【感想・ネタバレ】人間万事塞翁が丙午のレビュー

あらすじ

呉服問屋が軒をつらねる東京・日本橋堀留町の仕出し弁当屋〈弁菊〉。人情味豊かであけっぴろげ、良くも悪くもにぎやかな下町に、21歳で嫁いできたハナは、さまざまな事件に出会いながらも、持ち前のヴァイタリティで乗り切ってゆく。――戦中から戦後へ、激動の時代をたくましく生きた庶民たちの哀歓を、自らの生家をモデルにいきいきと描き出した、笑いと感動の下町物語。直木賞受賞。

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Posted by ブクログ

再読
丙午生まれの女性視点で昭和前期の一家族を描いた自伝的時代もの
作者のキャラクタからとっても色眼鏡掛けられて見られる本作だが
文句なしに良くできた傑作
笑いも悲しみも昭和の匂いも狙いすまして描かれているのに
一切隙がなくそれでいて照れもちゃんと感じさせる絶妙な塩梅
主人公を含めて各キャラクタへの距離感が見事
現在の放送作家ごときには真似できない圧倒的境地

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2018年10月20日

Posted by ブクログ

「青島幸男」の処女小説作で第85回直木三十五賞(1981年)受賞作品の『人間万事塞翁が丙午(にんげんばんじさいおうがひのえうま)』を読みました。

「道尾秀介」作品の『向日葵の咲かない夏』読後… 良くできた作品だと感心しつつも、後味の悪さが残っていたので、心が癒される作品を読みたくなり、本書を選択しました。

-----story-------------
激動の時代をたくましく生きた庶民たちの哀歓を、いきいきと描き出した、笑いと感動の下町物語。
直木賞受賞。

呉服問屋が軒をつらねる東京・日本橋堀留町の仕出し弁当屋「弁菊」。
人情味豊かであけっぴろげ、良くも悪くもにぎやかな下町に、21歳で嫁いできた「ハナ」は、さまざまな事件に出遭いながらも、持前のヴァイタリティで乗り切ってゆく。
―戦中から戦後へ、激動の時代をたくましく生きた庶民たちの哀歓を、自らの生家をモデルにいきいきと描き出した、笑いと感動の下町物語。
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下町の弁当屋「弁菊」へ嫁いだ「ハナ」の人生が活き活きと描かれた人情味溢れる物語で、以下の5章で構成されています。

 ■昭和十二年秋
 ■待人来タラズ
 ■勝利ノ日マデ
 ■1949・夏
 ■おしまいチャンチャン

亭主の「次郎」が二度も召集され、その間、弁当屋を切り盛りしたり、

空襲に備えた建物疎開で自宅兼弁当屋を追い出されたり、

義父と亭主の妾に悩まされたり、

息子の悪童に振り回されたり、

戦後の混乱期に旅館を始めるが、トラブル続きでなかなか経営が軌道にのらなかったり、

と、波乱万丈な人生ですが、下町に生きる仲間等に支えられながら、強く逞しく生きていく「ハナ」の姿に共感しながら一気に読めました。

愉しく読めましたね。


「ハナ」は丙午生まれということで、結婚する際にひと揉めあるのですが、、、

私もひと回り違いの丙午… 60年も違うのに、迷信は生きていたようで、極端に人口が少ない世代なんですよねぇ。

次の丙午まで、あと13年… そのときも出生率が低くなるのかなぁ。


あと気になったのは、妾について家族や世間が寛容なこと… 当時は姦通罪という制度が残っていたと思うので、不倫については御法度だと思っていたんですよね。

ちょっと不思議な感じでした。

今ではなかなか理解できない感覚ですね。



そういえば、「ハナ」は「青島幸男」の母親がモデルなんだそうです。

「ハナ」のバイタリティのある生き様は、「青島幸男」にキチンと伝わっているんでしょうね。

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2022年06月04日

Posted by ブクログ

第85回(昭和56年上)直木賞受賞作。昭和初期、東京下町の弁当屋に嫁いだ女性とその家族の浮き沈みを描いた作品。落語を聞くようなテンポある文章で心地よく読み通せる。野暮なことを嫌い、強がり、とぼける、江戸っ子の言動が活き活きと描写されてあり楽しめる秀作。おすすめ。

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2014年06月20日

Posted by ブクログ

第85回直木賞。
戦時中、青山家に嫁いできたハナの生涯。
弁当屋を営む青山家で、夫が兵隊にとられたり、おじいちゃんが偏屈だったり、息子が悪ガキだったりする。まるでエッセイのような小説。登場する次男・幸二はきっと青島幸男本人じゃなかろうか。
何かにつけて、周辺の人たちの言葉は粋でユーモアがあって、落語調だ。東京下町の人間関係が表われている。

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2010年07月19日

Posted by ブクログ

時代を家族と共に駆け抜けた話。
人生楽あり苦がもっとたくさんありですね。
戦中戦後の雰囲気が間近に感じられた

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2015年09月14日

Posted by ブクログ

中国の故事『人間(じんかん)万事塞翁が馬』をもじって、
『丙午』生まれの『はな』を主人公にした戦中戦後の下町小話。

『はな』と『おとうちゃん』の馴れ初めから、
『おとうちゃん』の出征、おめかけさん問題、
『おとうちゃん』の死まで、

下町のにおいをぷんぷん漂わせながら、
落語のような心地よいテンポで話が進む。

さらっと読み飛ばすその中に、
芝居や落語の知識が満載されている(らしい)。

前半は『おとうちゃん』の一人称語りが無く、
ミステリアス『おとうちゃん』であった。

そのタッチで話が終了するかと思ったが、
後半からは良くしゃべるようになった。

その間に、
確実な分岐がある気がしますが、どのような意図だったのでしょうか?

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2009年10月04日

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