【感想・ネタバレ】空母いぶき 13のレビュー

20XX年10月4日、3人の中国人男性が尖閣諸島のひとつ、南小島に上陸したのを契機に、この壮大かつスリリングな物語の幕が開きます。救助に向かった海保特警隊員に対し、漂着した中国人男性は「ここは我が国の領土!! 俺たちは自国の救助を待つ!!」と主張。中国による尖閣諸島の武力占領作戦の火蓋が切って落とされるのです。
そんな中国の動きを阻止すべく、日本政府は自衛隊に史上初の防衛出動を命令。そして、自衛隊初の空母「いぶき」の艦長・秋津竜太が率いる第5護衛隊群が作戦に乗り出します。

2019年に西島秀俊主演で映画化された本作。『沈黙の艦隊』(講談社)や『ジパング』(講談社)のかわぐちかいじ先生作品だけあって、スケールは壮大で物語の展開はどこまでも緻密、そしてすべての登場人物がかっこいい……! さまざまな政治的意図がからみあい、作戦シーンでは専門用語が飛び交うため、最初は少し取っつきにくいかもしれません。しかし、一度物語に入り込んでしまえば、そこからはノンストップ。艦や戦闘機の操縦技術へのプライド、運命をともにする仲間同士の絆、そして自衛官としての信念――もう心が震わされっぱなしです!

中国の行動を一度容認すればズルズルと領土を奪われていくかもしれないという緊張感を伴う外交交渉、「戦闘」ではなく「防衛」を前提とした命がけの領土奪還作戦。実現不可能にも思える試練の数々に立ち向かう、政治家や自衛隊員たちの勇気と知略が力強く描かれています。
また、実際の政治情勢にも通じるシビアなシチュエーションや自衛隊のあり方など、考えさせられることの多い作品であり、最先端技術を搭載した艦や戦闘機がぶつかり合う様に心躍る極上のエンターテイメントです!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

 ウクライナとロシアと同じ状況が尖閣諸島付近で、日本と中国の紛争が発生したら一体どうなるのか、軍事と政治と両面からみっちり描く。かわぐちかいじ先生の剛腕ぶりがいかんなく発揮されており圧倒される。

 現実ではその前に台湾がどうにかなってその際に米軍が介入するような気もするのだけど、すごかった。すっごく面白い。

 中国海軍が自衛隊を何も考えずに攻撃するのに対して、自衛隊は極力人命を損なわないように、攻撃力のみを無力化するよう気づかいながら戦い、そんな神業ぶりも描かれる。片手で戦っているようなもので、非常にバカにした態度にも思える。

 ロシアの例を見るにつけ、いったん戦争が始まったらなりふり構わず、国際的な批判などお構いなしで病院や保育園や学校を攻撃するのが現実だ。この漫画での中国もかなりジェントルなのだけど、現実はもっと恐ろしく悲惨なことが起こるだろう。

 

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2022年09月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

あくまでも敵空母を撃沈せずに空母機能を消失させる戦闘終結やり方は、自衛隊らしい終わり方でした。実際は漫画のようにいかないとは思うが、尖閣諸島が緊迫しているだけに読み応えのある漫画でした。続編も読んでみたい。

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2021年02月12日

ネタバレ 購入済み

中国軍に対峙する空母いぶきは

迫力ある空中での戦闘機通しの戦いから、相手の空母を無力化するところまでは、ハラハラする緊迫感のあるストーリーでした。そして、その戦闘の先を見る二人の艦長のやりとりは、日本と中国軍の立場の違いを見せました。最後は、人として信じることができると言う事が、現実でも通じると信じさせられる、素晴らしい終わり方でした。

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2021年02月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

・97 迫水についた2機。僚機は周囲を警戒しないといけないのですが。
・99 F-35BJが飛行甲板を掃射するのはいいけど、あんなに弾を積めましたっけ?
・101 石垣への中国機着陸。さすがに日本機のエスコート付き。
・102 広東の甲板で日中の艦長が対峙するところ。間にあった甲板の破孔は、戦禍の象徴ですかね。着艦システムは軍事気密なので、まずありえないと思いますけど。
・最終 戦争ではないけど、戦後処理は米軍も噛んでくるから揉めると思いますが、逃げましたか。

やっぱり、戦争は避けなければという、凡庸な感想。

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2020年10月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

沈黙の艦隊シリーズから、空母いぶきという新しい船が旅だった。日中という微妙なテーマを取り上げての本作は、漫画ながら非常に緊迫した世論も反映している。最後は、平和のために。多くの国民へのメッセージとして、政治家、自衛隊、そして艦隊が、戦争の意味を問う。戦いを避けるのは、戦いの第一線にいるものたちだ。最後に笑うのは、戦争を止めた者だというストーリーはすごいなと。

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2023年09月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

軍事的な知識が乏しい自分ですが、入り込めた。
日本に生きていて、自衛隊が身近にあって、なんとなく戦争はしないだろうと思っていた。
なんかあったらアメリカごなんとかするから大丈夫だろうと。きっと多くのひとがそう思ってるのかと思う。この漫画はそんな人の心を揺さぶる。
日本の近くには中国などがぐんぐん軍備を拡大させてる。そんな中日本はどう生き抜く?
なんもしないのは甘えだ。
何かを守るには犠牲にしなきゃならない時もある。もっと軍事的なことに敏感になって、もしもの時の立ち振る舞いを考えて行かなきゃな。

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2020年08月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

空母いぶき最終巻
2週間の日中軍の先島諸島紛争が終結
これしかないという予定調和で進んでいく

いぶきのF35が広東の甲板攻撃に成功。広東の空母機能を奪う。
空に取り残された殲20機余りを石垣空港へ着陸させて、中国の敗北を認めさせて休戦協定へ。
(与那国島、多良間島、尖閣諸島も解放)

でも、いぶき艦隊の勝因として、
①僅かに性能が上回った装備(F35B、イージス艦)、
②艦隊練度(潜水艦けんりゅうは、練度しか上回っていないがジョーカー的活躍だった。最終巻は出番なし)

この作品は、中国軍の物量に、①②でかろうじて勝利したというのが、ひねりがない純粋なプロット。
というか、いぶきの甲板に結局傷一つつかなかったことが、この作品のリアリティのないところ。

将来に渡って
「最新鋭の軍備を常に保持更新」
「自衛隊の訓練も怠らない」
ということが必要となる。前者はきついな。
本作では意図的に排除された、米軍との関係性や、いぶき級の空母の複数保有もポイント
(後者は現実が追い付いてきているかな)。
前者は、トランプさんの交渉材料だし、いずれにせよ、お金がかかるよね。

また、作中の殲による宮古(下地)空港爆撃は、易々とやらせちゃだめだね
先島諸島の防衛拠点だからね。
でも、離島防衛って難しいね。本作序盤の中国軍の攻め手(与那国島のレーダーサイト破壊、空港占拠、一般市民軟禁)これを2,3の島で同時にやる。は参考になるのでは

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2020年07月25日

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