【感想・ネタバレ】大聖堂(上)のレビュー

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Posted by ブクログ

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エリス・ピーターズの『修道士カドフェル』シリーズ好きなら絶対ハマること請け合いの、上・中・下三部作。評者は絶対ハマるタイプなので、文句なしの星5とした。

ウェールズの平民で孤児だった修道士が、己の知恵と、仲間と、あらゆる伝手によって大聖堂建立するまでのお話。
そこに、登場人物それぞれの謎や諸事情が絡んでくる。これがしかも、全てきれいに解きほぐされ、決着がつく。
大部だが『必要でないエピソード』がほとんどないのはそのため。

イングランドのヘンリー1世の嫡男、ウィリアムの死に始まり、スティーブン王 VS 女帝モードの内乱、ヘンリー2世になってからの王権 VS 教会の対立など、歴史背景への知識はある程度あったほうがよい。
無くとも問題ない程度に、作中の人物が話題にする。重大事は『この時代だからこそ』の王権の不安定さや、諸侯の思惑によってどちらにも転び得るという、スリリングな展開をみせる。

どちらかというとデウス・エクス・マキナのように「困りごとに片がつく」展開だが、そこを『枝や葉の部分が、大きな物語の進むごとに翻弄されたり、要所要所で解決を見る』形に収めたのがケン・フォレットの力量である。
構想と調査に時間をかけただけあって、ただの中世譚ではなく、当時の建築現場に赴き、日々の進捗を目にしているような気分になる作品である。

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2019年11月10日

Posted by ブクログ

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12世紀のイングランドが舞台。
大聖堂の建築を夢みる職人トムは、雇われ仕事を追われ、家族を連れて流浪の身。一家は糧を失い、身重だった妻を失い、やがて、トムは森に棲む美貌の未亡人親子と出会う。

その頃、キングスブレッジ修道院長に就任したフィリップは、修道院の経済改革に着手するが、大聖堂が火災によって消失する。

大建築を仕上げたい芸術家肌の職人と、崇高な理想に燃える改革者の宗教家。二人の夢に、時のイングランド国王の後継ぎ問題が絡む。

登場人物のすべてが善人ではなく、癖のある者たちばかりだが、彼らの信念が玉突き事故のように物語を突き動かしていく。歴史ってあんがい、こんなふうに行き当たりばったりで紡がれたのかもな、と。

眠るのが惜しくて夢中で読んだ小説は久しぶりだった。

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2015年09月05日

Posted by ブクログ

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中世イングランドを舞台にした聖堂を建てる男の物語、、、と思いきや、彼が死んでも話は続く。
国王と教会とそれぞれの内部闘争と、形勢が目まぐるしく変わる波乱万丈の物語。読みごたえありの太い文庫の全3巻。

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2014年04月20日

Posted by ブクログ

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建築職人のトムの夢は大聖堂を建てること。しかし仕事は無く放浪しその日の食べ物にも困る有様。妻との別れ、再婚、修道院での仕事と別れ。話は壮大で長いんだけど、それは舞台背景、登場人物の考え方と行動が丁寧に描かれているから。物語の中に入り込んでしまってアリエナ(シャーリング伯の娘)のことは辛かった。彼女が中巻で幸せになってくれるといいけど……。ジャック(エリンの息子)はどうなるかな? 早く読みたい。

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2023年09月18日

Posted by ブクログ

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人間関係がこんがらがって、家系図を作成。
トムの息子に対する態度や、その息子の乱暴さにいらいらする。エリンが出て行くのも当然。
後半は、フィリップの策略が上手くいくのかハラハラ。

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2016年12月05日

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