あらすじ
利一が小学生だった頃、仲間といれば毎日が冒険だった。真っ赤に染まった川の謎と、湖の人魚伝説。偽化石づくりの大作戦と、洞窟に潜む殺意との対決。心に芽生えた小さな恋は、誰にも言えなかった。懐かしいあの頃の記憶は、心からあふれ出し、大切な人に受け渡される――。子どもがもつ特別な時間と空間を描き出し、記憶と夢を揺さぶる、切なく眩い傑作長編小説。
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Posted by ブクログ
よかった。とてもよかった。
こんな子供時代を過ごしてみたかったと思わせる一作です(ただし危ない目に遭ったのを除く)。
仲間たちもすごくいいですよね。間違った行動をしてしまう時もあるけれど、それが仲間のためっていうのがすごく素敵。
夢を語り合って、それが叶ったり叶わなかったりするのも結構リアル。
あと余計なことかもしれませんが、最初の赤い水の物語で、この作者の別の作品が頭をよぎって、また狂った少年が出てきたと思いましたが、全然勘違いでした。すみません清孝くん(汗)。
Posted by ブクログ
デパートのとこ、油断してたからギャップにめちゃくちゃ泣けた。自慢しぃだけど、熱いハート持ってるじゃんか。
キヨもばあちゃんもカッコイイし、キャラクターがみんな魅力的で楽しかった。
冒頭の一文は、解説を読むまで「私は知らんけど有名な本の引用なのかな」と思ってました。
意味もなく「…なのねす」って言いたくなる。
私の学生時代も「模試」が「もち」になる先生いたなぁ
Posted by ブクログ
それが当たり前であるかのように高校生の甘酸っぱい青春を描いた物語を読んでも自分にはあまり共感できないことが多いが、本作が描いている小学生時代の好奇心や思い出には懐かしい気持ちを味わうことができた。登場人物の小学生らしい天真爛漫な言動は大人になった自分にはとてもまぶしい。とはいえ、ただそれだけでは終わらないのはさすがの道尾秀介。最後の解説を読むまでは市里修太という作家は実在するのだと思っていた。
道尾秀介作品は文体というか全体的な雰囲気として独特の寂寥感を感じるものが多いと思っているが、『光』は物語のテーマも相まって特にその色が強く感じた。またさらに年を取ってから改めて読みたい作品だ。