あらすじ
日中・日韓関係を極端に悪化させる歴史認識問題。なぜ過去をめぐる認識に違いが生じるのか、一致させることはできないのか。本書では、韓国併合、満洲事変から、東京裁判、日韓基本条約と日中国交正常化、慰安婦問題に至るまで、歴史的事実が歴史認識問題に転化する経緯、背景を具体的に検証。あわせて、英仏など欧米諸国が果たしていない植民地支配責任を提起し、日本の取り組みが先駆となることを指摘する。
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Posted by ブクログ
韓国などと「歴史認識」問題について大もめにもめるようになった時、そもそも「歴史認識」とは何ぞや?そんなもの百人いれば百通りあるだろう?と謎に思って勉強しようと手に取った本。
「日本では1990年代以来、「歴史認識」はある特定の歴史にかかわる言葉としても使われている。」
(はじめに ⅰ)
第一次世界大戦以降の戦争と、日本の他欧米列強の植民地支配問題から、戦後日本がどのように戦後処理、戦争賠償問題にとりくんできたか流れがよくわかりました。冷静な文章でできるだけ偏りがないよう解説をされているのでとても読みやすく、謎に思ってたこともすっと頭に入りました。良書だと思います。
慰安婦問題は世界的な人権意識の高まりが背景にある(特に女性の人権)。
欧米諸国は植民地支配の責任は認めていない。(だからといって日本だけ批判されるのは不公平だという論もおかしい)
ドイツと日本の差はアピール力の差かな、と。
帯にある、「自虐でも、独善でもなく」という言葉にこれからの日本が進むべき道を示されているように思う。