に発展していく。一見どう繋がるか定かではない手掛かりをひとつひとつ追っていくため、ある程度まとまった時間を取れるタイミングで読まないとついていくのが大変かもしれない。
個人的には巨悪としての絹の家に対してモリアーティが不快感を示しており、ワトソンを使ってホームズを助けようとするところにモリアーティなりの犯罪に対するスタンスが見え隠れして良かった。
また最後には最初の事件のところまで戻って全てが繋がっていたところも流石シャーロック・ホームズ作品だったと思う。